今回は番外編。愛知県の珍スポットでございます。
ここを一言で説明するならば
100体以上のコンクリ人形が点在する宗教テーマパーク
です。浄土真宗の開祖、親鸞にまつわる逸話を再現しています。
んもう、とにかく広い広い。2時間散策しましたが、コンクリ人形の半分も見れませんでした。
では、詳細をご案内しましょう。
物静かな郊外の住宅街に、五色園はとつじょ現れます。敷地はなんと20万坪。
ベタに東京ドームで換算するなら14個分。イメージ湧かないので、ディズニーシーで換算してみれば約2分の1。このサイト見てる方はディズニーにほぼ行かないかもなんで、もっとなじみ深いもの、刑務所の独房で換算してみましょう。平均的な独房のサイズは3畳なので、独房20万個分の広さです。あの頃を思い出してください。そう、その20万個分です。
とにかく、まぁ、デカいんです。
管理しているのは大安寺というお寺さん。入園は無料です。
園内は、基本的にドライブスルー。サファリパークみたく車内から沿道のコンクリ人形を鑑賞することが出来ます。
散策中、何台も車が通りすぎましたが、ほとんどはお寺に用があるか墓参りらしく、人形を眺めている人は全然いません。1人だけ1眼レフをもったおじさんが、あらゆるアングルから親鸞像を撮りまくっていました。アラーキーも真っ青の本気度だったので、きっと僕と同じ目的の人間でしょう。目と目を合わせて軽く一礼しました。なんでしょう、この無言の仲間意識は。
こんな感じで、車道沿いにコンクリ人形がごろごろあります。
すべての人形は造形家、浅野祥雲氏による作品です。陰影をつけず一面的にべったり塗られたカラーリングが特徴で、「桃太郎神社」「関が原ウォーランド」など数々の珍スポットを生み出してます。珍スポ好きの間では、隠れ愛好家も多い人物なんです。
物によってキレイだったりボロボロだったりと差があるのは、2008年頃から徐々に色の塗り替え作業がおこなわれているから。珍スポライターにして浅野祥雲研究家でもある大竹敏之氏がひきいて、これまで5度にわたって修復作業をしています。毎回100名以上の参加者が集まるとか。一部の熱狂的なファンから、めちゃくちゃ愛されてる珍スポなんです。(※修復プロジェクトの詳細はコチラ)
そんでもって、1体1体がデカいの。2mぐらいあります。
こんなにデカけりゃ、親鸞は宗教に目覚めなかったんじゃないでしょうか。腕力だけで世の中を渡っていけそうです。
■とにかく広いぜ、五色園!
再三言いますけど、とにかく広いの、五色園。車道沿いにない人形も沢山あって、広い園内をひたすら歩いて見にいくっきゃない。
なにやら看板が立っているので、小道をトコトコ歩きます。
すると、遠くにぼんやりと浮かぶ鮮やかな色彩。間違いない。なにかがいる。
あ、いた。男と女、いた。
ペンキが剥がれ、カサカサに肌荒れしてます。
創設が昭和9年なんで、修復してないのはかれこれ80年ちかく経過してるんです。そりゃあ、お肌も痛みます。
やっぱりデカい。頭ひとつデカい。
さて、1つ見たら、またしばらく歩くことになります。
トトロの2体や3体出没しそうな森の中を、歩いて、歩いて、歩きます。
傾斜のきつい山道も、歩いて、歩いて、歩きます。
歩いて、歩いて、5分ほど歩いたところに…。
やっとありました、コンクリ人形。
農民にまじって、親鸞が田植えをしています。
近くで見ると、握っているのは本当に稲でしょうか。えのき茸に見えます。芸が細かいことに、足が半分埋まっています。
次のコンクリ人形まで、またしばらく山道を歩くことになります。
この珍スポット、なにが難しいって同行者のモチベーションを保つことです。
友人と行ったんですが「え、また歩くの…。もう良くない?帰らない?」と隙あらば帰ろうとしていました。気持ちは分かります。5分~10分歩いてポツンと1、2体の人形があるだけですからね。帰りたくもなるでしょう。
彼も相当珍スポが好きなほうですが、僕ほどではありません。そのわずかな差が、五色園では致命的な決裂となって姿を現すのです。
「次のはもっと凄いから!人形鑑賞は、苦労へのご褒美だから!」となだめすかして、さらに坂道を登ります。
坂を登りきると、朽ち果てたショベルカー。あまりに敷地が広大なので、開発を断念したんでしょうか。
そこから、さらにしばらく歩くと…
いた。いました、急斜面に親鸞。
あー、やっぱデケえ。
背丈も大きいが、横幅もかなりあります。アメフト選手みたいな骨格です。
日ごろの運動不足がたたって後半は疲れてしまい、どのコンクリ人形を見ても「デカい」という感想しか浮かんでこなくなりました。正しい珍スポ鑑賞には、適度な体力が必須であると学びました。これも親鸞の教えといえるでしょう。
■個人的に1番好きだった人形はコレ!
僕が一番好きだったコンクリ人形はこれ。
鬼の面をつけて嫁をおどろかすババアです。鎌を振り上げるさまが雄雄しい。「フォロミー!」と叫ぶジャンヌダルクのようです。将来はこんなババアになりたいです。
ちなみにこのコンクリ人形、特に親鸞は関係ありません。
最後に、五色園を作った森夢幻和尚の像をご紹介しましょう。
この像だけはなにやら謎の台に乗っていました。謎です。
という具合です。
ちょっとしたハイキング感覚なので、健康な人と一緒に行きましょう。すべての人形をコンプリートするのは至難の業ですが、あえて挑戦してみるのもマゾヒスティックで面白いかもしれません。
■「五色園」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:東部丘陵線「芸大通」から徒歩25分
住所:愛知県日進市岩藤町一ノ廻間932-31
電話:0561-72-0006
営業時間:8:00~17:00
定休日:なし
予算:なし
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