『立石バーガー』 オススメ度:★★★★☆

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堀切菖蒲園駅にあるハンバーガー屋さん。
まずは、この外観をご覧あれ。
いかがだろう。
一言で評するなら、完璧。
珍スポットとしてあまりにも完璧すぎるプロポーションだ。
看板の下半分がもげている案配、壁にとりつけられた楽しげな器具の数々。
ああ、ほんの1秒見ただけで、濃密な珍スポ体験を予感させる。なんて淫靡な店構え。
では、詳細をご案内しましょう。
 

乱立する手動販売機



壁に沢山とりつけられているのは、自動販売機ならぬ「手動販売機」。
お金を入れると、マスターが手動で、設置されたハンバーガーを落っことしてくれるというのだ。
なんて画期的な機械でしょう。
店構えにビビって、中に入れないお客さんのために2009年ごろ作ったそうだ。
コレ使う方が、よっぽど勇気いると思うんだけどね。



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店舗右手には
「ロイヤル立石バーガー」「気球的自動機」「自家製手渡し」
とハンドメイド丸出しの販売機が3台設置されている。



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中でも気になったのがロイヤル立石バーガー。
販売機には「今この自販機で買うとエリックの生歌が聴ける特典つき」って書かれた紙が貼られているのだ。
誰なんだ、エリックって!?
いてもたってもいられず、同行者が300円を投入。
すると…



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あ、出てきた。
ハンバーガーを乗っけた台が、ゴソゴソと下からせり上がってきた。
そして販売機からはすげえ小さいボリュームで音楽が流れている。
耳を傾けると

「フンフンフーン、たのしい仲間がポンポンポポーン」

と謎の男が、いまさらながらACの曲を歌っていた。
え?なにこれ!?

「ありがとうございました。ガチャ」

あ、終わった。もう終わった。
せめて最後はアリガトウサギって言ってくれよ。
そもそも録音で、生歌じゃあないし。
多くの謎を残し、エリックの歌は終わった。
後ほどマスターにたずねたところ、エリックとはニコ生で有名な人らしい。
人選が渋いぜ。





さて、お次に試したのがコレ。
「ジャンピング食パン300円」
ゲーム性があって楽しそうだからね。
この食パン君のイラスト、けっこう絵心あってカワイイ。
ではでは、さっそく300円を投入。
どんだけ食パン飛ぶんだろー。ドキドキするぜ。



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あ。
出てきた。
カメラを構える隙もなく、出てきた。
お金を入れるやいなや、食パンが乗っかってるアミが傾き、レールを転がって落ちてきた。
ぜんぜんジャンピングしてない。
どちらかといえばローリング食パンだ。
くー、シュールな世界観!
期待を裏切らないぜ、立石バーガー。




動販売機の仕組みはこうなってる!

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ひととおり手動販売機を堪能したので店内へ。
入り口に「節電中」の貼り紙がされているとおり、店内はまったく電気がついておらず、自然光だけで営業してるので薄暗い。
また、冷房もついてないので、ランニング姿のマスターは汗だくだ。
いやあ、徹底してるなー。
ショーウインドウの横に、5席分のイートインスペースもある。



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ほんで、店内にはテグスが張りめぐらされているのね。
これが手動販売機と連動している。
お金が入ったのを肉眼で確認したら、マスターはテグスを引っ張る。
すると、食パンがのってるアミが傾いたり、ロイヤル立石バーガーの台がせりあがったりするって寸法だ。
なお、厨房からは入れられたのが100円玉かどうかまでは分からない。
もしかしたら、10円玉かも知れないし、ともすればメダルかも知れない。
それでも、マスターはテグスを引っ張る。
そう、手動販売機とは、信頼で成り立っているシステムなのだ。





ショーウインドウには100~200円のいろんなハンバーガーが並んでいる。
立石バーガー100円とそんなバナナバーガー100円を注文。
こんなファンキーな店を経営してるとは思えないぐらい、とても朴訥なマスターで
「200円なんですけど…」
と、申し訳なさそうに会計をしてくれた。
なんだか、とても親近感がわく。
対面での販売の方が、手動販売機での売り上げより多いそうだ。



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立石バーガー 100円

具はハンバーグ・オニオン・レタスと、王道のハンバーガー。
100円でこの味なら文句なし。



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ロイヤル立石バーガー 300円

こちらは先ほど販売機で買ったロイヤル立石バーガー。
どこらへんがロイヤルかというと、ハンバーガーが分厚くて、ハムも入っているのです。
うん、うん。こりゃ旨い。
モスバーガー的な味わいですね。



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そんなバナナバーガー 100円

上の茶色くて細いのがバナナ、下の茶色くて丸いのが肉。
バナナは、甘く煮しめてます。
イロモノ商品なんで、味はまあ、そんな旨くはないです。
良くいえばバナナクレープみたいな優しい味わい。




バーガーショップと助けてボード

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店内の壁はナイスな装飾で埋め尽くされている。
細かく見てみよう。



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これは「バーガーショップ」と名づけられた物販コーナー。
「曲がる鉛筆50円」「1番袋200円」など、なんだか良く分からない雑貨を販売している。
しまいには「?300円」と、マスターでさえ名称が不明なものまである始末。
「中国に行ってる若い人から、置いといてと頼まれているの」だそうだ。
ほんとに置いといてあげてるのだから、マスターは優しい人なのだ。



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おもわず、曲がるエンピツを買ってしまった。
ほら、こんなに曲がる。





こちらは「助けてボード2011」という掲示板。
助けてほしい内容を、お客さんが書きしるしていくものだ。
毎年ボードは更新されていて、助けて大賞も決定される。
2010年度版の助けて大賞は
「デブだけど仕事がしたいです。紹介してください。090-××××ー××××」
というガチな携帯電話番号つきの求職依頼であった。

とまあ、こんな具合である。
店主のセンスがにじみ出た最高のハンバーガー屋だ。楽しいよ。
1人の男の生きざまを感じらる。
歩いて10分の場所にコーヒーラーメンでおなじみ『亜呂摩』(オススメ度:★★★★☆)があるんでね。
そこと併せて、巡るのがオススメです。







「立石バーガー」の情報
オススメ度:★★★★☆
アクセス:京成電鉄「堀切菖蒲園駅」から徒歩6分 地図
住所:東京都葛飾区堀切3-17-15
電話:03-3695-9133
営業時間:11:30~21:00
定休日:なし
予算:立石バーガー100円、そんなバナナバーガー100円など
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