静岡県の伊豆高原にある博物館です。
とにかくここは、見たことない人に説明するのがすげえ難しい場所です。1言で「こういうとこだよ!」と言い切れないんです。
メチャクチャ。カオス。なんでもアリ。
あえて端的に形容するなら、こんな表現になるでしょうか。
では、詳細をご案内しましょう。
国道135号線を走っていると、とにかく目立つ「怪しい少年少女博物館」の看板。
伊豆周辺はヘンテコな博物館が多いけど、その中で1番有名なところではないでしょうか。2003年の開館当時は「変な博物館ができて困る」なんて、周囲からネガティブな反応もあったみたいですが、いつのまにか伊豆を代表する観光名所になってしまいました。
まずなにより秀逸なのがネーミングセンス。
怪しい少年少女博物館
…んー、なんの博物館なんだ。まるで想像出来ません。
怪しい。分からないがゆえに、怪しいことだけは確かです。
博物館の脇には、巨大な怪人のオブジェがあります。
閉園した「ペンギン博物館」跡地にオープンしたため、オブジェも元はペンギンでした。それを無理やり怪人に仕立て上げいます。顔にマスクを描き、羽根の部分はマントに見立てています。
しかし、股の間にいる子ペンギンは、何の努力もされず、むきだしのペンギンのまま。この努力と放置のバランスが、いかにも珍スポットという風情です。
入場すると、受付の横に怪しげな本がどっさり平積みされています。
「大麻大百科」「ハッカーの教科書」「スパムメール大百科」など違法な匂いがする本やバカバカしい下ネタ本などです。
どれもこれも出版社は(株)データハウス。それもそのはず、この博物館はデータハウス社の鵜野社長が経営しているのです。
鵜野氏は全国各地で貸し倉庫を何個も使っているほどの、収集癖の持ち主。集めに集めた私物コレクションの一部を展示しているというわけなのです。
怪しい少年少女博物館のほかにも、同じく伊豆で「ネコの博物館」「まぼろし博覧会」を経営しています。もはや珍スポ界の一大コンツェルンです。
■館内はまさにカオス
いったい、この博物館をどう説明すれば良いんでしょう。とにかく何でもアリなんです。
昭和レトロなオモチャやマネキンを主軸に、ドクログッズだとか妖怪グッズだとか、とにかく鵜野氏のコレクションをなんでもかんでも展示しています。本当にカオス状態。
とあるインタビューで鵜野氏は
「何これ?バカじゃないの?という感想がなによりの褒め言葉。
整然とした展示ではなく、カオスを楽しんで欲しい」
という趣旨の回答をしていた。
いや、まさに「何コレ?」の連続なんです。
客層はけっこう若くて20代~30代がメイン。いつ行っても3~4組いて、賑わっています。
オシャレな女の子が「ちょっと気持ち悪くなってきた」と彼氏に話しているのが、聞こえました。珍スポ的なところに不慣れだったりすると、体調をやられてしまうようです。
たとえば、この写真を見てもらえると、感じを掴んでもらえると思います。
イチロー選手と新庄選手のフィギュアの上に、ひらひらちょうちょうが置かれています。なんだよ、ひらひらちょうちょうって。さらに、新庄選手の後ろにはウルトラセブンのフィギュアも。
終始、こんな調子。メチャクチャなんです。
■僕のお気に入り展示を紹介します
展示点数が多くって、面白いものが山ほどあります。見る人なりのおもしろポイントを発見するのが、この博物館の楽しみ方でしょう。
では、まあ、僕が気に入ったポイントをいくつかご紹介しましょう。
まずは、変な髪形シリーズです。
こちらのマネキン、涼しい表情をしていますが明らかに変な髪形です。
モミアゲが一切ありません。ゼロです。ゼロの概念の発見です。
この人は一見普通の髪型のようですが、良く見ると変な髪形です。
前髪がつむじの部分まで後退しています。頭部の8割が皮膚です。
お次は、似せるつもりが無いシリーズ。
格好からして渥美清と西郷隆盛だと思われますが、顔がぜんぜん似ていません。西郷さん、憂いを帯びすぎです。しかも、渥美清はアヒルを抱いていますし、西郷隆盛は豚を連れています。
「怪しい夜の学校」と名づけられた小さなお化け屋敷も併設されています。所要時間は1分。
入場者をセンサーで感じとり、音がなったり風が吹いたりしてちゃんと怖い。だが、注意して観察すると、ウンコをしている女性マネキンがあったりとやっぱりフザけています。
キューピー人形を詰め込んだ棚に、小麦色のキューピーを発見。
この1体だけ伏し目がちで、隅っこで体育座りをしていました。アメリカの歴史を揶揄しているようです。
このオブジェ、意味不明の極みです。
恐竜の背中が切り開かれ、中で異形の女がゆっくりと腰をクネらせています。ただ、それだけなのです。
わら人形を1体300円で販売しているコーナーです。
たったの300円で誰でもお好きな人を呪えるなんて、お得です。
大繁盛していて、打ちつけられた人形でびっしり柱が埋まっていました。
「あたしの贅肉、死んでなくなれ!」なんていう微笑ましい呪いもありますが、ほとんどが「○○(フルネーム)死ね」という本気の呪いばかり。この柱を1本見ただけで、戦争がなぜ無くならないのかが理解できます。
無数に飾られる人形の中に、1体、完全に呪われているものがありました。
霊能力なんてなくても、素人目にだってはっきり分かるくらい呪われていました。
持ち主の扱い方によって、人形の表情は決まると言われています。この人形はどんな酷い仕打ちを受けてきたのでしょう。こうして写真で見るだけでも恐ろしいです。
閉館時間の5時にはこのとおり。真っ暗です。
少しぐらい灯りをともしてくれても良さそうなものですが、館外には一切灯りがありません。
真の闇です。自分の車を探すのも一苦労です。閉園までいるつもりの方は懐中電灯があると便利かもしれません。サバイバル能力が問われます。
■今回のオススメお土産
つちのこ 60円
お土産コーナーにて、つちのこがなんと60円で売られていました。
鼻にテグスをつけて遊ぶそうです。マンションだからペットが飼えない、そんな1人暮らしのOLさんへのプレゼントに喜ばれそうです。
という具合です。
とくにかく展示品数が多くて、何度でも楽しめます。僕はこれまで3回行っているのですが、全然飽きません。
友人とワイワイつっこみながら、見て回るのがオススメです。
■「怪しい少年少女博物館」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:伊豆急行「城ヶ崎海岸駅」から徒歩10分
住所:静岡県伊東市字街道下1029-64
電話:0557-51-8800
営業時間:9:00~17:00
定休日:なし
予算:大人1000円
関連URL:公式サイト
呪われた人形完全にヤバいですねw
似せようシリーズの西郷さんは、若かりし日の高倉健さんでは?