『高尾山トリックアート美術館』 オススメ度:★★★★☆

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高尾山口駅目の前にあるトリックアート美術館。
トリックアートって聞くと「どうせ立体感のあるイラストでしょ」とお思いでしょう。
しかし、ココはそれだけじゃあないんです。
体の大きさが変化する部屋、重力が歪んでる部屋などなど、ありとあらゆる錯覚現象が堪能できます。
自分の視覚が信用できなくなりますよ。
では、詳細をご案内しましょう。
 

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高尾山口駅のホームから、すでに建物が見えてるんだけど、ものすごい違和感。
あたり一面が山だから、この美術館だけすっごい浮いてます。
浮いてる、浮きあがって見える、そう、つまり建物からしてトリックアートしてるってわけ。わお。



入る前から、怒涛のトリックアート攻勢

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入館する前から、怒涛のトリックアート攻勢は始まります。
まず、受付嬢がトリックアート。
ほっぺの膨らみ具合、人の良さそうな笑顔、センター分けの髪型などから推測するに、モデルは若いころの樹木希林だと思われます。



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壁を修復してる男もトリックアート。
もちろん、そいつが手を加えてる彫刻もトリックアートだし、ハシゴもトリックアート。
壁の剥がれかかってるギミックだってトリックアートだ。



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美術館入り口のトビラを開こうと、ノブに手をかけると、そこもイラスト!
実は、自動ドアなんです。んー、まだ館内に入ってすらないのに、この物量とは。やるなー。




館内はトリックアートに埋め尽くされている!騙されまくれ!

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落ちてる千円

入場料を払い、館内に入ると、床に千円札が落ちてました。
「ん、これはまさか」と、手を伸ばすと。



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そう、お察しの通り、トリックアート。
イラストだって薄々分かってはいても、落ちてるお金見るとドキッとしますね。
人間性が試されるので、デートの際はお気をつけください。



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飛び出すクジラ

じゃれつくクジラの喉元を撫でてるとこ。
こういうTHEトリックアートってのも、ごろごろあります。
この美術館では、写真を撮るのはもちろん、直接手で触れても良いんです。
フラッシュや接触で痛んだイラストは、定期的に塗り替えてるんだそう。素晴らしいサービス精神ですね。
視覚で理におちないと「いったい、どうなってるんだ!?」って触りたくなりますから。



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一緒に行った橋本氏がイラストの少年と肩を組んでます。




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まるで無重力空間みたいでしょ。
どうなってるのかと言いますと…



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これが、実際に描かれているイラスト。
床に座って撮影し、写真を90度回転して鑑賞するってわけです。
係のお姉さんが、写真撮影方法までやさしく説明してくれます。いやあ、手が込んでるぜ。



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厳しい演技指導のすえ、ようやく落ちそうな雰囲気を演出できた1枚。
こんなふうに、とりかこむ壁全てにトリックアートが描かれた部屋が7つもあります。
やはりモチはモチ屋とでも言いますか、美術館とかでたまに開かれるトリックアート展より、物量ががぜん豊富です。




立体感のあるイラストだけがトリックアートじゃないんだぜ

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AとBは同じ色

このトリックアート美術館がスゴイのは、立体感のあるイラストを紹介するだけじゃないってとこ。
さまざまな錯覚現象を堪能させてくれるんです。
たとえば、この上記の絵をご覧ください。
赤丸で囲まれた2つの部分は、なんと同じ色なんです。
信じられないですよね?
どう見ても、下のが薄い色に見えますもん。



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でも、クルッと板を回転させ、隣あわせると、同じ色なんだよなー。
んー、なんだ、これは。不思議すぎる。
色を認識する能力って、こんなにも相対的なものだったんですね。



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動く雲

ちょっと写真じゃ分からないんだけど、左のウズ巻きはすごい勢いで回転してます。
ソレを15秒凝視してから、右の風景画を見ると、雲がグワングワン動きまくるのだ。
静止画にも関わらず、ほんと動画みたいに動きまくりです。
冷静沈着をむねとする私も、これには度肝を抜かし「ぎゃー動いてる!」「なんだこれは!」「サンリオピューロランド!」などと口走ってしまった。

ちなみに、こういう視覚現象を錯視というそうです。
興味がわいて、けっこう調べたんですが「北岡明佳の錯視ページ」というサイトがむちゃくちゃ面白いですよ。
立命館大学心理学科の教授が「動く錯視」「色が変わる錯視」「消える錯視」などなど、さまざまな錯視を紹介しています。気になった方はご覧下さいませー。



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超重力の部屋

で、数ある展示の中でも、特にスゲエと思ったのが「超重力の部屋」と「エイムズの部屋」。
まずは「超重力の部屋」からご案内しましょう。
見てください、この子供たちの角度。おもいっきり、鋭角。
「起立、気をつけ」でこんな角度してたら先生に怒られますよ。
どういう仕掛けかというと、つまり、床が斜めになってるんです。
だけど、装飾品とのバランスで、視覚的には体の方が傾いてるように見えるんですね。
視覚と重力に不一致が生じてるんです。



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このパイプに置かれた玉なんて下から上へとコロコロ上がっていくんですよ。
欠陥住宅なんてレベルじゃございません。



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エイムズの部屋

いっぽう、こちらは「エイムズの部屋」です。
右にいる人間が大きく、左にいる人間が小さくなるという、奇妙キテレツな部屋なんです。
右でひょうきんなポーズをしている橋本氏がやけに大きく、左で凛としている私がやけに小さく見えますね。



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で、立ち位置を変えれば、あっという間にサイズ逆転。
大きくて凛としているのが私で、小さくてひょうきんなのが橋本氏です。
これは遠近感をつかったトリックで、部屋の右手が手前にせり出してるんです。
頭では分かっても、視覚は騙されたままなんですよね。
ちなみにこのトリック、金田一少年の事件簿でも利用されてました。
目撃者は「大男が殺人をした!」と証言するんですけど、犯人は小さな子供だったというお話し。
エイムズの部屋を作って、大きく見せてたってトリックでした。

ってな具合です。
高尾山を登山する前に、ふらりと立ち寄るのがベスト。
登山後は疲れすぎてて、トリックどころの騒ぎじゃなくなっちゃうので。
楽しいですよー。







「高尾山トリックアート美術館」の情報
オススメ度:★★★★☆
アクセス:京王線「高尾山口」から徒歩1分
住所:東京都八王子市高尾町1786  地図
電話:042-667‐1081 
営業時間:10:00~19:00(4月~11月)/10:00~18:00(12月~3月)
定休日:不定休 
予算:大人1300円
関連URL:公式サイト