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みなさん、『みすず学苑』をご存知ですか?
首都圏に8校舎を展開している予備校なんですが、たんなる予備校じゃあありません。
一部の通のあいだでは有名ですが

みすず学苑のポスターが、とにかく狂っている

のです。無意味にプリンが飛んでいたり、宇宙人が現れたり。
そんなみすず学苑が、2012年、新しいポスターデザインを発表しました。期待で心臓が張り裂けそうです。
では、詳細を見てみましょう。



最新作をお見せする前に、『みすず学園ポスター』進化の歴史を辿っていきましょう。


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▲2004年頃は、主要キャラ3名だけのシンプルな構成。

こちらは8年ほど前に貼られていたポスターです。メインキャラのヤマトタケル、縄文太郎、クレオパトラを中央に据えたシンプルなデザイン。
この頃は、まだ世間体を気にしていたのでしょうか、みすず学苑らしさが発揮しきれていません。クレオパトラの横に「合格してクレオパトラ」と小粋なジョークが書き添えられているものの、まだまだパンチ不足で、安っぽさや素人臭さを感じます。



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▲2007年頃になると、意図的に安っぽさを押し出してきます

この頃になるとだいぶ振り切れています。みすず学園の広告に対する、世間的なイメージを逆手にとって、意図的に安っぽさを押し出しています。

真顔の縄文太郎もかなり良い味だしているのですが、特筆すべきはナポレオン君。
まずは、鼻をご覧下さい。ちぎれそうじゃありませんか。デコピン1発で吹っ飛んでしまいそうです。
そして頭部。「私はカツラをかぶっております」と大声で主張せんばかりの、ツートンカラーのおでこ。皮膚とはっきり色が違いますし、つぎめの部分がビラッビラでくっつけてすらいない様子。小走りしたら、カツラがすっぽ抜けてしまうことでしょう。こんな奴に「我輩の辞書に不可能の文字はない」と言われたところで何の説得力もありませんし、おそらく単なる落丁です。



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▲2009年頃には、空飛ぶプリンが初登場

さあ、ここからです、みすず学苑が本気を出すのは。パッ見で、今までとはまったく異質の狂気を感じさせます。
一貫して歴史上の人物を出してきたのですが、とうとう宇宙人が現れました。火星人の横にはシンデレラやかくや姫がいますし、世界観がまるで掴めません。
なにより度肝を抜かれるのが、画面全体を飛びかうプリンの存在です。なぜ、プリンなのか。本当に、心の底から、意味が分かりません。このポスターを見て「よし、みすず学苑に入って合格を目指そう!」と思う学生はいるのでしょうか。おそらく、いないはずです。
なんてリスキーで、冒険的なポスター。もはやこれはアートと言えるでしょう。



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▲2012年、最新作はコレだ!

そして、満を持して発表された最新作はコチラ。空飛ぶプリンにカラフルな色がつけられているのが、新しい試みです。
注目すべきは主な登場キャラが、ミレー・シャガール・写楽などの芸術家たちということです。これは「みすずの広告はアートなんだぜ。時代、切り開くぜ」と暗にほのめかしているのではないでしょうか。

新ポスターはすでに総武線車内などに貼られてますので、見つけてみてください。その他予備校とは一線を画す、アートなみすず学苑に今後も目が離せません。