「ここぞ」という記念撮影のとき、もしかして、あなたはまだピースサインをしていませんか?
もしかして、あなたは記念撮影をするさい、まだピースサインをしていないだろうか?
「はい、チーズ」の音頭に乗せられて、反射的に体が動いていないだろうか?
ピースサイン、ダメ絶対!
いや、まあ、ダメではないが、もう飽きてるでしょ、このポーズ。
そもそもピースは、勝利を祝うサインだったり、平和を祈るサインだったりするわけだから、本来の意味にもそぐわないし。
▲直立不動をするさいは、無表情が基本だ。
そこで最近、私が凝っていたポーズが直立不動。
浮かれたところのまるでない、クールでニヒルな大人のポージングだ。
どんな無愛想な人でも、不思議なものでカメラを向けられると、微笑んだり、手に動きをつけたりと何らかの反応を示してしまうもの。ゆえに、一見変化に乏しい無表情で直立不動が、逆にオリジナリティーを発していたのだ。
しかし、私は、さらに素晴らしいポージングを発見してしまった。
道具は不要、複雑な動きもなし。
老若男女を問わず実践できる、簡単なポーズ。
だが確実に、旧来の記念撮影シーンを塗り替えてしまう、そんな画期的なポーズなのである!
それでは、実際に記念撮影をしてきたので、写真をご覧いただこう。
●これが記念撮影シーンを塗り替える、まったく新しいポージングだ!
▲悪い例
上野駅の西郷像で記念撮影をしてきた。
上の写真は悪い例。
安易なピースサインでその場をしのごうとしている。
”っぽい絵づら”を撮ることに必死で、まるで観光地を堪能しきれてない。
▲まあまあの例
これは今まで行っていた直立不動。
ピースサインに比べればマシだが、まあまあ感はいなめない。
▲とても素晴らしい例
そして、これが今回、新しく提案する記念撮影のポージング。
名づけて「横不動」である。
直立不動のまま、たんに横になっただけなのだが、インパクトは段違い。
いかがだろう。写真の充実した表情からも、西郷像を堪能していることが手にとるように分かってもらえるだろう。
■桜の咲く場所で
▲悪い例
たとえば、こんな桜の咲きみだれる通り。
桜のインパクトと、まわりを歩く花見客のせいで、主役たる己が埋もれてしまっている。
これでは、なんのための記念撮影だろう。訳が分からない。
▲とても素晴らしい例
ところが横不動を採用すれば、この通り。
とたんに周りの歩行者から浮かびあがり、被写体としてのパワーがアップしている。
■巨大なオブジェの前で
▲悪い例
おなじく上野の国立科学博物館前にて撮影。巨大なクジラのオブジェである。
こうした巨大なモチーフの近くでは、ビックリしている風なポージングをしてしまいがち。
東京ウォーカーのモデルじゃあるまいし、このようなポーズは極めて不自然である。
▲とても素晴らしい例
そこで横不動。
まるでクジラと対をなすオブジェのよう。
観光以上の一体感を醸し出している。
■遊具を使った撮影にも
▲悪い例
小さな遊園地で撮影。
子供向けの遊具なので、どうしても無理にはしゃいでる感が出てしまっている。
▲とても素晴らしい例
これぞ、大人の遊び方。
背丈の短い子どもでは車体ですべて隠れてしまう。
大人だからこそ、頭と足がはみ出て、横不動での撮影が可能なのだ。成長を噛み締めよう。
■遊具を使った撮影にも パート2
▲悪い例
メリーゴーランド系の乗り物を使っての撮影。
小さな遊具に乗って楽しんでる姿は、カワイさアピールのようであざとい。
▲とても素晴らしい例
しかし、横不動なら問題なし。
重力に逆らうがごときポージングは、むしろ男らしさの証明だ。
■さらに応用バージョン
▲応用バージョン 斜め不動
友人と記念撮影するなら、さらに応用バージョンとして”斜め不動”というポージングもある。
2人で協力すれば、かなりの角度をはじけ出せる。
友だちを信用して、全体重をゆだねよう。
というわけで、まったく新しい記念撮影ポーズ”横不動”、いかがだったろうか。
その素晴らしさをご理解いただけただろうか。
誰でも簡単にできるので、さっそく、春休みの旅行やお花見などの記念撮影シーンで試してほしい。
…よき思い出を。
横不動に失敗すると、こんなぶざまな姿を晒すことになる。