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町中が浮かれ、カップルで溢れかえる12月24日、25日。
「今年のクリスマスは、たった1人で耐え忍ばなければいけない…。」
そんな難事業を抱えたアナタに、東京別視点ガイドがとっておきの1人遊びプランをご提案しよう。



クリスマスを耐え忍ぶ。
「家に引きこもってりゃあ、済むじゃん」というのは、恵まれた一人暮らしのセリフだ。実家に住んでいると、話しはそう単純じゃあない。
私も20代なかばまで実家で両親と暮らしていたのだが、クリスマスの実家というのは、かなりリスキーな空間なのだ。「クリスマスなのにデート行く相手いないの?」と尋ねられたり、家族でケーキを食べるはめになったり、兄弟が恋人を連れ込んだり。心ゆさぶる危険なイベントが満載で、おちおち2chのまとめサイトも見てられない。

かといって一歩外に足を踏み出せば、カップル、カップル、カップル…。
大学時代の友人は、恋人のいない者同士で、激安居酒屋の「一休」に逃げ込んだらしいが、そこですら若いカップルに占拠され、なんとも悲惨な想いをしたという。



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そこで、東京別視点ガイドが提案したいのが、巣鴨。
究極の安全地帯、巣鴨でたった1人のクリスマスをやり過ごす。そんな1日のプランをご案内したい。




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巣鴨の何がスゴイって、老人しかいないとこ。右を見ても、左を見ても、年金生活者。
なんだったら、すでに、クリスマスを通りこして、正月を見据えている方々ばかり。心を乱すものが、何一つない。
男女ペアもいるにはいるが、いずれも70オーバー。カップルというより、アベックと呼ぶのがふさわしい存在で、ひと安心である。


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●クリスマスカラーだって健康のため

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かといって、巣鴨もクリスマスムードとまったくの無縁ではない。クリスマスカラーの赤が、町中に溢れ返っているのだ。
ももひきに群がる素敵なレディーたちの左側。棚にご注目いただきたい。






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赤い衣服が大流行しているのだ。
赤いタイツに、赤パンツ。上から下まで真っ赤っかである。
巣鴨のおばあちゃんたちは、1枚上着を脱がせれれば、サンタ顔負けの赤い下着に身を包んでいるのだ。




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あげくのはてには、赤いパンツの専門店まで出来ていた。どういう理屈か知らないが、赤パンは健康に良いらしい。
巣鴨にかかれば、クリスマスカラーだって、健康の一要素として取り込まれてしまう。


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●デートスポットの定番「赤レンガ」でショッピングだ

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桜木町にある定番デートスポットは赤レンガ倉庫。
しかし、巣鴨にだって赤レンガはある。その名も『すがも赤レンガ』。広々としたエントランスに、紅白の幕がおめでたい。 
後日、友人に「クリスマスどうしてた?」と聞かれたら、「赤レンガ行ってた」と答えれば、ごまかしが効く。




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赤レンガでは、主に「電磁波を遮断する炭」が売られている。
1つ買っておけば、電磁波を恐れることなく、年末年始を過ごせるぞ。


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●名奉行「大岡越前守」の墓で、裁きを祈ろう

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もっともクリスマスと縁遠い場所、それは墓場。
赤レンガでショッピングを堪能したら、お次は、本妙寺に行こう。
お目当ては名奉行として名高い「大岡越前守」の墓参りだ。




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「大岡越前守忠相様、鶏肉を貪り、性愛に溺れるカップルに、どうか、公正なる神の裁きをお下しください。
と小一時間祈れば、心の澱もすこしは洗い流されることだろう。


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●小腹が空いたら、スーパーハイスープを飲もう

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ひとしきり祈って小腹が空いたら、お食事タイム。
とげぬき地蔵通りのすぐ近くにある、すっぽん料理「三浦屋」に立ち寄ろう。
クリスマスの浮かれた気配を微塵も感じさせない、腰のすわった店構えが心強い。




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オススメしたいのは「スーパーハイスープ」だ。なんて陽気で、それでいて抽象的なネーミングだろうか。
平たく言えば、すっぽんからダシをとったスープなのだが、公式サイトによると「1杯飲めば、疲れがなくなる」「足が軽くなる」「視界が広がって明るく感じる」のだそうだ。コカインに勝るとも劣らぬ効き目。まさしくスーパーで、ハイなのだ。
「今頃、テニスサークルの連中はパーティーを…」などと落ち込みがちな気持ちを、スーパーハイスープで盛り上げよう。




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▲シックなカウンターで970円を払う。



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スーパーハイスープは立ち飲みが可能。
カウンターで970円を払うと、お盆にのったハイスープをくれるぞ。




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座敷につうじる通路で、クイッと立ち飲み。
大人1人立てば、精一杯の狭さなので、物理的にカップルを拒んだ構造となっている。
この通路、スタッフの動線でもあるから、邪魔になる前にさっさと飲み干そう。


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●すがもんのお尻を揉みしだこう

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すっぽんスープを飲んだなら、欲求が不満になるというもの。
「もう我慢できない」というアナタにうってつけなのが、すがもんのお尻だ。巣鴨のマスコットキャラすがもんは、タダで尻を揉ませてくれるのだ。とげぬき地蔵通りの入り口で、尻を突き出しているぞ。





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優しく撫でるように、フェザータッチするも良し。




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荒々しく鷲掴みするも良し。
そのときの気分に合わせて、いろんな揉み方をしてみよう。すがもんは全てを受け入れてくれるぞ。


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●路上マッサージで触ってもらおう

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「触るだけじゃ物足りない。触られたい」という欲張りなアナタは、路上マッサージを試してみると良い。
たった500円で体のさまざまな部位を触ってもらえるぞ。

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●最後は、墓場でイルミネーションを楽しもう

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そうこうしている内に、あっという間に日は暮れる。恐ろしかったクリスマスも、もうすぐ終わりだ。
最後にやってきたのは、またしても、墓場。数々の著名人が眠り、花見の名所としても知られる染井霊園である。

かなり大きな墓場で、中央を走る通りは、地元民が生活道として使っているのでにぎやかだ。
しかし、1本、脇に反れればこのとおり。真っ暗闇である。
さあ、クリスマスの締めくくりにイルミネーションを楽しもう。
目を閉じ、心をクリアーにするのだ。




 



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心象世界に没入せよ。









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そして、広げるのだ。







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数多の美しいオーブが、あなたを包みこんでくれるだろう。
おめでとう。
クリスマスは終わったよ。





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