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昨日、11月23日(祝)に開催された『東京虫食いフェスティバルvol.4』に行ってきた!
100人以上入れる会場は超満員で、立ち見まで出る始末。いやあ、虫好きってあんなにいるんだなあ。 
風邪ひいて、頭クラクラ、ひどい吐き気を標準装備してるなか、たくさん虫を貪ってきましたよ。試練だった。んじゃ、レポしますね!




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▲会場は中野駅にある「桃園会館」。地方によくある公民館ですね。



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▲社歴40年ぐらいの中小企業が忘年会をやりそう。まさかこの雰囲気で、虫を食うとはね。

主宰者は、日本で唯一の昆虫料理研究家である内山昭一さん(サイト「昆虫食彩館」)。
「昆虫食入門」「楽しい昆虫料理」といった著作を書いたり、阿佐ヶ谷にて月1回「昆虫食のひるべ」というイベントを開催したり、精力的に昆虫食の啓蒙に挑んでいるお方だ。



↑の昆虫食入門を読んだんだけど、とにかくガチ。
虫に合わせた調理方法の研究や、食糧危機に虫食がはたす役割などを、本気で突き詰めてる。普通に面白いので、興味ある人はぜひ読んでみてね。

内山さんを取材させていただけるということで、オープンの1時間前に到着。
部屋を覗いてみると、もうすでに、取材陣でぎっしり。新聞・雑誌・テレビと各種メディアがごった返して、一斉取材をしていた。ロイター通信まで来てたからね。「こりゃ、ゲリ便ブログの出る幕ないわ」と、恐れをなして、そそくさと撤退。権力に弱いのです。




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▲予約特典で「地蜂せんべい」をもらった。

予約特典でもらった地蜂せんべいをついばんで、開場時間を待つ。
蜂の部分が、ちょっぴり土臭いけど、せんべいとして美味しかった。





●虫を食べよう!

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開場にあわせて、売店コーナーもオープン。食べれる虫や、飲める虫をどっさり販売していた。
風邪ひいてて、ひどい吐き気を標準装備してたんだけど、ごまかしごまかし、色んな虫を食べましたよ。戻さなくてよかった。




ミツバチの巣

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▲ミツバチの巣 500円

これは食べてないんだけど、普通においしそうだったなあ。
甘いお菓子みたい。




蚕サナギの燻製

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▲蚕サナギの燻製 200円

これね、すっげえ旨いよ。
燻製チーズによく似た味わい。香ばしい香りと、中身のトロリとした甘さが絶妙で、これならマジでいくらでも食える。
蚕サナギは、佃煮とか塩焼きとかで、何回も食べたことあるんだけど、燻製が抜群に旨いわ。独特の土臭さもないし。




バッタのフリーズドライ

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▲バッタのフリーズドライ 200円



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見た目はいかついけど、味はいたって淡白。
ドライ野菜に近いかな。レンコンとか根菜系。むちゃくちゃ旨いってシロモノじゃあないけど、普通に食える。




アリジャム

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▲アリジャムクラッカー 200円

ジャムに蟻が混じっているんだけど、味は、完全にジャム。苺ジャム一辺倒。
蟻の存在感、ゼロ。




蚕の糞で炊いたごはん

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▲蚕茶飯 300円

蚕の糞で炊いたご飯に、さなぎが乗っかっている。
これも美味しい。拍子抜けするほど美味しい。おこわですね。




バッタの糞からいれたお茶

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▲バッタ茶 200円

バッタの糞から出したお茶。
糞と言っても、ほとんど植物の破片だから、ぜんぜんウンコ臭はない。ドクダミ茶に酷似した味。




タガメ入りポカリスウェット

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▲タガメウェット 200円



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▲巨大なタガメが、何匹もポカリスウェットの中に入ってる



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今回食べたなかで、一番意外な味わいだったのが、タガメスウェット。
ポカリスウェットの中に、でっけえタガメが何匹も入ってる逸品。
エグいビジュアルに反して、その味は、まるで洋梨。洋梨フレーバーのポカリ。すっげえ甘い。
スタッフさんに聞くと、実際タガメから出るエキスは、梨と同じ成分なんだって。超意外。虫は見た目によらない。


 


●虫フェスの開始だー!

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▲超満員。男ばっかりなのかと思いきや、そんなことはない。うら若き女性も沢山。

夢中で虫を貪り食ってたら、あっという間に開演時間。立ち見まで出る超満員だった。
虫食いって、ジャンルがジャンルだから、かなりディープな客層かと思いきや、案外、うら若き女性客も多い。というか、半分は女性。
主催の内山さんいわく「10年前から昆虫食の研究をやってるけど、2年ほど前から女の子の関心が急速に高まっている」とのこと。2年前の2010年といえばちょうど朝青龍が引退した年。女子たちの、行き場を失った朝青龍への情熱が、虫食へと向かわせたのだろう。




●タイ・ラオスは日常的に虫を食う!

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虫フェスはいくつかのコーナーに分かれた、講演会スタイルのイベント。
まずは、タイ農村の現地人を招いての、「タイの虫食レポート」だ。
タイでは、日常的にさまざまな虫を食べるんだとか。「田んぼから取れるのは、米だけじゃない。タガメも取れる」だとか、「豚よりも、バッタのがキロ当たりの値段が高い。バッタは高級品」だのと名言が飛び出していた。



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▲カブトムシ味噌、食いたい人いすぎ!

カブトムシを利用した、料理映像も流された。
頭と足をもいで、胴体部分をすりつぶし、香料とトウガラシを混ぜて、カブトムシ味噌を作っている。虫耐性の無い人には、けっこうショッキングな内容である。
ひととおり見た後で、司会が「では、このカブトムシ味噌を食べてみたいという、勇気ある方いらっしゃいますか!?」と尋ねると、「はい!」と立つわ、立つわ。立候補者いすぎ!誰も手あげなくて「どうする、どうする」って会場がざわつく流れでしょ、普通は。さすが、わざわざ虫食いフェスに来ている参加者やで。
食べたい人が30人以上いたので、結局、会場全体に回すことになった。




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▲カブト虫味噌



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▲カブト虫の破片が入ってる。

カブト虫の殻がドカンと入ってる、カブト虫味噌。
本場タイでは、モチ米につけて食うらしい。
一口食べてみたが、もうね、臭いがまんまカブトムシ。爆発する土臭さ。辛味があって、慣れればご飯がススムのかもだが、俺はダメだなあ。釣りの練り餌を連想してしまった。





●バッタ農場が食料危機を救う!?

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▲バッタから作ったしょうゆ。

大学院生が中心となった食用昆虫の研究発表も。 
豊富な淡白質をもち、30日で成長しおわるバッタは、牛や豚につぐ、貴重な食料資源になるのではないかと研究しているらしい。



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▲バッタの糞

↓ ↓ ↓  

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▲バッタは紙になる。

バッタの糞は、ほとんど植物の破片。だから、紙になる。
バッタ農場が食糧危機を救うか!?





●対談に見る、内山さんの本物っぷり!

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▲左が内山昭一さん、右がメレ山メレ子さん

ブログ「メレンゲが腐るほど恋したい」の著者で、虫ガールとして活動しているメレ山さんと、内山さんの対談も。
メレ山さんが飼っている蚕を見て「食べ応えのありそうな蚕ですねー」と言ったり、メレ山さんがかわいいんですよと紹介したアゲハ蝶の幼虫ぬいぐるみを見て「あげはの幼虫はミカンの味がして、美味しいんですよ」と言ったり、内山さんの本物っぷりが垣間見えた。虫は食べるもの、という徹底した意志を感じた。





●最後は、虫料理レシピコンテストだよ!

イベントのとりをつとめるのは『虫料理レシピコンテスト』
参加者から寄せられた、斬新な虫レシピを紹介していくコーナーだ。
最終選考に残ったのは5作品。では、エントリーNO1から紹介していこう。


エントリーNO.1 「バグパエリア」

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▲サフランライスのうえに、セミやゴキブリが乗っている


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▲大会後に分けてもらった。カラリと素揚げしたセミがアクセント。

エントリーナンバー1は「バグパエリア」
黄色いサフランライスのうえに、セミやゴキブリを素揚げしたものが、そのまんま乗っかっている。サイコホラーとかで、狂った一家の晩飯で出てきそうな逸品。
大会終了後に小分けにしてもらったバグパエリアを、俺も食べたんだけど、セミは海老みたいな味だった。 

審査員の感想「セミがバリバリと香ばしい。サフランライスの黄色と、パプリカの赤で見た目にも鮮やかでパーティーにも使えそう」




エントリーNO.2 「ミールワームとチーズの春巻き」

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▲春巻きのなかに、ミールワームが入ってる



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ちょっと分かりにくいかな。春巻きのなかにチーズとミールワームが入ってる料理。
前にミールワームを塩焼きして食べたことあるんだけど、カッパえびせんみたいで、わりとイケるんですよね。

審査員「ミールワームがサクサクで食べやすい。とろけるチーズとの共演もばっちりで、親しみやすい。」




エントリーNO.3 「蚕のリアルニョッキ」

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▲ニョッキのなかに蚕が入っている



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ニョッキの中に、蚕をいれた料理。
レシピの制作者いわく「虫は、見た目がそのままだと食べづらいけど、すりつぶすと何食べてるかわからない。ニョッキで包み隠すことで、あいだをとることに成功した」のだそうだ。

審査員「蚕だといわれなければ分からないぐらい美味しい。初心者向け」




エントリーNO.4 「イナゴのおこわ」

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▲おこわのうえにイナゴが乗っている。



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▲ちなみに審査員の前には、撮影陣がぎっしりいる。餌にむらがる虫のごとし。

おこわの上にイナゴを配した料理。
虫の中でも、イナゴはわりと食べ慣れてる代物なので、そんなに違和感なし。

審査員「虫どうこうというより、まず、おこわとしての出来が良い。すごくモチモチ。イナゴが香ばしく、口のなかに秋の田んぼが広がるようだ」




エントリーNO.5 「はんぺんチーズのミールワーム揚げ」

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▲はんぺん揚げの衣にミールワームがまぶされている。



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▲まぶされている。

はんぺん揚げの衣にミールワームがまぶされた料理。
ミールワームがモロ見えなので、虫嫌いにはキツイ逸品か。

審査員「はんぺんのふわっとした食感と、ミールワームのサクサク感が絶妙なコントラストになっている」





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と、終始、大真面目なコメントがなされるなか、大賞はエントリーNO.1「バグパエリア」に決定。
レシピ制作者は、月1の「昆虫料理研究会」に足しげく通っていた方。トロフィーが授与された。虫の形の面白さをそのまま生かした点、パエリアの色鮮やかさが大賞の要因だそうだ。

というわけで、3時間半におよぶ虫食いフェスは、バグパエリアの大賞受賞を持って、終了した。
虫食ってひとくちに言っても、文化的アプローチ、料理的アプローチ、エンタメ的アプローチとさまざまなんだなあ、と勉強になったイベントだった。
来月の「昆虫食のひるべ」、行ってみようかなあ。







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