『蜂天国』 オススメ度:★★★★★


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長野県にある、蜂の巣アートの総本山。

とにかくもう、蜂の巣、蜂の巣、蜂の巣だらけ。
しかも、巣が単独でポツリと飾られてるんじゃあなくて、大黒天、まねき猫、天狗に椅子に扇風機、とありとあらゆるものにくっつけられてます。なんともいえぬ、奇妙な取り合わせの世界!展示品数800点以上。
160個の巣を合体させた『富士山』、120個の巣を合体させた『スペースシャトル』なんていう、高さ3m超えの巨大な作品もあるよ。
こいつぁ、最高にクレイジーだぜ。

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※「ライブドアブログ奨学生コラボ企画」で長野に行ってきました。他参加サイトはこちら



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▲田んぼの道を15分歩きます。

しなの鉄道「滋野駅」からは徒歩20分。
右も左も田んぼの道を、てくてく歩きます。
グーグルマップを信じて、最短ルートを行ったら、腰の高さまで草が生い茂る、とんでもねえ獣道を歩かされました。顔中クモの巣だらけ、ズボンにはトゲトゲした種くっつきまくり。すげえテンション下がった。受験に失敗したのかと思った。
ちょっと遠回りですけど、国道沿いを歩いたほうが良いです。




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▲プレハブ小屋みたいな外観です。

これが、蜂天国の全貌。平成7年設立。
2階建てのプレハブ小屋で、入り口横には、ブロンズ製の蜂の像が置かれてます。




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▲タイヤで作った恐竜。

タイヤの恐竜なんかも置かれていますが、蜂とはまるで関係がありません。



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▲館内は蜂の巣だらけ。色んな物体にひっついています。

館内に一歩足を踏み入れると、蜂の巣、蜂の巣、蜂の巣だらけ。
それもたんに、巣がポツリと飾られてるのではなく、大黒天、こけし、扇風機などなどさまざまな物体に引っ付いてます。



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▲スズメバチの巣をひっつけられた扇風機

たとえば、こんな感じ。巣の重みで、扇風機がうつむいてます。
手術台の上でミシンとこうもり傘が出会ったように、本来出会うことはずのなかった扇風機とハチの巣が、蜂天国で出会いました。んまあ、こういう具合で、取り合わせが奇妙で面白いんです。「ほほー、そいつと巣をくっつけるのか」と意表をつかれます。



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▲オーナーの塩沢氏。「ハチは悪者に非ず」を証明するため、半裸でスズメバチとたわむれてます。

蜂天国オーナーの塩沢さんは、セメント会社の経営者です。
「小さな体で大きな仕事を成しとげる蜂こそ、まさに企業の見本だ!」と、蜂の働き者ぶりをリスペクト。悪者扱いされてる蜂のイメージチェンジをはかるため、蜂アートに取り組んでるんだとか。

上記の写真では、「ハチは愛情をもって接すれば自ら刺すことはありません」と断じ、体中にハチミツを塗り、半裸でスズメバチとたわむれています。バター犬ならぬ、ハチミツ蜂。下手すりゃ1撃でショック死するというのに。これぞ、愛。リスクを背負ってこそ、愛。本物です、本物の聖人です。




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▲蜂は尊敬に値する!!

「蜂は尊敬に値する!」
「蜂の社会では、地位も名誉もいらない、手段を選ばぬ悪徳商法もない」
「蜂は多才な建築家」
「自然界の芸術家であり、到底人智の及ぶところではない」
などなど、いたるところに、愛の告白が貼られてます。




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▲蜂の供養塔は、平成8年8月8日に建立されました。

蜂の供養塔もあります。作られたのは平成8年8月8日と、徹頭徹尾ハチづくし。
日本酒が供えられてたんだけど、蜂、呑むかなあ。



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▲蜂のシールで、ガラスを補強しています。

ガラスの割れている部分だって、蜂で修正です。
村上隆の作品みたいにポップでしょ。





●ほんじゃ、蜂の巣アートをビビビーっと紹介だ!! 


キャラクターにくっつけた系


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▲大黒様  ハゲた頭に、ぴったり吸着。むちゃくちゃ嬉しそうだな。


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▲まねき猫  福まねいてる場合じゃねえぞ。まず、巣を取れ。


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▲虎の彫り物  体中、蜂に乗っ取られている。


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▲イノシシの剥製  そりゃあ重みで口開くわ。


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▲テング  テングの鼻は、巣をひっかける場所じゃねえぞ!


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▲こけし  シルエット的には一番違和感がない


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▲だるま  怖い。シンプルに、怖い。






日用品にくっつけた系

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▲犬小屋  2重の小屋


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▲トロフィー  うっかり優勝したばっかりに‥


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▲三輪車  乗ることを拒否した輪車




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▲鏡  かがみこんで、下の空いてるスペースで見るしかない


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▲天体望遠鏡  身近な問題に目をむけず、星を眺める。これぞ、現実逃避。


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▲はかり  300gでした。


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▲椅子  どうぞ、おくつろぎください。


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▲扇風機  一番のお気に入り。重みで垂れる頭、機能性の無さが面白い。


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▲蜂の巣   変り種。巣の上に、巣。






何十個もの巣をつなぎ合わせる合体作品

1年に1つだけ、何十個もの巣をつなぎ合わせ、巨大な合体作品を作ります。
蜂の巣駆除を引き受け、ハチごと生け捕りにし、1年かけて製作に必要な個数の巣を集めるんだって。



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▲合体作品の製作過程。

こんな段取りで合体させます。
まず針金で原型を作り、1つ1つ巣をしばりつけます。巣材になる朽ちた木材を近くに置いといてやると、巣と巣のあいだを、働き蜂がどんどん埋めてゆくんだとか。高さ3mを超える大きな作品でも、60日あれば合体完了。さすがは偉大な建築家、人智の及ばぬ芸術家です。ちなみに働き蜂たちのエサは、キャットフードなんだって。



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▲蜂リンゴ  巣を80個合体。ピーマンにも見えます。


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▲スペースシャトル  120個合体。高さ3m。でっけえ


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▲長さ日本一の蜂の巣  20個合体。6.5mで長さ日本一。写真に収まりきらん!


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▲蜂の傘  42個合体。絶対に相合傘できない。


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▲蜂ひょうたん  60個合体。高さ2.5m。くびれまで表現できるですね。



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▲あさま号  120個合体。窓には人が描かれてます。とんでもない物に乗ってるのに、みんな笑顔です。


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▲富士山  160個合体。高さ3m77.6cm。ギネス世界記録に認定されてます。








「蜂天国」の情報
オススメ度  ★★★★★ 
アクセス  しなの鉄道「滋野駅」から徒歩15分 
住所  長野県東御市加沢435-1
電話番号  0268-63-3888 
営業時間  9:00~18:00(7月~10月)、9:00~17:00(11月~6月)
定休日  火曜日(11月~6月)、年末年始 
予算  大人300円 
関連サイト  公式サイト