今回ご紹介する本は『日本島図鑑』でございます。日本の有人島433個すべてを網羅している図鑑です。
最近、グーグルマップで島を眺める行為に没頭してまして。そこでの生活を妄想するのが最高に楽しいんです。その流れで買ったんですが、おもわぬ掘り出し物でした。
あのー、妄想の話しなんですが。たとえば、こういう交通手段が船しかないような、閉鎖空間に住む中学男女とか、なんかもう淫靡だなと。小中学校、海水浴場、山、キャンプ場と青春のすべてがてんこ盛り。きっとさ、この島の中学生アベックは、学校帰り686号線を歩いて、村役場の前で知り合いのおじちゃんに挨拶して、姫島海水浴場で日が暮れるまで話して、暗くなったら家まで一緒に帰るんだよね、家は隣同士だから帰り道はもちろん同じなの、でさ、女の子が手をつなごうとするんだけど、やっぱ小さい島だからね、そこかしこに知り合いがいるわけでさ、男子の方が照れちゃって「ヤメロよ」って手を振り払うんだよね。くそっ、甘酸っぺえな、君に届け!
とか考えてます。では本の紹介しますね。

『原色 日本島図鑑』 ¥2500
加藤庸二 著/新星出版社
【内容】
日本の有人島433個をすべて網羅している図鑑。
島の基本データ、島の景観、祭りなどの写真をたっぷり掲載しています。かつて人が住んでいた島などの無人島も紹介。
【感想】
この本、とんでもないです。パッと見て「なんじゃ、こりゃ!ヤバイ!」と戦慄しました。
著者は写真家、加藤庸二さん。年間の4分の1を島の取材活動に費やしているという島のスペシャリストです。
なにが凄いってこの方、上陸禁止の島以外、日本の人がいる島すべてに足を運んでいるんです。上は北海道から、下は沖縄のさらに南まで。
定期便が無いとこはわざわざ船をチャーターしますし、住人が数名いるだけで観光物がなにもないところにだって行くんです。その熱意、その行動力に敬意を払ってやみません!
図鑑として作られているので、文章は非常に簡潔で淡々としているのですが、隠しきれない熱量がページの端々から漏れつたわってきます。並の旅行エッセイよりも、面白いし、熱いです。
たとえば
■軍艦島として廃墟ファンに超人気 端島
■島中が現代アートで埋め尽くされた 直島
というメジャーどころも紹介してますし
■桃太郎伝説の鬼が島のモデルとなった 女木島
■さだまさしが購入した 詩島
■江戸時代から1世帯だけが守り住む島 妻が島
ってな興味をそそられる島までごっそり紹介しています。なにせオールカラーで382Pの大ボリュームですから。
掲載されている写真もキレイで、そこでの生活がありありと思い浮かんできます。
こいつ片手に島巡りをしてみたいなー、と空想をめぐらせてしまう1冊です。
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原色 日本島図鑑―日本の島433有人島全収録