日本未来科学館で展示されている「フカシギの数え方」 そこで、上映されてるアニメが狂気じみていると話題になってます。 YOUTUBEで見たんだけど、確かにヤバイ、イカれてる! こいつあ直接、現地で確認せねばと、未来科学館に行ってきました。 アニメでは語られなかった、悲劇的なエンディングの先にあるものとは… |
日本未来科学館で上映されている「フカシギの数え方」というアニメ。
いま、このアニメがヤバいと話題になっています。
YOUTUBEにもアップされてるのですが、まだ見てない人に、概略を説明しましょう。

アニメの内容は、組み合わせるものが少し増えるだけで、膨大な組み合わせが生まれる「組み合わせ爆発」について説明したもの。
子どもたちに分かりやすいよう、お姉さんがマス目を使って、数えていきます。

2×2マスなら12通り、3×3マスなら184通り。
これぐらいなら根性でなんとかなりますが、4×4マスともなると、その組み合わせは8512通り!
お姉さんも疲労の色が隠せません。

これ以上は無理だと、5×5マスからはコンピューターを使うことに。
5×5マスでは126万2816通り、6×6マスでは5億7578万564通り。
しかし、お姉さんの探究心は尽きることを知りません。

7×7からは、巨大なスーパーコンピュータを投入します。
8×8マスの計算には、4時間もかかる始末。
「次は2~3日はかかっちゃうかもね」と、9×9マスの計算をはじめ、子どもたちをいったん家に帰します。
ところが…

なんと、計算に6年もかかったのです!
これぞ、組み合わせ爆発の恐ろしさ!

高校生になった子どもたちを呼び出し、結果を伝えるお姉さん。
完全にラリった目つきです。

子どもたちは、完全に引いています。
しかも、「じゃあ、これから10×10マスの計算を始めるね」と言うではないですか。
「そんなことしたら、お姉さん死んじゃう!」と止める子どもたち。

それでもね。
私は皆に「組み合わせ爆発のすごさ」を教えたいの!止めないで!
と決死の覚悟をつげる。
いったい、なにが彼女をここまで突き動かすのだろうか。

誰も、お姉さんをとめることは出来ない。
走り出してしまった、狂気。
そして…

25万年経過。
お姉さんはロボになってまで、計算を続けていたのだった…。

といった、内容のアニメなんです。
良いでしょ、狂ってるでしょ。
こいつが、東京を代表する博物館「日本科学未来館」で流れてるってんだから、ダブルで驚きですわ。
ワンマン経営の珍博物館が、好き勝手作ったアニメじゃないんだから。
さっそく、本日、現場にむかってみました!
●「フカシギの数え方」に行ってきたよ!

ゆりかもめ「船の科学館駅」から徒歩5分。
日本科学未来館の常設展として、「フカシギの数え方」はブースをかまえています。
展示期間は、2012年8月1日~2013年2月25日まで。

壁に書き殴られていた、アルファベットやひらがな。
狂気にとりつかれたお姉さんの仕業に違いありません。
ロボ化する直前は、悩みに悩んで、精神的にも危うかったことが推測されます。

無料でもらえるフライヤー。
一見、すべて同じに見えますが、微妙に色や形が違っていて、64通りもあるそうです。
これも組み合わせの力ですね。
■レベル1:とにかく数え上げるべし!!

レベルごとに、組み合わせを学んでいきます。
レベル1は「自力で数えあげる」という方法。
お姉さんが、4×4マスまで使っていた、原始的な手段ですね。

同じところを通らず、ゴールに行くには何通りの方法があるのか。
指でなぞって数えます。
(正解は7通り)

▲左の機械で答えあわせ
●レベル2:組み合わせ爆発を感じるべし!!

レベル2では、組み合わせ爆発を感じます。
上記写真は、爆発の恐ろしさを図示したもの。
マス目の分割数が1つ増えるごとに、1万倍以上、道順が増えています。

▲お姉さんのアニメは、こちらで上映されていました。

▲爆発したパターン数を、たんたんと読み上げる機械。

14×14のパターン数は
2271載4911正4676潤8127溝3963穣1826𥝱4593垓2798京9863兆3876億1332万344通り
なんだって。
なじみのない単位ばっかり。𥝱とか垓にいたっては、パソコンの変換で出てきません。
↑16×16のパターン数を読み上げてるとこを、動画でおさめてきました。
現実感がなさすぎて、もぅ、お経に聞こえます。
葬儀でお坊さんが「 2271載4911正4676潤8127溝3963穣1826𥝱4593垓2798京9863兆3876億1332万344通り 」とか唱えてても、違和感なく流しちゃいそう。
●レベル3:奥義「圧縮」炸裂!

組み合わせ爆発をまえに、われわれは、成す術がないのか…
お姉さんのようにロボ化して、何万年も数え続けるしかないのだろうか…。

そんなわけねえ!人間なめんな!
組み合わせ爆発を克服するため、『圧縮』という技術が、生み出されていたのだ!
「論理的にありえない組合せを排除」したり、「重複する要素をまとめたり」することで、計算の手間を徹底的にコンパクト化するテクニックです。

爆発した組み合わせ。
奥義「圧縮」をかますことで…

こんなにも、シンプルな樹形図に大変身!
お姉さんも、圧縮さえ知っていれば、9×9の組み合わせ計算ぐらい10秒で終わっていたのに…。
現在では、遺伝子の研究などにも、圧縮は活用されています。
悲劇的な末路を遂げるアニメのむこうに、人類の希望はひらかれていたのだった!

家に帰ってからフライヤーをよく見たら、隠し文字で「兆」だの「那由多」だのと、お姉さんを苦しめた単位たちが書かれてました。
怖っ!
あ、日本科学未来館はそのほかにも、ASHIMOのショーがあったり、3Dプラネタリウムがあったり、すげー面白いんでね。
まだ、行ったことなければ、お台場デートのついでにどうぞ。
(前に書いたレポ)ASHIMO、しんかい6500、カミオカンデが勢ぞろい!「日本科学未来館」【船の科学館前】
■「日本科学未来館」の情報■
アクセス | ゆりかもめ「船の科学館駅」から徒歩5分 |
住所 | 東京都江東区青海2-3-6 |
電話番号 | 03-3570-9151 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 火曜日、年末年始 |
予算 | 大人600円 |
関連サイト | 公式サイト |