『シャトードコーマル』 オススメ度:★★★☆☆

094

千葉県柏市にあるカフェ。

カフェなんだけど、城。
城なんだけど、カフェ。
建築家の高丸さんが30年かけて完成させた。 フランス城主会でも、正式に「城」として認められている。
正真正銘、比ゆじゃなく、一国一城のあるじなのだ。



095

JR「柏駅」からバスで20分ほど。
ちょいと競りあがった丘のうえ。統一感のある清潔な住宅地に、突如あらわれるお城がシャトー・ド・コーマル。大使館風のいでたちです。 
日本建築の並びに、いきなり西洋のお城ですから、異物感アリアリ。
建築デザイナーであり、城主の高丸さんが33歳のときに着工し、完成までにじつに30年もかかったんだとか。
日本の城を作っちゃうおじさんってけっこういるけど、西洋の城は珍しい。

シャトー・ド・コーマルの「ド」は、お城のあかし。
フランス城主会で、正式に「城」として認められないとつけちゃダメなんだって、ド。
ちなみにフランス城主会ってのは、読んで字のとおり、フランスでお城を持ってる人の集まり。
元貴族だとか超セレブによって構成されてまして、シャトードコーマルは城主会公認、正真正銘のお城なわけです。




046
▲シャトー・ド・コーマルのエンブレム

シャトー・ド・コーマルには、エンブレムがあるんだけど、フランス貴族のロゴをアレンジしたもの。
わざわざ現地にでむき、侯爵から許可をとりつけた。
気合の入り方が、尋常じゃないぜ!




086
▲泉で天使がたわむれています。



089

驚くことに、天使の彫刻も、城主自らが作ったもの。
建築デザインが本職ということもあって、いままでブログで紹介してきた「手作り系珍スポット」とは、装飾の完成度が桁違いです。
小物まで1品1品手作りしてたら、そりゃあ30年かかりますわな。

天使たちがたわむれてる泉の名は、「サロン文化の泉」
命名者は、頭のなかにアメ玉を隠し持ってることでおなじみ、黒柳徹子氏。
なぜ、トットちゃんとつながりが!?
城主の高村さんは年に1度、文化的に功績があった人物に「サロン文化賞」という独自の賞を与えてるんですけど、たまねぎ戦士トットちゃんは第10回の受賞者。ユニセフでの活躍を認められました。
その他、フランスの大臣、ボリショイサーカスの芸術監督、国立音大学長なそうそうたるメンツが毎年、受賞をしています。
「なるほど、そういうやり方があったか」と唸りましたね。
世界的に有名な賞を受けとるのは至難のわざですけど、世界的に有名な人に賞を与えるのは、こっち次第ですから。与えたもん勝ち。
さっそくですけど、2012年、僕の文化的好奇心をもっとも刺激してくれた、紗倉まなさんには「松澤文化賞」を与えたいと思います。





●城主が、城の内部を懇切丁寧にガイドしてくれるぞ!

023

ロココ調の内装で、細部も凝りに凝ってます。
シャンデリアにステンドガラス…。
すべての装飾品は、業者との綿密な打ち合わせのもと、製作されたんだとか。




025
▲豪奢な階段のうえには…



057 
▲城主、高丸さんの若かりしころの肖像画が飾られている。




017  
▲スカルノ大統領から贈与された極楽鳥。デヴィ婦人の旦那だね。この交流関係の広さは、なに!?




030 
▲こちらが喫茶室。

水出しで作るコーヒーは、500円から。
午前中だったこともあって、他にお客さんはいません。
「お客さんのほとんどが女の人だからね。男3人組って珍しいよ。」とのこと。
事前予約をすれば、貸切パーティーも出来るので、コスプレのオフ会によく使われるそうですよ。




032
▲机のうえのペーパークラフトも、お城。



040 
▲千利休のフィギュアも置かれてます。2階には茶室もあるんだって。和洋折衷。




054
▲城主の高丸さん

コーヒーを出し終わると、城主の高丸さんは、せっせと彫刻をはじめました。
業者に頼んだものが納得いかなかったので、自分で作ることにしたそう。
60代後半だけど、見た目が若く、声にハリがある。
現在は奥さんと2人、この城で暮らしてます。
油絵の後ろにテレビを隠したり、鏡のうしろに棚を作ったりして、生活臭を消してるんです。
「城に住むのが、子どものころからの夢だった!だから、33歳で強引に作っちゃったんだ」と、熱く語ってくれました。 




075 
▲熱く語ってくれる城主。手前の扇風機がアンバランスで、柏の城ならではの、ごった煮感。

「城内をガイドしてあげるよ!」と、先導してくれた。
とにかくもぅ、このガイドが情熱的。
おそらく何十回、何百回と繰り返されたのであろう、語り慣れた口調で、 「ピアノ演奏部屋」「礼拝堂」「ワイン倉」などの部屋を、熱く熱く語ってくれる。
青春を30年つぎ込んだ城だもんね、もはや、己そのもの、人生そのもの。
なにかに異常なほど執着しつづける人って、ほんと好きだわあ。魅力的だわ。
ガイドの最中、折につけては「若くて良いなあ。若けりゃなんでも出来るもん。」と言っていた。
まだまだ城への探求心が尽きていない証拠であろう。




072  
▲礼拝堂。祈りをささげたければ、宗派は問わないそうだ。




077
▲リビングにあたる部屋。貸切パーティーはここで行われる。




083
▲暖炉のなかには、ストーブ。扇風機といい、冷暖房系に隙がある。

月に1度「茶の湯の会」のときだけ開放する、茶室もある。 
西洋がお城をこしらえてたころ、日本はどんなだったかを比較するために作ったそうだ。
部屋の名前は、「サロン」にひっかけて、「茶論」。
西洋のお城に、ダジャレを持ち込むとは。つくづく和洋折衷のお城ですな。







「シャトー・ド・コーマル」の情報
オススメ度  ★★★☆☆ 
アクセス  JR「柏駅」からバス。刈込下車で徒歩5分。 
住所  千葉県柏市東柏1-21-15
電話番号  04-7167-5886 
営業時間  11:00~17:00
定休日  火曜日 
予算  コーヒー500円 
関連サイト  公式サイト 
 




●オススメ記事

451

ツッコミどころが30個はあるぞ!間違い探しの領域「養老ランド」【岐阜県】

505

恐怖!薄暗い通路に『ありがとう』の声が響きわたる「お菓子の城」【愛知県】

2142551_882073939_78large

東京でもっとも狂気にみちた居酒屋「かがや」【新橋】