『郷土と天文の博物館』 オススメ度:★★★★☆



お花茶屋にあるプラネタリウム。
正統派ならココ、珍スポ的な面白さならプラネターリアム銀河座
都内プラネタリムの2巨頭の1つだ。
・できあいの番組を流さず、オリジナル番組を制作してる
・録音された解説でなく、専門スタッフによる生解説をしてる
って2点において、熱の入りようが他のプラネタリムを突きはなしている。
では、詳細をご案内しましょう。
 

清潔で、整頓された館内
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掃除が行きとどいて、清潔な館内。
公立の施設にありがちな、方向性のズレも感じない。



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便器の上には、トイレにちなんだ宇宙まめ知識が貼ってある。
こんなところにも、宇宙愛が垣間見えるのだ。




設備、番組、解説、すべてが完璧なプラネタリウム

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(プラネタリウム内は撮影禁止のため、公式サイトより写真を拝借)

プラネタリウム内は席数が150くらい。
ドームを覆うようにスクリーンが張られている。
とてもキレイで、大事に利用されてる事がうががえる。
日曜の午後に行ったんだけど、かなり空いてて客は20名ぐらい。
もっと、混んでておかしくないんだけどなー、ココ。



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3ヶ月に1回ぐらいのペースで、流す番組を切り替えてて、今までに「ハッブル宇宙望遠鏡の世界」と「オーロラ -宇宙からの贈り物-」って、2番組を見た。
で、さっそく、結論。ここは超オススメ。
知的好奇心を刺激されまくりで、見終わってしばらく興奮がとまらなかった。
ちょいと、項目別に解説します。


一:設備
ここのプラネタリウムには「デジタル・ユニバース」って機能が搭載されている。
これ、何がスゴイって、人類がいままで観測した全宇宙の天体データが入力されてるのだ。
なもんで、宇宙のどんな場所からでも、自由に宇宙空間を眺めることができるんです。
つまり「地球から、星空を眺めた映像」だけでなく、「宇宙空間から、星空を眺めた映像」も映せるってわけなんですね。
スクリーンが全方位を包み込んでいることも相まって、ほんとに宇宙遊泳してる感覚になる。
この感覚は、映画じゃ味わえない。


二:番組
よそのプラネタリウムは、映像製作会社が作った既成の番組を流してるとこがほとんど。
でも、ここは違う。
企画・製作からこの博物館が独自におこなっている。つまり、完全オリジナル。
映像演出も巧みで、投影機の能力をフルに引き出している。
最新機を投入してるにも関わらず、その機能をまるで番組に活かせてないとこって、かなり多いんです。
ほとんどの番組の企画立案に、学芸員の新井達之さんがクレジットされてるんだけど、この人の天文愛がまたスゴい。
小学3年からプラネタリウムに通いつめ、中学高校と天文学部。
大学生の時には、すでに公立のプラネタリウムで解説員をやりだす。
ほんでもって、いったん一般企業に勤めるも、プラネタリウムへの想いが捨てきれず、郷土と天文の博物館に転職する。
ってな、経歴の持ち主。
うーん、天文を愛して愛してやまない方だ。
その愛が、番組からビシビシ漏れ伝わってくるのだ。


三:解説
すべての番組が生解説。
他のプラネタリウムでも、生解説のとこは結構あるんだけど、クオリティーが段違いなんだな。
よくある生解説は、施設のスタッフが台本を業務的に読み上げるだけで、その内容も星座にまつわる神話ばっかり、ってな感じですげえ眠たい。
だけど、ここはそういう解説とはまるで違う。
「星が生まれてから消滅するまでのメカニズム」だとか「オーロラが発生する仕組み」だとかこれまで知らなかった知識を、プラネタリムの映像技術を100%使い切って、おもしろおかしく解説してくれるのだ。
「なぜ?」「どうして?」という疑問にまでぐいぐい答えてくれるから、かなり知的興奮がある。
カップルで行ってムードを満喫するのもいいけれど、1人で行ってもむちゃくちゃ楽しい。

という具合だ。
もー、ほんとオススメ。
解説者によって多少当たり外れあるのでオススメ度は★4つですが、新井さんの回に当たれば、間違いなく★5つ。
すぐ近くにはコーヒーラーメンでおなじみ「亜呂摩」があるんで、亜呂摩ついでにふらっと立ち寄ってみてくださいまし。








「郷土と天文の博物館」の情報
オススメ度:★★★★☆
アクセス:京成電鉄「お花茶屋駅」から徒歩6分 地図
住所:東京都葛飾区白鳥3-25-1
電話:03-3838-1101
営業時間:日~木9:00~17:00、金・土9:00~21:00
定休日:月曜(祝日なら開館)、第2・4火曜(祝日なら翌日が休館)、年末年始
予算:大人350円
関連URL:公式サイト