『玄界島』  目安タイム:1周80分

 163

最近、島巡りにハマってる。
歩いて2時間だの3時間だのの規模で、1つの世界が完結しているのが、箱庭的で非常にソソる。島民の生活に思考をめぐらすだけで、興奮するねえ。島ってなんかエロいのだ。
というわけで、巡った離島を月1ぐらいで、ちょこちょこ紹介してこうかなー、と思う次第でございます。
 


084

ちゅうわけで「ぶらり離島1周の旅」の一発目は、福岡県は玄界島。
博多港からフェリーで35分ほどの、玄海灘に浮かぶ島だ。
片道840円で切符を買って、船に乗り込む。船客は僕を含めて、3人。釣り人を除いて、ほとんど観光客の訪れない島なんだな。




082

波が荒いわ、船は小さいわで、揺れがダイレクトに体に伝わる。
体の内側がギュっとなって、ふわふわした浮遊感がずーっと続く。ジェットコースターが猛スピードで下るときのそれに近い。
はじめは「ひえー、気持ちいー。あたしをもっと揺さぶってー」と良い調子だったのだが、次第に、吐き気をもよおしてきた。船酔い寸前。
出発早々、島民とおぼしきオバちゃんが椅子で横になってたんだけど、あれ、正解だわ。生活の知恵だわ。






●玄界島、到着

088
▲港から玄界島中心部をのぞむ

フラフラになりつつも、なんとか玄界島に到着。
あぶねえ、あと20分長かったら、ゲロリンピックが開幕するところだった。

玄界島は周囲4kmほどの小さな島で、230世帯550人が住む。
ほとんどの住居は島の南に位置している。



島の地図を見ていただければ分かるとおり、小・中学校もある。
離島のなかでも、特に、学校のある離島が好きなんだよなあ。
彼らの学生生活を想像したら、なんだかもう甘すっぱい青春って感じで、ああもう、俺、ああもう。
まあ逆に、スタートダッシュしくったら、閉鎖的空間なだけに、都心部の学校でしくじるよりも俄然キツそうだが。






それでは、1周スタート。


091

港には漁船が何十隻も停まっている。
住民の多くが漁業にたずさわっているそうだ。




094

島唯一のスーパーマーケット「アイランドポート」
都会のコンビニとは訳が違って、夕方6時閉店。日曜祝日もお休みだ。




095

品揃えは、地方のこじんまりとしたスーパーと大差ない。
特産のわかめなど、海産物も売っている。




097



103

平成17年の福岡県西方沖地震で、震源地に近い玄界島では、200戸を超える住宅が損壊をした。
そのため、今建っている住宅のほとんどが新築。
離島というより、計画開発したニュータウンって雰囲気がする。




117

意外にもたくさん公園があって、見つけただけで3つはあったかな。
野球のグラウンドも整備されてた。




118

公園をはじめ、柵のあちこちに「イノシシ注意」の看板が貼られている。
森に住んでるイノシシが時折降りてくるらしい。




113

イノシシを防ぐための電気柵。
むきだしの恐ろしいマシーンから、鉄柵に電流を流しこんでいる。
どれだけの威力なのか興味はあったが、ビビって触れなかった。知り合いのいない島で、泡吹いて失禁したら嫌だしね。




105

展望抜群のロマンティックなベンチもあるよ。




115

高台にある学校。
小学校と中学校を兼ねている。



110

最近立て直されたので、まだまだ新しくて、キレイ。



111

学校の門にも「イノシシ注意」の看板が。
都心の学校では、不審者や痴漢を注意するもんだが、離島の学校ではイノシシがもっとも危険な存在なのだ。



123

学校のすぐ近くには神社もある。



122

ダイエーオーナーの中内氏も、この神社に参拝に来たらしい。
島とはいえ、福岡。ホークスの勝利を心から望んでいる。





ここまでの所要時間:30分





127

住宅エリアを回り終え、海岸沿いに降りる。
時間はまだ18時を少し回ったぐらいだが、人通りはほとんどない。




132

テトラポッドに座って、釣りをしてる人が1人。
なんだか島っぽいなー。



142



146

あとは、海岸沿いをぐるっと一周する道をひたすら歩く。
1本道なのだが、ぜーんぜん島民とすれ違わない。まあ、島の北側には何にも無いし、用事はないだろう。
波がここまでくるのか、途中途中、道が浸水している。
泥で汚れること必須なので、長靴か、もしくは変な靴で行ったほうが良いだろう。いつもは変な靴を履いてる僕だが、この日は、そんなに変じゃない靴を履いていたので、泥を避けるのにすごく気を使った。



137

しばらく歩いていると、火葬場があった。
なるほど、葬儀も島で済ますことが出来るわけだ。




149

柱島。その形状からガイコツ島とも呼ばれているとか。
形状から名称をうんぬんするならば、ガイコツというよりか、先っぽがちょこっと割れてて、こんもり丸っこいから、お尻島なんてどうだろうか。もしくは、ぷりぷりケツ肉アイランドなんて腹案もある。





ここまでの所要時間:55分




158

砂浜の入り口に、なぜか、靴が片方だけ置かれていた。




163

もう、誰も使っていない小屋。




167

てすりもなく、ガラスも割れている。



176

「密漁禁止」の看板が、海岸沿いにいくつも立てかけられていた。
ウニ、アワビ、サザエを取ったら懲役。



188

道端には、うにの空き殻が置き捨てられいた。
密漁の証拠品だろうか。




197

もう、すっかり日も落ちてきたころに、ふたたび住宅エリアに到着。
家々に照明が灯って、わりと明るい。



214

港の待合室で、博多への最終便を待つ。
他にお客さんもいないので、受付のおばちゃんは、野球に見入っていた。



1周の所要時間:80分



というわけで、1周するのにかかったのは80分ほど。
照明も人通りもないエリアで、日没寸前だったから、後半はずっと小走りだったけどね。
散歩がてらに巡れる距離ですな。


217

最終便は19:45。
たっぷりと1時間は余っていたので、玄界小中学校が作った、観光ガイドを見て過ごす。
「授業の一環でむりやり作らされたものかな」なんて思いながら、ぺらぺらめくると、これがなかなかの力作なんだな。
島の歴史や施設はもちろん、生息してる虫や玄界島特有の方言まで載っている。



221

しまいにゃあ、心霊スポットまで掲載する網羅ぶり。
将来、東京別視点ガイドのライターとして引き抜きたいね。







「玄界島」の情報
   
アクセス  「博多港」からフェリーで35分 
住所  福岡県福岡市西区 玄界島