
宮崎県の「高鍋大師」には、1人の男が50年間ちかく彫りつづけた石像が750体もあるのだ。でかいのだと7mのものも。ヘタウマの極地といった味のありすぎる作品群に圧倒された。

▲持田古墳群
宮崎駅から電車で30分ほど北上。高鍋駅に着いたら、そっから5km歩いて目的地に到着だ。
さらっと書いたけど5km歩きますからね、5km。だいたい1時間かかったわ。生活に困窮してコンビニの廃棄弁当を拾い食いしてるとか、歩くのが好きで好きで仕方ねえ脳内麻薬ドピュドピュって人以外はタクシー使ったほうが良いです。帰りも1時間歩くはめになるんで。
高鍋大師の周辺には持田古墳群ってのもあって、5世紀~6世紀にかけて築造された古墳が85基もあるんだな。写真のようにこんもりとした小山って感じ。そもそも高鍋大師は、古墳が盗掘されまくって、それに胸を痛めた岩岡保吉さんが古代人の霊を鎮めるため作ったのがきっかけなんだな。


高鍋大師の入り口を示す石柱。のっけから期待がふくらむ仕上がりだ。


階段を登りきると、とつじょ現れる巨大なハンドメイド仏像。高さ7m。
‥おいおい
‥おいおいおい
とんでもなく良いじゃねえか!子どものラクガキをそのまんま形にしたような、味のある仏像!
ご覧のとおりカタカナまじりで文字も刻まれてて、こちらの像は「十二めんやくし」だそう。「岩岡山七十五才のサク」とも刻まれてたから、このでっけえのを75才って高齢で作ったんだな。


横には「十一めんくわんのん」が。複雑な腕のポーズは彫れないようでピーンとまっすぐ伸ばしてるか、直角に曲がってるかのどっちか。良いなあ。ヘタウマの極地だなあ。

デカイのは後ろから鉄棒で支えられている。

▲小高い丘のうえに作られているのだ

▲石像以外にはなーんもないとこ
ここの作者・岩岡さんはもともと精米業をいとなむ商人。30歳のときに、四国八十八ケ所の巡礼をし、信仰心に火がついた。それから15年の歳月がたった昭和3年、彼が45才のときに、この地を手に入れ、いよいよ仏像つくりに着工。はじめはプロの石工を呼んで、石彫を学んだそうだ。
お亡くなりになる89才までの50年近く、ひたすら750体もの石像を彫りつづけた。
お亡くなりになる89才までの50年近く、ひたすら750体もの石像を彫りつづけた。

本堂に飾られてた、石像を彫る岩岡さんの写真。くー、かっけえ。憧れるわ、ほんと。
●本堂だってハンドメイドだ

巨大像に挟まれて本堂もあるよ。


折鶴だらけ。

やっぱりハンドメイドだ。

木魚だって手作り。直径1mぐらいある巨大なものだった。
さて、お次から気にいった石像をご紹介していこう。
■八十八箇所巡りゾーン

岩岡さんがまずてはじめに彫り始めたのが四国八十八箇所巡りの像。口に紅がさされてる。
■仏像

お地蔵さんかな。これもでかくて6mはあったな。


天上天下唯我独尊してるお釈迦さま。なんとも素朴な表情をしてるし、胸元が黒く縁取られている。なぜ胸元を。
■人

「たなべちずこ47才」だそうで。誰。

見ざる聞かざる言わざるの人バージョン。「ためにならんことはみんぬ人」でござい。手でっけえな、みんぬ人。

勲章を首からさげた誰か。
■変わった像

水戸黄門に格さん助さん。86才と最晩年の作品だね。

▲かぜのかみ

▲手を上げるひと
■動物

▲亀

▲ニワトリ

▲鶴?
■地獄

定番の地獄ゾーンもあるよ。こちらは閻魔大王。

金棒には「おにがあらわれた」とドラクエみたいな文句が刻まれている。

▲手をあげる子どもたち

▲賽の河原
とまあ、この調子で750体あるんだな。
50年かけてひたすら彫りつづけた執念が凄いし、彫られた石像の大きさも量も圧倒される。寺系の珍スポが好きな人ならマストなスポット。いやー、清清しい。
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■「高鍋大師」の情報■
オススメ度:★★★★★
アクセス:JR高鍋駅から徒歩50分(タクシー使うのが無難)
住所:宮崎県児湯郡高鍋町大字持田
電話番号:-
営業時間:なし
定休日:なし
予算:無料
関連サイト:宮崎観光遺産
ありがとうございます。
松澤さんがどんなコメントするのか、スゴイ楽しみでした。
またお待ちしてまーす。