新潟県の北陸本線「筒石駅」は、地下40mのトンネル内にある駅なのだ。改札からホームまで階段290段をくだらなきゃならないんだな。
■筒石駅の周りはなーんもない
▲筒石駅周辺のようす
北陸本線筒石駅は新潟県糸魚川市にある。日本海の海沿いをぶりぶり走って、柏崎をすぎ、上越をすぎ、まわりはちょっとした森。駅のすぐ近くだって、写真の通り、なーんもない。民家すらほとんどない。
「JR地下駅」と書かれた看板を目印に坂をくだる。
こちらのプレハブ小屋が筒石駅の改札および待合室だ。無人駅っぽい簡素な駅舎だが、24時間体制で5名の駅員が配置されてるとか。「1日の平均乗客数が60人ほどの駅になぜ5名も!?」と疑問が浮かぶだろうが、ま、その理由はのちほど。
■改札からホームへは地下40m降りるよ
7月末の真夏日に行ったので、地上の気温は35℃オーバー。しかし、地下40mのトンネル内にあるホームは19℃と、つねに快適温度なんだな。
切符を購入して、中へ。
涼しい風が奥からびゅんびゅん吹いてくる。「こらたまらん、天然のクーラーじゃわい。セブンティーンアイス要らずだわい」などと極楽気分で歩いていると…。
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ドンっ!290段の階段!
なんせゴールが見えないからね。吸い込まれるようだ。地上からホームまでの高低差はじつに40m。エレベーターもエスカレーターもないから歩いていくっきゃない。のろのろしてたら5分以上かかる。
同じような構造の駅に群馬県の土合駅があって、あちらは地底70m、階段462段。土合駅に比べればスケールダウンとはいえ、見た目のインパクトはかなりのもんだよ。
(こちらもどーぞ:日本一のモグラ駅!?地底70mに存在する「土合駅」【群馬県利根郡】)
湿気の高いから壁はびちょびちょ。
階段をくだりきるとそこは洞窟だった。こもった空間なのでシャッターを切る音がカシャーン!カシャーン!っと響きまくった。ホームのほうからアナウンスが流されているようだが、その音にもエコーがかかりまくるので、なんといってるのか良く聞き取れない。
さらに進むと、霧が発生していた。ほの暗く、ホラー映画的な閉鎖空間だ。ナース姿の屍人があとを追ってきそう。
ホームへはあともうちょい。もうひとふんばり階段をくだる。
くだっている途中で、黙々と階段をのぼる女子高生とすれちがった。ここが最寄駅ってどういう感覚なんだろう。毎朝毎晩これを登り降りすることを考えると、俺だったら不登校児になりそうだわ。
■列車通過時の突風は台風直撃レベル
ホームの前には頑丈なドアが設置されてて、ベンチがいくつか並んでる。電車を待ってる人間は俺1人。
列車の通過時間が近づくと、駅員さんが地上から降りてきた。通過のさいに巻き起こる風があまりにも強すぎて危険なため、駅員さんがドアの開け閉めなど安全の確保をおこなっている。それがこの辺境駅に5人も駅員さんがいる理由なのだ。
実際、列車がとおるさい「ゴゴゴゴゴゴッ!!!」とすさまじい轟音が鳴り、暴風が吹きすさび、ドアがバンバン叩きつけられていた。台風襲来をおもわせる。
通過電車が行ってから、ホームに出てみた。全長11353mの頸城トンネル内にある。いやー、やっぱりトンネル駅は現実味が薄くって異空間って感じでキュンキュンくるなー。
数本に1本だけはここ筒石駅でも停止する。到着した列車に乗り込んで、筒石を去った。
土合駅のがスケールも見た目のインパクトもでかいけど、ここ筒石駅はシンプルでカワイイ駅舎も含めてまた違った良さがある。北陸本線に乗る機会があったら、途中下車してみて損はないよ!
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■「筒石駅」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:JR北陸本線
住所:新潟県糸魚川市大字仙納字大谷
電話番号:-
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定休日:-
予算:-
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