『阿佐美冷蔵』 オススメ度:★★★☆☆

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いまや全国に5軒しかないとされる、天然氷の蔵元が直営してる、秩父のかき氷屋さん。
綿菓子のようにふっわふわな食感は、普通の氷じゃ、絶対に味わえません。熱狂的なファンも多く、夏の休日だと、3時間待ちなんてこともあるんだとか。変な声出ちゃうくらい、ウマイぜ!





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▲室温は、ちょいと暑め。これも、かき氷をおいしく食べるための一工夫か。

ラインくだりで有名な長瀞駅から、坂道を5分ほど歩くと、阿左美冷蔵はございます。阿佐美冷蔵は、いまや全国に5軒しかないとされてる天然氷の製造元で、1890年から営業してる老舗。
そもそも「天然氷ってなんじゃい!?」って疑問が浮かびますが、要は、自然の寒さで出来た氷なんです。冬場、1~2月。池の水面に張った氷を、電動カッターで切り出して、昔ながらの氷室っちゅう保冷庫に入れて、夏まで保存しておくんだって。

ぐるなびTOP5000にもランクインする評判の高さで、その筋じゃあ、むちゃくちゃ有名なお店。夏の休日だと、3時間待ちなんてこともザラだとか。意識の高いカキ氷屋さんは、わざわざ、ここから氷を仕入れるそうですよ。いわば、カキ氷業界の頂点、カキ氷カーストにおけるバラモン的な存在なのです。




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▲左から、桜もち800円、もも600円、沖縄黒みつ700円

カキ氷の種類は10種類。定番以外は、季節によって変わるんだとか。
屋台のカキ氷じゃ見かけない、凝ったメニューばかりです。

注文したのは、桜もち・もも・黒蜜の3種類。友人と出かけたので、色々試せて、お得でござんした。
そもそも、ボリュームが常軌を逸してます。お椀からそびえ立つ、氷の柱。こぼれないよう、受け皿に乗せられてるところといい、豪快な盛りっぷりといい、ラーメン二郎の野菜マシマシを連想させますね。




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▲氷の粒が1つ1つ、繊維のようにスッと走ってます

スプーンですくってみて、まず、その手ごたえが普通と違います。
普通のカキ氷なら、ザクザクパリッとした手ごたえだと思うんですけど、この天然氷のカキ氷は、ねっとりほわほわ。バニラアイスだとかをすくった時の、粘りつく感覚に近いものがあります。
よくよく観察すると、氷の粒が1つ1つ、繊維のようにスッと走って、絡まってるのが見えますね。だから、粘りつくのかな。




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▲黒蜜をたぷたぷにかけて、いただきます

僕が注文したのは、沖縄黒みつ。
蜜をたぷたぷにかけて、いただきます。

一口、口に入れて、その食感に驚きました。

なにこれ、超柔らかい!

もうね、フッワフワ。綿菓子みたいにふっわふわで、いつのまにやら、優しく溶けます。それでいて、黒みつの味はしっかりしてて、ヤベエぞ、これ、すんげえ旨い。
「かき氷で700円って、高えだろ」って当初思ってたけど、いやー、全然それ以上の価値あるわ。今まで食ってたかき氷は、なんだったんだ。氷が変わるだけで、こんなに違うのか。

なかでもオススメなのが、桜もち味。
友人のを頂戴したのですが、口に入れたとたん、反射的に

「嘘だろ!」

って大きな声出しちゃいました。
だって、もう、まんま桜もちなんですもん。実際、口にしているのは氷なのに、脳の認識が「私は今、桜もちを食べている」なんですもん。そのギャップたるや、常識の埒外。なんらかのスタンド攻撃を受けているのかと思いました。荒木先生なら「あ…ありのまま、今起こったことを話すぜ。おれは氷を食べていると思ったらいつのまにか桜もちを食べていた」と表現するでしょうし、『孤独のグルメ』なら「ほー、いいじゃない。こういうのでいいんだよ、こういうので」と表現することでしょう。
いや、マジで、驚いた。







「阿左美冷蔵」の情報

オススメ度:★★★☆☆
アクセス:秩父鉄道「長瀞駅」から徒歩5分
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞781-4
電話:0494-66-1885
営業時間:10:00~17:00
定休日:火(12~3月は休業)
予算:600円~1000円
関連URL:公式サイト