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メジャーもメジャー、非常に有名な都市伝説として「青山墓地には、幽霊出没注意を意味する!マークの標識が設置されている」というものがある。
ほんとにあるのか検証してきた。
 


みなさんは「!マークの交通標識」にまつわる都市伝説をご存知だろうか?

『!マークの交通標識』

道路交通法での「!」標識の設置基準は『その他の危険』とされている。
この標識は、補助標識として、!マークの下に「路肩弱し」「上り坂勾配あり」といった、どんな危険があるのかを補助的に指し示す白いプレートが付いている。

だが、!標識の一部には補助標識が付いていないものがある。
一見しても何に注意すればいいのかわからない場所に立っている『その他の危険』なのだが、実は、「幽霊注意」を呼びかける標識なのだ。
国土交通省としても、公の機関が霊の存在を認めるわけにはいかないので、その他の注意を示す「!」標識に補助標識を取り付けないことで、幽霊注意を表しているのだ。

つまり、!マークだけの交通標識は”幽霊出没注意”を意味するというのだ。
数は少ないながら、全国に点在しているらしい。
なかでも「青山霊園の近くにある」というのは有名な話で、その筋で知らない者はいない有名な都市伝説だ。

でもね、ネットをいくら探しても
●具体的な場所
●実物の写真
が出てこないのよ。

ほんとにあるんだろうか、青山霊園の!マーク標識…?
というわけで、実際に足を使って探してきた。





青山霊園1

青く区切った地帯がすべて青山霊園。
むちゃくちゃ広い。




青山霊園2

ネット上での”見かけたよ”という証言者の情報によれば、「青山霊園すぐ裏の路地にある」とのこと。
そこで、まずは霊園本体ではなく、おそらく裏に当たるであろう、赤丸の地域をしらみつぶしに歩いてみた。





霊園の裏をしらみつぶしに

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▲墓地は見えない

この辺は墓地が見えるわけでもなく、お洒落でいかにも高そうな住宅が建ち並ぶエリア。
道行く人々もグッドルッキングガイばかりで、幽霊の出る隙などまるでなさそうだ。



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▲ハクビシンが逃げてしまったらしい

町の掲示板を眺めると、どうやらハクビシンが逃げてしまったらしい。
疥癬(かいせん)という皮膚病を持ってる可能性があり、触れると危険。
このエリアでは、幽霊よりも野生動物に注意したほうが良さそうだ。

細かい路地を隅々まで歩いたが、”!マークの交通標識”は見当たらなかった。






ぐるっと一周してみた

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お次。
裏と言っても、正確にはどこを指しているのか分からないので、青山霊園をグルッと1周してみた。
車が進入できる路地があれば、確認をしながら。
周囲2kmとかなり広いので、キョロキョロ探索しながら巡っていると、1時間以上かかった。




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▲大きな顔面オブジェ

とあるマンションの庭には、大きな顔面が置かれていた。
場所が場所だけに、夜中に低い声で泣きそう。




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霊園の角っこに、気になるストリートアートを発見。





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しげみに隠れて、おっさん顔の妖精がいた。ダンボールに彩色してある。
わりと手の込んだ作りで、きちんと壁に接着してあった。
場所が場所だけに、これも、夜中、低い声で鳴きそう。






青山霊園内部へ

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一周してもなかったので、いよいよ霊園本丸を攻めることに。
夜だとブキミで人通りのない霊園だが、昼間はちらほらとお墓参りする人もいて、意外に爽やかな空気。




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卒塔婆って普通にゴミ箱へ捨てるんだね。




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巡れども、巡れども、やはり見当たらず。
ネット上のもう1つの場所情報として「霊園内にある高校につながる路地にあるらしい」と書かれていたのだが、肝心のその高校(都立大田桜台高校)は現在、解体中。




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▲解体される大田桜台高校


んー、無い。
4時間歩きまわったが”!マークの標識”、無いぞ。
解体工事に伴って、撤去された可能性はあるな。




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この「十字路注意」の標識を、薄暗い夜中に”!マーク”と空見したって線もあるのかなあ…。




【結論】

青山霊園に”!マークの標識”は無い



※もし「いや、あるよ!場所知ってるよ!」「撮影した写真持ってるよ!」という情報お持ちの方いましたら、教えてください。



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