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はいはい、何度もしつこいですけど「瀬戸内国際芸術祭2013」について書きますよ。(しかも、これで終わりじゃないからね!)
8月17日~21日の5日間で直島・豊島・男木島・女木島・大島の5つの島を巡り、瀬戸内芸術祭をたいそう満喫してまいりました。行ったことある人ならば、この芸術祭がミラクル最強超新星爆発級に面白すぎることについて何の異存もないはずですが、「まだ行ってない」「遠いし迷ってる」という方へ、いったいなにがどうハイパーミラクル天上天下唯我独尊最強超新星爆発級に面白すぎるのかお伝えします。ライフハック記事っぽく3点にまとめてみました。
 

やばい。瀬戸内国際芸術祭、おもしろすぎ。まだ余韻を引きずっている。31年生きてきてイベントやらなんやら色々参加してきたけれど、一番おもしれえと言っても過言じゃない。こんな面白いものが世の中にあったのかよ、やばいよ、世の中。
念のため「瀬戸内国際芸術祭ってなに?」というところから説明すると

●瀬戸内海に浮かぶ島々を舞台に、3年に1度開催される芸術祭。2010年に第1回が開かれ、今年が2回目
●春(3月20日~4月21日)、夏(7月20日~9月1日)、秋(10月5日~11月4日)の3シーズンに分けて開催される
●「直島」「豊島」「女木島」「男木島」「小豆島」「大島」「犬島」「沙弥島」「本島」「高見島」「粟島」「伊吹島」の12の島々が参加している

ってな感じ。
高松駅すぐ近くの高松港からどこも20~40分で着くから利便性もよし。パスポート(4500円)を買えば、アート展示やら美術館をほとんどすべて追加料金無しで見てまわれるのだ。
ほんじゃ、以下になにが面白いのかまとめる。




おもしろヤバイ理由その1:「離島のなかで展開されてる」

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▲男木島

まず離島自体が好き。あの隔絶した空間で平然と生活が行われているだなんて想像するだに興奮する。だから漫画の「自殺島」も好きだし、「進撃の巨人」の壁で覆われた擬似離島感も好き。その好きな離島を巡る動機が与えられてるんだから、そんなのヤバイ。楽しすぎる。

島民がふつーに暮らしてる生活感まるだしの家の横の、なんてことねえ普通の家の中に、わけわかんねえものがあるのが、なんだか嬉しいのよ。ほくそ笑んじゃうのよ。日常と非日常がスレッスレまで近づいちゃってる感じがしてさ。



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こんな普通の家が展示スペースだったりする。



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中に入るとこんなだったり



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こんなだったりする。



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自然との融合も半端じゃない。荒れた山道の中腹にいきなりわけわかんねえものがある。いや、ほんとはわけ分かるんだろうけど、アートの素養も知識もないんでわけわかんないものも多い。でも、そのわかんねえものがあること自体が面白い。
上の写真の作品なんて、すさまじい急勾配の坂を登ったとこにいきなりある。足腰弱かったり、雨の日だったりしたら危ないんじゃないかって場所にあるんだけど、それが価値観だけじゃなく物理的にも「こちらのなにかが壊されてしまうのでは」というほんのちょぴっとのスリルにつながってドキドキする。



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▲豊島美術館のすぐ目の前の風景

で、自然も自然で負けてない。ぜんぜんアートに負けてない。なにこの、草、雲、海、空。ヤバイ。本気の自然のなかに本気の作品があると、作品も自然もどっちも引き立つ。シナジー効いてる。「自然ってすげえんだな」ってしみじみ再認識できる。



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訪れた日はすべて気温30度超え、日によっては35度を越えるカンカン照りの猛暑。
汗をダックダク流しながら2時間も3時間も自転車こいで島のあちこちを巡って見る行為は、冷房の効いた美術館のなかで作品を見る行為とは、なんだか別物に思える。「奴ら(作品たち)はエゴイスティックにこちらをマジで壊しにかかってるぞ」って感じ。疲れた体、弱った心にこそ新しい思想は染み込む。自己啓発セミナーがよくとる手法。たまらねえ。俺を壊してくれー。

巻き髪で高いヒールを履いた”ザ・女”って感じの2人組が汗まみれで疲労困憊の表情、ゾンビな状態でウロウロ徘徊してるのを見たときは、「瀬戸内国際芸術祭、あんたらの勝ちだー!」とスカッとした。


 

おもしろヤバイ理由その2:「普通なら入れないとこ入れる」

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▲男木学校の「ミラールーム(鏡の部屋)」


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▲男木学校の「移動に注意を要する教室」

会場となってるのが元廃屋だったり、元廃学校だったりする。こんな機会でもなきゃ入れないだろうってとこに入れる面白さよ…。ドラクエの主人公が民家にずかずか入って、タンス開けたり、つぼぶっ壊したりする行為に繋がってる。体験型の触れるアート展示も多いからね。冒険心がくすぐられるじゃないの。



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こんな感じで生徒たちの卒業制作が残されたままだったりする。あー、君たちの離島での青春はどんなだったんだー。そして今はどうしているんだー。妄想が膨らむ。膨らみまくる。
 
 


おもしろヤバイ理由その3:「島民がいたって普通に生活してる」

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島民はどこもやっぱり高齢者が多いんだけど、妙に浮き足立ったところがない。普段はさして観光客が訪れないだろう静かな島に、大挙して客がきてるってのに、ぜーんぜん生活の態度を変えてる様子がない。といって、拒絶するでもなく、ゆるやかに協力的。そのちょうどいいほったらかし感がすごく気持ちいい。よくこんな雰囲気作れたなあ。


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女木島の海岸では、地元の人たちが海水浴を楽しんでたりする。美術館での鑑賞だと作品をわざわざ観にきてる人ばっかりだから、やけにかしこまった雰囲気になりがちだけど、島での鑑賞は「アート?関係ねー。そんなことより泳ぎてー」ってな人がワラワラいて、むしろ自然。肩肘はらないですむ。 
あと、たくさんお客さんいるんだけど美術館の延長という感覚だからか、なんか素行がいい。極端にDQNな集団がいないので、たしょう混んでても心的ストレスは少ないのも良い。

とまあ、以上3点でござんした。
夏期は9月1日ともうすぐ終わっちゃうけど、秋期も10月5日~11月4日までやるんで、秋の小旅行の行き先決まっていなかったら、猛烈におすすめしたい。最高!ピース!
 

瀬戸内国際芸術祭 2010 作品記録集瀬戸内国際芸術祭 2010 作品記録集
北川フラム,瀬戸内国際芸術祭実行委員会,坂井基樹,佐藤恵美,竹見洋一郎[坂井編集企画事務所],美術出版社編集部,永峰美佳[永峰事務所]

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▲2013年も作品集でるかな。