埼玉県の和光市駅にある陸上自衛隊の広報センターです。
戦車や戦闘機を見たり、フライトシュミレーターや3Dシアターを楽しむことが出来ます。公式サイトでは「ダイナミックなAH-1Sに直接触れて体感!」「ダイナミックな90式戦車」「ダイナミックな迫力シーンを立体映像で体感!」と、やたらダイナミックであることが強調されています。
12個のうち2個は激辛クッキーの「デッドオアアライブ」など、おみやげ物もかなりダイナミックな代物が多いです。
では、詳細をご案内しましょう。
駅からは遠い。だけど、ウォーキングは体に良いぞ!
和光市駅から徒歩15分とけっこう歩きます。
公式サイトには「すこし距離がありますがウォーキングを兼ねてお越しいただければまことにありがたく存じます」との説明文。距離を逆手にとって体を鍛えようとは、さすが自衛隊です。
正式名称は「陸上自衛隊広報センター」と堅苦しいですが、最近は、「りっくんランド」という愛称を名乗っています。蓮舫議員の仕分け対象になり、ディズニーランドと比較されたことに関係があるのでしょうか。
メタルギアソリッドのようだ
隣接する朝霞駐屯地は、さすがにものものしい警備体制。メタルギアソリッドを連想させます。
広報センター館内の撮影は自由ですが、駐屯地内にむけての撮影はNGです。
入り口でお出迎えしてくれる、マスコットのりっくんとあさかちゃん。
展示フロアには、戦車と戦闘機がどかんと置かれています。
やはりミリタリー好きが集まるようで、迷彩服着用率がかなり高いです。入場無料だからか、子供連れもけっこういます。
上下を迷彩コーディネートでキメた少年は、帽子の柄もドクロマークと殺る気マンマン。迷彩Tシャツの中年男性は「ここに写っている戦車の説明表記がおかしくないですか?」と、本職の自衛隊員にポスターの不備を指摘していました。
子供連れの母親が、女性自衛官に「え?ウソー!ひさしぶりー」と話しかけている光景も見かけました。どうやら自衛隊学校で同期だったらしい。子供が生まれ、辞めて以来、ひさびさの再開だとか。
客層もディープです。
お客さんを対応するのは現職自衛官。キビキビと、それでいて、丁寧に接客していました。
男性隊員はイカつい骨格ですが、女性自衛官はスーパーで働いてても不思議じゃないふつーの人ばかり。なかにはすげえカワユイ隊員さんも働いていて、おもわず入隊したくなります。
■体験コーナーで自衛隊気分を味わえる!
行軍衣装を着れるコーナー。
防弾チョッキ4kg、背嚢15kgと重く、筋肉が削げ落ちている僕には立っているのがやっとです。この状態で1日歩きまわれば、足の骨は折れ、尾てい骨は粉々、頭蓋骨は陥没することでしょう。美人自衛官の色香に惑わされ、うっかり入隊しかけましたが、断念せざるを得ません。残念です。
こちらは偵察用バイクに乗れるコーナー。
「戦場は狭い道が多いから、車よりもバイクのほうが機動性が高いんだよ」とお父さんが、3歳ぐらいの子供に淡々と説明をしていました。きっとこの子は良い軍人になるでしょう。
本物と同じ素材の迷彩服を借りて、撮影できるプリクラコーナーです。
撮影ポーズはもちろん敬礼。ただしい敬礼のやり方を、現職自衛官に教えてもらえます。
3Dシアターもあります。
床に座って、開演を待っていた小学生たちが、女性自衛官に「すぐ床に座らないの。立って並びなさい」と叱られていました。自衛隊としての厳しい側面が垣間見えました。
シアターの内容は『日本に攻め込んできた敵軍を撃退しつつ、主力装備を紹介する』というもの。まぁ、当たり前っちゃあ当たり前なんですが、戦争を当然の前提として扱っていて、けっこう切り込んでくるんだなと感じました。
3D映像を活かしきれていませんが、最前列のおじいちゃんはミサイルが飛び出すシーンで「ウォー!」と叫び声をあげていました。大戦経験を思い出してしまったのでしょうか。
庭には、74式戦車や自走高射機関砲、水際地雷敷設装置など大きい機械が10台ほど展示されています。ほとんどが三菱重工製。財閥の底力を知れます。
■現職自衛官がAKBを歌って、踊る!
12月中旬だったため、陸上自衛隊音楽隊によるクリスマスコンサートが開催されました。
イベントホールは満席。お客さんは150人ほど。手作り感いっぱいの飾りつけでホームパーティー感覚です。
楽隊は30人くらいの編成。ほとんどが音大出の音楽専門部隊です。G1のファンファーレや各地でのコンサートなど、年間100回以上の演奏をこなしているプロ集団で、司会進行も笑いをまじえながらとこなれています。
行進曲やクラシックばかりかと思っていましたが、選曲は庶民的。ディズニーの曲や一青窈のハナミズキなどを演奏していました。
コントラバスのおじさんはJ-POPを演奏するさい、エレキベースに持ち替えるんですけど。カチッとした制服とエレキのギャップが渋いです。渋すぎます。
ぎえーっ!激シブ!!
「うほっ、良い男」と思いながら、この人ばっかり見てました。
40分ほど演奏し、最後はAKB48メドレーで締め。
女性隊員が前に出て、踊りながら歌っていました。すげえマジメな表情です。「抑圧された組織の女性が、こんな恥ずかしい事やらされてる」と思うと、あぁ、もう、なんだかたまらく良いです。加虐性を刺激されて、ウズウズします。
広報のためにここまでやるとは。執念を感じます。自衛隊広報センター、あっぱれです。
■おみやげ物も思いっ切りが良い!
自衛隊広報センターはお土産も充実しています。
公的施設にありがちな無難な品揃えじゃありません。かなりとんがってます。
女性自衛官ポスター 2100円
ペラペラ見たところ、本当にキレイな女性自衛官ばかりです。1年中眺めていたら、マジで入隊しかねないので、購入は控えました。
ときめいて自衛隊 350円
お米のパフをチョコレートでくるんだもの。
パッケージには「自衛隊限定発売」と記載されています。新潟限定だとか冬季限定だとかは聞いたことがありますけど、自衛隊限定とは。限定商法もここまで来ると、パロディー商品のように思えてきます。
12個のうち2個は激辛のクッキー。
って、良いのか、このネーミング!デッドオアアライブって!自衛隊が販売したら、真実味ありすぎでしょ。
キャッチフレーズも「被弾確率6分の1。君はこの恐怖に挑戦できるか?」だって。
いや、すごいわ。こんな思い切ったブラックジョーク、普通出来ません。
という具合です。
ミリタリー好きの来場者が作りあげる独特な雰囲気、思い切りのいい土産物の数々。いずれをとっても行くに値する施設です。ここでしか味わえません。
むちゃくちゃオススメです。
■「陸上自衛隊広報センター」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:「和光市駅」から徒歩15分
住所:埼玉県朝霞市栄町4-6
電話:03-3924-4176
営業時間:10:00~17:00
定休日:月曜、第四火曜、年末年始
予算:無料
関連URL:公式サイト