
茨城県桜川市にある、はにわの専門店。
はにわって古墳時代の焼き物なんですけどね。あるもんですね、平成の世にはにわ専門店。
カバ、タヌキ、カッパにお地蔵さんとなんでもかんでもハニワにしてます。
あまりにも膨大なハニワの量に、店舗内だけでは収まりきらず、駐車場までハニワに占拠されてます。
では、詳細をご案内しましょう。
▲国道沿いにずらーっと並んだ、はにわ、はにわ、はにわ
▲にやけた顔つきのやつらもいる
筑波山近くの国道102号線を走っていると、自然と目につく、はにわ、はにわ、はにわ。歩道沿いにずらーっと並んでいます。
駐車場にどかどか置かれてるので、何も知らず夜中見たら、声をあげてしまいそうです。幽霊の正体見たり、枯れはにわ。
▲動線以外は、はにわで埋め尽くされてる
はにわの行列に導かれ、歩道を歩くと「はにわの西浦」があります。はにわ界の総本山です。動線以外は、はにわで埋め尽くされ、うず高く積まれています。
大きいの小さいの合わせて、ゆうに5千体以上いるのでは。動物だったり壷だったり色んな形をしています。
▲2階建ての店内は、もちろんはにわだらけ
「いや、なにもそんなに作らなくったって」と感じるくらい、これでもか、こん畜生とハニワが並べられています。敷地内に収まりきらないものは、駐車場に置いてるようです。商売で作ってるというより、もう作りたくて作りたくて仕方ねえんだよ、って雰囲気がたまらなく良い。
店番をしていた店長さんは、70歳をちょっと回ったくらい。店長とその息子を中心に、家族みんなで作っているんだとか。「中2の孫も、学校終わってから作ってるよ」と。どうりで物によって、だいぶ作風が違ってるわけです。
▲名刺も手作り。小学生のお孫さんが作ったんだとか。超カワイイ。
名刺も1枚1枚手作りで、小学生のお孫さんが描いたんだって。超カワイイ。コンプリートしたくなります。ドリランドみたく有料コンテンツ化したら、そこそこ儲かりそうです。
もともとは鉢植え屋だったけど、プラスティック製のが主流になり、陶器のは需要が減ったと。そこで数十年前、思い切って大好きだったハニワの専門店へと方向チェンジしたそうです。
いやはや、なんという勇気ある決断。はにわ売れるなんて思わないでしょ、普通。
「2mとかの大きいやつって、どういう人が買ってくんですか?」とたずねたところ、「普通の人が買ってくよ。庭に置くとカワイイんだって」とのこと。巨大なはにわを庭に置いてる時点で、普通の人という存在から、ややはみ出ている気がします。
「あとは、学校とかも買ってくれるね。でも、手作りで高いからさ、売れるのはほとんど1000円とかの小さいやつだよ」と。2008年にはナニコレ珍百景で紹介され、日本各地からお客さんがポツポツくるようになったんだとか。ニッチビジネスながら、意外にもあるもんですねえ、はにわ需要。
ではでは、個性的な作品の数々を紹介していきましょうかね。
■これが、はにわの西浦のはにわだ!
▲はにわと言えば、やっぱりコイツ。定番中の定番ですね。
はにわと言えばこいつでしょ。放心状態の表情は、さながら、母の浮気現場を目撃してしまった息子。
はじめて間近で見ましたけど、耳ついてるんですね。
▲手紙が取り放題のポスト
ポストとして使える実用的なはにわ。ただし、施錠できないので中の手紙は取り放題。設置地域の住民レベルが問われる。
▲ムーミンか、もしくはカバ
ムーミンなのか、カバなのか。無言で近づき、音もなく捕食しそう。ゆめゆめ注意されたし。
▲悪霊を払えるのか怪しいくらい、優しげなシーサー
はにわ版のシーサーは、平素の険しい顔つきではない。新聞の勧誘も断れない柔和な表情をしています。本来の役割である、悪霊払いはきちんとしてくれるのでしょうか。
▲眼がイっちゃってるタヌキ
このタヌキ、完全にキマっちゃってます。目の焦点が合ってませんし、ちょろっと舌も出ています。職務質問されたら、言い逃れができません。こんなのに町で絡まれたら、いっかんの終わりですね。
▲うさんくさいチョビヒゲのおっさん
なまずというより、うさんくさいチョビヒゲのおっさんに見えます。こいつが持ってきた「儲かる投資話」は、けっして信じてはいけません。
▲関羽は特別扱い。色が塗られている。
こっちのヒゲは信用できる男、関羽。特別扱いで色が塗られています。おばちゃんが好みそうな淡いパープルのエプロンをしています。
▲いとうせいこうに憧れるカッパ
いとうせいこうに憧れ、髪型まで模してしまったサブカルカッパ。うかつに音楽の話題を振ると、一晩語りそうです。
▲のんきな表情をしたブタ
人の良さそうなブタ。落ち込んでいたら、歌を歌ってくれそうです。
▲悟りが近い
柔和な笑みを浮かべる小坊主2人。悟りが近そう。他のはにわとは作風が違い、ありがたい印象。
▲皮膚がごつごつしているおかめ
特に口元のごつごつ具合がヤバイ。スキンケアの重要性を訴えています。
▲かなしげな表情でバナナを握りしめるサル
どことなく悲しげな表情をしています。友をだし抜き、巨万のバナナを得たけれど、彼は孤独なのです。幸せは、バナナで得られるわけではないのです。
▲サンショウウオ。足が異常にデカいのがまじっている。
サンショウウオの群れ。足が異常にでかいのが何匹かまじっています。
▲疲れきったおじぞうさんたち
今には「はぁーっ」とため息が聞こえそう。仕事帰りのサラリーマンで埋まった、終電の総武線みたいです。
▲謎の人
もはや何かすら分かりません。狂気を感じます。僕の1番のお気に入りです。
■「はにわの西浦」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:水戸線「下館駅」から車で20分
住所:茨城県桜川市真壁町東山田1414
電話:0296-55-0283
営業時間:だいたい9:00-17:00
定休日:なし
予算:300円のもあれば、数十万円のもある。
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