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一部の人々には、難破船ならぬ「ナンパ船」と呼ばれている東京湾納涼船。
今年も、7月2日~9月23日の夏の期間だけ運行します。

この船ね、たんなるクルージングじゃございません。
夜景そっちのけで踊り狂う人々、ナンパに精をだす若者、窓のない個室で仮眠するおじさん…
もはや珍スポと呼んで、なんの差しつかえもないほど、独自の文化が築かれています。
そんな納涼船を、斜め上から楽しむための3つのポイントをご紹介しましょう。



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▲毎日1500人を乗せる東京湾納涼船。デケえ。




1.大井コンテナ埠頭が美しい!

まずは、なにより夜景が美しい。
特に、大井コンテナ埠頭ね。最高。
「キリン」の愛称で親しまれる、ガントリークレーンがずらっと並んで、圧巻。
無骨でカワイイ、そのフォルム。
あー、リビングに1台置きたい。

羽田空港のそばも通るから、タイミングが良けりゃ、飛行機が飛びたつとこも見れます。
遠めにながめる飛行機は、ホタルみたいで涼しげ。風流ですな。


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▲無骨でかわいいガントリークレーン。


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▲船上から大井コンテナ埠頭をのぞむ






2.YMCAでアゲアゲになろう!

船の2階部分には、ステージがあり、クラブ調の音楽が流れています。
「浴衣ダンサーズ」と称する、20代前半の女の子たちが、ダンスを披露。
お客さんも夜景そっちのけで、1時間半、踊り狂っています。


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▲ステージ脇でしゃべっているのは、大学生のDJたち。



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▲踊る浴衣ダンサーズ



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▲ハジける浴衣ダンサーズ

ダンスナンバーは『明日があるさ』『翼をください』をアレンジしたものなど。
妙にアカ抜けない選曲なのですが、たいへん盛り上がっております。
最後のナンバーは『YMCA』。
会場が一体となって、「Y!」だの「M!」だの「C!」だの「A!」だの、やっています。
きょうび、YMCAでこんなアゲアゲになってる場所、他にありません。
ナイトクルージングとYMCAなんて、ほんとなら、かなりポンチな組み合わせなのに。
西城秀樹本人でさえ「えーー、21世紀だよ!」とたまげるような光景を、目の当たりにできますよ。

学生ノリのダンスフロアーの影響か、納涼船の客層も、大学生とおぼしき若者がメイン。
学生5割、若い社会人3割、その他2割といった案配でしょうか。



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▲ダンスに夢中で、気づかぬうちに、いらないウチワを差されまくってた女の子がいました。







3.踊らない!夜景も見ない!そんな楽しみ方もある!

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▲個室で宴会をひらくグループもいます。

パーティープランなら、個室を貸しきりにして、宴会ができます。
外の風景がまるで見えない個室。
「居酒屋でよいのでは?」と素朴な疑問がうかびますが、それは愚問というもの。
「船乗ってるのに、俺、夜景見ない。酒飲むだけ。」とおもえば、豪傑になった気分をあじわえます。




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しかし、真のツワモノは、ここにいます。
新幹線みたいなシートが置かれた部屋なんですが、数名のおっちゃんが寝てました。
まあ、個室での宴会は、分かるんですよ。
ちょいちょい外出りゃ、船乗ってる意味って、充分ありますから。
でもね、たった2時間のクルージングで、眠る意味ってなんなんでしょうか!?
もはや、僕のちんけなロジックでは解き明かせない、非常に高度な楽しみ方です。
ここまでくれば、納涼船上級者といえるでしょう。
踊ったり、ナンパしたり、夜景見たりしてるうちは、まだまだアマチュアです。







「東京湾納涼船」の情報
   
アクセス  JR「浜松町駅」から徒歩5分、ゆりかもめ「竹芝駅」から徒歩1分 
住所  -
電話番号  03-3437-6119(チケット予約センター)
運行時間  19:15~21:00
運行期間  7月2日~9月23日 
予算  大人2500円 
関連サイト  公式サイト