『かがや』 オススメ度:★★★★★
新橋に存在する、狂気に満ちみちた居酒屋。それがかがや。
あたくし、超いちおしの珍スポットでございます!!
とにかく何が凄いって
店長のカリスマ性
もう、この1点につきる。 ずーっと真顔で、メチャクチャなパフォーマンスをくり出しまくるのだ。 にやけたり、動揺したり、絶対にしない。表情をピクリとも変えない。まさに狂気の沙汰。
ではでは、詳細をご案内しましょう。
新橋に存在する、狂気に満ちみちた居酒屋。それがかがや。
あたくし、超いちおしの珍スポットでございます!!
とにかく何が凄いって
店長のカリスマ性
もう、この1点につきる。 ずーっと真顔で、メチャクチャなパフォーマンスをくり出しまくるのだ。 にやけたり、動揺したり、絶対にしない。表情をピクリとも変えない。まさに狂気の沙汰。
ではでは、詳細をご案内しましょう。
「なんか変わったお店ないかな~」
とぐるなびを徘徊していたら、とんでもないページがブラウザに表示された。
TOPページから、コレである。
本来なら、店の内装や自慢料理を載せるべきところに、拙いクレヨン画のひょうたんと、ぬいぐるみのお食事会が貼られてる。
その下の説明文には
かがやは、バラエティー居酒屋です。ともかくへんちくりんさを追求しています。でもゆるいよ
とある。
なんだ、なんだこの店は!?
禁断の地を見つけてしまったのではないだろうか?
はやる気持ちを抑えて、カーソルを下げると
店内写真には「ぽよ~~ん。へろへろ~~ん」
店長の写真には「かえる星のケロラスピョングース伯爵です。ほんとだよ」
と説明書きがされている。
やばい、やばすぎるぞ。この店。
ぐるなびの掲載料って月数万するんでしょ??
いいの、こんなにふざけたおして??
クーポンページは更にとばしてて
1:ぱちぱちくるん
2:ふわーーん
と意味不明のオノマトペを並べたてたあとで
3:おいらの私物をほしければなんかあげるよ
と来たもんだ。
こんなクーポン見たことない!!
公式サイトもあるそうなので覗いてみる。
「かがやの様子」という項目をクリックして、確信したね。
ああ、この店は本物だって。
▲かがやの様子
だって、コレだもの。
店長さんの不気味なコラージュ写真だもの。
光の速さで、現地に行ってまいりました。
●徹底的に無駄をそぎ落とした店内
▲不要な物が、一切置かれてない店内
15畳ほどの空間にあるのは、テーブルとカエルの置物だけ。
居酒屋なら壁にメニューとか張られてるもんだけど、かがやにゃあそんなん無い。
なぜなら、この店はマスターが100%のパーフォマンスを出し切るための舞台。
とにかく彼が動きやすいよう、緻密に設計されているのだ。
●「はじめても良いですか?」からの、おしぼり運びアンパンマン
▲おしぼりをアンパンに乗せた
▲「何百人の幸せ~」と歌いだす
この日は我々だけの貸切利用。15人ほどで行ってきました。
着席するやいなや「じゃあ、はじめて良いですか?」と真顔で尋ねてくるマスター。
これが、開始時のお決まりのセリフみたい。
「はい、始めてください」
と答えると、マスターはアンパンマンにおしぼりを乗せ、楽しそうにアンパンマンマーチを歌いだした。
みんな一応あわせて手拍子したり、歌ったりしてるけどね、この時まだ入店して10分。
場の空気が暖まってないし、心構えも出来てないから、微妙な雰囲気になっていた。
でも、さすがマスター。この道のプロ。まったく動じない。
完全に1曲歌い終えた後、リモコンでアンパンマンを操作し、おしぼりを各自へ運んでいた。
ちなみにコレ。お客さんが来るたび、必ずやります。
なんという精神力。
●箸置きは「首のとれた人形」
▲好きな箸置きを選べます 。
▲左から、キン消し、首のとれた女の子、ドラえもん 。どれも箸置きです。
バラエティー豊かな箸置きたち。
君はどれがお気に入りかな?
で、スゴイのはここから。
ただ変なものを箸置きに使ってるってだけじゃあないんだから、かがやは。
それぞれの箸置きには「正しい置き方」が存在しており、マスターが1つ1つ置いてくれるのだ。
たとえば、キン消しは、肩にかつがせるのが正しい置き方。
バズーカを持って、戦場に挑むような構えである。
雄雄しくもあり、子供心も忘れていない、そんな置き方だ。
これ以外の置き方をするとマスターに怒られる。
おだんご消しゴムは、串の部分に置くのが正しい。
さきほどのキン消しとは対称的に、なんて繊細な置き方なのでしょう。
ほんの少しで、机に落ちてしまう危うさが、まるで乙女のような儚さではありませんか。
だんご部分に、ドシンと箸を預けるような、そんなアバズレ行為は許されません。
お次は、首なし少女。
お尻に生えてる謎の突起に、チョコンと箸先をそろえるのだ。ああ、なんという不可思議。
当初、僕らは「首のとこに、箸を乗せるため、頭をもいでるのでは?」と推測してたのだけれど、マスターの考えは、僕らの上を行った。
謎の突起。この突起に置くだなんて、誰が思いつくだろう。
1人1人置いていき、最後の人。
「最後はどうするの、ドキドキ」と期待感たっぷりに眺めていると。
マスターは、彼が選んだ箸置きには目もくれず、ドンっとビールの上に箸を置き、厨房へと消えていった。
「箸置き、使わねえのかよ!!」
と、おもわず全員でツッコんだ。
なんと、オチまで用意されていたのだ。 おそるべし、マスター。
正直、最初のアンパンマンのくだりでは「微妙な空気で終わるのかも‥」と不安がよぎったが、杞憂に過ぎなかった。
もう、この時点で「もっと見たい、もっとマスターの発想に触れたい」と心奪われてしまった。
●選べる4つのコース料理
かがやは基本的にコース料理です。
選べるコースは
「ねえ、マスター今日はもう食べておなかいっぱいなんだ。気の利いた軽いつまみ作ってよというコース 1,050円」
「ねえ、マスター、今日は、おなかもすいてるし、おいしいものたくさん食べさしてちょというコース 2,100円」
「ねえ、マスター今日はいつもより豪華に季節のもんとかさ、入れてさ、「おおっ」という感じでねというコース 2,625円」
「ねえ、マスター、今日は、コワレタイんだよね、飲みほうだいで、めいっぱい食べてみたいよコース(のみ込) 4,200円」
の4つ。
感情をこめてコース名を読まないと「全然気持ちが伝わってこない」とやり直しをくらうのだ。 演技力が問われる。 今回は2100円のコースをチョイス。
肉じゃが、かぼちゃ、高野豆腐、魚の煮物、じゃがいもの煮っころがし、ハヤシライスなどなど、出るわ出るわの7品目。
すべて、茶色。出てくる料理、ことごとく、ぜーんぶ茶色。
シャガールが青でおなじみなら、かがやは茶。
でも、これ、味は普通に旨い。懐かしの家庭料理って味わいで、箸が進みます。
味を崩してこないあたりに、卓抜なバランスセンスが感じられ、さらに心服を深めるのであった。
●ジャポニカ学習帳に書かれたドリンクメニュー
▲メニュー表はジャポニカ学習帳です
メニューはジャポニカ学習帳に書かれてますね。
注目すべきは右下。かがやでは、なんと「ドリンクの持ってき方」を決められるのだ。
これ!これがかがや最大のポイント!
んもー、すごいんだから、持ってき方が。
●持ってき方 あれこれ
1:持ってき方「日本」
▲ずっと真顔だったマスターが、はじめて笑顔を見せた。
一礼し、はじまる日本舞踊。
んまー、長くてね、10分くらい踊る踊る。
しかも、踊り自体はたんなる悪ふざけじゃなくて、しっかり練習されてるのよ。
なんなんだ、この人は。マジで意味がわからん。最高すぎる。
ひととおり舞ったら、紙テープを投げて、おしまい。
拍手に包まれるなか、何もなかったように、真顔でドリンクを運んでくれる。
2:持ってき方「フランス」
▲官能的な音楽とともに、イーゼルを持って現れた。身をくねらせ、指をいやらしく動かす。
▲ターゲットの女性を見つけ、描きはじめた。細かい色彩を、指で調整したり、やけに本格的。
▲似顔絵完成。かなり似てます。
書き終えると、またも、何事もなかったように、真顔でドリンクを運んでくる。
3:持ってき方「ブラジル」「アメリカ」(動画で)
▲ブラジルとアメリカの動画ね。撮ってきました。
ブラジルとアメリカは動画でご覧くださいまし。
前半1分がブラジルで、後半1分がアメリカね。
ってな具合で、もってき方1つ1つに、芸が仕込まれているんです。
いんやあ、凄い。
本当は「持ってき方 イギリス」が最高で、床を転げまわって笑ったんだけど(比ゆじゃなく)、文字では面白さが表現出来ません!もう直接行って、味わってください!
●特性ドリンク 地底人2800円、埼玉県人50円
▲謎のドリンクたち。地底人2800円、埼玉県人50円、宇宙人1億円。
地底人2800円、埼玉県人50円、宇宙人1億円と、謎のドリンクが並んでます。
埼玉県人を注文すると、「マズいよ」「本当にマズいけど、大丈夫?」と何度も念をおされました。
飲んでみると『キャベツ太郎の匂いがするスッパくて辛い汁』でした。
なんだったんだ、アレは。
▲こちらは地底人。ジョッキがブルブル震える。
写真じゃあ伝わらないけど、ジョッキが小刻みに震えてます。
アル中気分で、酒をあおれる逸品。 シンプルだが笑える。
●店内を監視するマスターとお母さん
▲客席を監視するお母さん
あ、そうそう。
パフォーマンスしてる時以外は、マスター、ジッと客席を監視してます。 すっげえ真顔で、監視してます。
料理担当のお母さんも同じ。
かたときも笑顔を見せず、すっげえ真顔で客席をジッと監視してます。上の写真みたいに。
それがまた変な緊張感を生んで、たまらんのです。狂気を感じるのです。
●とまあ、楽しいときはあっという間で、お会計
▲いささかさま宛の領収書
ずっと笑いっぱなし、ほとんど雑談する暇さえなく、2時間半終了。
いささかさま宛の領収書を貰い、退店するのであった。
■『かがや』の情報■
【オススメ度】★★★★★
【アクセス】JR「新橋駅」徒歩2分
【電話】03-3591-2347
【時間】17:30~03:00
【定休日】日・祝
【ご予算】3000円くらい
【関連URL】ぐるなび、公式サイト