「ジャパンスネークセンター」 オススメ度:★★★☆☆

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ちょっと遠出シリーズ。
東京から車で2時間、群馬県は薮塚駅にあるヘビのテーマパークである。
こちらも「珍スポバスツアー -群馬を行く-」で巡ったスポットだ。
基本的には研究施設なんだけど、一般向けの展示や催しものも行っている。
芸術的なサビレっぷりで、営業中にも関わらず、なかば廃墟と化している。
この切ない空気感を積極的に楽しめるようになれば、あなたも珍スポ上級者と言えるだろう。
では、詳細をご案内しましょう。
 

営業中のテーマパークとは思えないさびれっぷり

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駐車場から、受付へと通じる階段。
屋根にたまった汚れが、廃墟的オーラをかもし出している。
研究施設として生計を立てているためなのだろうか、テーマパーク部分の力の抜きっぷりはスゴかった。
いたるところ朽ち果て、営業中とは思えないサビレ方をしていた。
このブログを書くにあたって、ネット上の珍スポブログや旅ブログで、他の人の感想もチェックしてるのだが、みな一貫して「さびれっぷりが凄い」という事で一致していた。
ヘビがどうこうと言うより、ここで注目すべきはサビレっぷりなのだ。



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たとえば、この入り口入ってすぐ脇にある軽食所とステージ。
今は、完全に機能を失い、ボロボロになっていた。
そして園内のあちこちに、高さ30cmはあろうかという大きなツボが置かれている。
あっちにもツボ、こっちにもツボ。
なんなんだ、このツボだらけの空間は。
まるでゼルダの伝説のフィールドだ。



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土曜日の昼間に行ったが、お客さんの気配はなく、係員とおぼしきランニングじいさんが水浴びをしていた。
人目も気にせずバシャバシャやっており、まるで地元の公園みたいだ。
ちかくの建物には、洗いたてのランニングが干されており、生活観がにじみ出ていた。



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妙に涼しい一帯があり、グイグイ進むと、そこは岩場に囲まれた休息スペース。
だが、ところどころ置かれたベンチは朽ち果て、ここ数年誰も座ってないのが分かるほどホコリがたまり、クモの巣が張られていた。
ベンチの上には、アマガエルもぴょんぴょん飛び跳ねており、触ろうとした友人が小便をひっかけられていた。



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さらにこの岩場を進むと、洞窟があるのだが、「落石のため、進入禁止」と封鎖されていた。
そして、ここにも大量のツボである。
帰ってから調べたところ、ツボには「陶々酒」というマムシ酒が入っているらしく、涼しい洞窟内で醸造しているそうだ。
あまったツボは、園内に配置しているというわけだ。



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こちらは園内にあるレストラン。
「ヘビ料理」と「手打そば」が並列で表記されるのは、ここぐらいだろう。
残念ながら、この日はオープンしていなかったが、普段はヘビのから揚げやヘビのステーキが食べられるそうだ。



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まむしやスッポン料理が食べられる、スナック風のお店もある。
店名の「亜奈」はアナコンダのアナから取ったのだろう。
こちらもやはり営業していなかった。




味のあるオブジェたち

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全長20mぐらいの大きい観音像が建てられており、足元には白蛇が巻きついてる。
このオブジェだけはメジャー感があり、だいぶ予算がかけられていることが分かる。



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空き地に設置されていたコンクリートのマムシ。
こういう物は普通いくつか作って、テーマパーク感を盛り上げるものだが、置かれているのはわずか1体。
なにも無いより、切ない。
口の中には、何年も前から入っているのだろう大きなクリップが保管されていた。



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温室ヘビ室の2階には、なぜか恐竜の展示がしてある。
スペースはあるものの、もう置くもん無くなっちゃったんだろうか。
手作り感まるだしで最高に味がある。



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ペンキが剥がれていたり、シッポがもげていたり、メンテナンスという概念が抜け落ちたオブジェたちがナイスサビレである。
背面の書き割りは「まるで文化祭」という定型句がピッタリはまる。
このコーナーは要チェックだ。



肝心のヘビはコチラ

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採毒室という建物で、日に3回ショーが行われている。
このショーがスネークセンター最大の見せ場だ。



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研究員が40分にわたって熱い解説をくりひろげる。
非常にテンポのいいトークで、時間を感じさせず、楽しめる。
ただし、この採毒室にはエアコンがないため、むちゃくちゃ暑い。
夏場だったので、見てる方も解説する方も汗だくだ。
この季節、室内でこれだけ汗をかいてるのは、我々をのぞいてはスカッシュやってる連中ぐらいだろう。
トーク内容は、マムシは1年間に4~5人の人を殺しているだの、毒蛇に噛まれ際の治療方法についてだの、マジメなもの。
こちらのスネークセンターは血清治療の研究もしており、毒ヘビ患者が運び込まれた病院から年に数回、治療方法の問いあわせがあるらしい。
かなりガチな研究施設なのだ。



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解説が終わると、シマヘビを触らせてくれる。
触る前の忠告で「昆虫やカエルなどのヘビの餌となるものを触った人は、噛み付かれることがあります。気をつけてください」と説明していた。
さきほど洞窟の前で、カエルに小便をひっかけられた友人は、ビビって触るのをよしていた。
予想に反して、シマヘビの肌はヌルヌルと湿っていた。



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小屋の奥には、ヘビの標本展示もされている。
ホルマリン漬け、剥製、骨とさまざまなヘビの死骸が置かれている。



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思い返してみれば、全然生きているヘビを撮っていなかった。
ヘビ以外の要素が、切なくて、魅力的過ぎたのだ。
これが僕が撮った唯一の生きヘビの写真である。
写真がないからといって、生きヘビがいないわけじゃない。
でっかいヘビが飼われているコーナーや、マムシ数千匹が放し飼いにされてるコーナーなんてのもある。
後者は、ほとんどが草むらに隠れてみてないけどね。

といった具合だ。
ヘビ好き、もしくは、切ない珍スポ好きなら行ってみるの有り。
隣にある三日月村と合わせて巡るのがオススメだ。







「ジャパンスネークセンター」の情報
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:東武桐生線「薮塚駅」から徒歩10分
住所:群馬県太田市薮塚町3318 地図
電話:0277-78-5193
営業時間:3月~11月9:00~17:00 12月~2月9:00~16:30
定休日:なし
予算:1000円
関連URL:公式サイト