『天正金鉱』 オススメ度:★★★☆☆


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静岡県は土肥にある、ちいさな金山。

全長100mとさほど長くはないんだけど、70代のおやじさんが付きっきりで解説してくるので、満足度◎
目をギュッとつぶり、身ぶり手ぶりをまじえて、熱弁。
数十年くりかえされた解説は、不思議なパワーをおびています。
んまー、味があるんだわ。




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▲ポツンと建ってる天正金鉱の事務所

修善寺駅からバスで50分。車じゃないとアクセスきびしいかも。
だだっ広い空間に、ポツンと事務所が建っています。
期待がふくらむ素晴らしい立地。

事務所にむかうと、若い男性が1人。
「お金かかりますけど、いいですか?」と、根本的な問いを投げかけてきます。
いいですよ。
見学料は600円。
支払うやいなや

「おやじー!」

と叫びます。





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召喚されたおやじさんは、年のころ、70歳ぐらい。
杖をつき、ゆっくりやってきました。
鉱山ガイドなのに、平気なんだろうか。

先客の老夫婦と僕をつれて、まずは、金の精製所へ。
なんて、のどかな光景だ。




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▲目をぎゅっとつぶり、説明するおやじさん。独特のリズムで、7割ほどしか聞き取れない

目をぎゅっとつぶり、息つぎなしで、熱弁するおやじさん。
何十年とくり返された解説は、不思議なパワーをおびている。
独特なリズムが、心地よい。
7割ほどしか聞き取れないが、質問をはさむ余地などない。





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金を精錬してたとこ。
水銀をつかって、精錬していたそうだ。




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お次は、坑道へ。





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坑道にむかう坂に、ミニチュアが設置されていて、金の歴史がわかるって仕組み。




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おやじさんが、金の歴史を力説してくれる。

●小判は通貨としてつかってたけど、大判はプレゼント用。
●金のことを隠語で「ネコ」といい、それを盗むからネコババ。

などなど。
金にまつわるトリビアも、いろいろ知れます。




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ずっと外気に晒されてるので、草ぼうぼうで、プレートもひしゃげてる。
ゴミ寸前のビジュアルながら、現役バリバリの展示なんだから、面白い。
「肉は腐りかけが一番うまい」なんていうけど、そんな味わいのあるミニチュアだ。




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青いマルが、伊豆半島における金山の所在地。
すげえ多いですね。
もう何十年とくり返してる解説だから、地図を見なくったって、目をつむってたって平気。




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金山わきの小屋で、鉱石を見せてもらう。
握りこぶし大の石ころから、金が0.1gとれりゃ良いほうなんだって。







●いよいよ、天正金鉱に入るぜ!!

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というわけで、15分程度の説明をへて、金鉱の入り口に到着。
全長100m。手掘りの金鉱だ。




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大人1人通るのが、やっとの広さ。
おやじさんも、客のおばちゃんも、杖を突いてるのに、ものすごく機敏。
スッス、スッスと下っていきます。動ける老人。

壁がゴツゴツと波打っているのは、吸音効果を狙ってるんだとか。
ノミをうつ音がうるさすぎて、たまったもんじゃねえから。




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換気システム、照明システムなどを説明してもらいつつ、奥へ、奥へ。
細部に知恵がこらされてます。
解説がなきゃ、気づけませんね。




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▲龕(がん)のまえで記念撮影。さすがに直立不動はできない。

こちらが、天正金鉱最大のウリ、龕(がん)。
「龕」というのは、仏を収めるため、石壁に掘られたくぼみのこと。
龕がある金山は、日本じゃココだけなんだって。

掘ってたころ(江戸時代)は、換気技術が乏しかった。
「これ以上掘るとヤバイぞ、酸欠になるぞ」ってポイントで、
龕を作り、堀りすすめるのを止めたのでは、と考えられてるらしい。




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といっても、仏像が置かれてるわけじゃありません。
扇状のスペースに、タテ線が数本削られてるだけ。
仏といっても、観音さま。つまり、まあ、女性器を模してるわけです。







「天正金鉱」の情報

オススメ度  ★★★☆☆ 
アクセス  伊豆箱根鉄道「修善寺駅」からバス50分 
住所   静岡県伊豆市土肥2851
電話番号  0558-98-1258
営業時間  8:00~17:00
定休日  なし 
予算  大人600円 
関連サイト  土肥市の観光地紹介サイト