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長崎県西彼杵半島のすぐ近くにある島。周囲4km。ぐるっと歩いて1周しても1時間ぐらいの小さな島なんだけど、なにがスゴイってとにかくもー廃墟だらけなのよ。2001年の炭鉱閉山にともなって、最盛期7000人近くいた住人が現在200人。だから100棟ほどあるアパートのほとんどがガラ空きなのだ。



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▲港から見た池島

池島は長崎駅の左上のほうに浮かんでる離島。神浦港、瀬戸港からも便が出てるんだけど、どちらも車がないとリーチが不便な場所。というわけで駅近の佐世保港から高速船でむかった。所要時間は1時間ほど。その名の通り、高速船はやっ。1日に2便しかないから朝7時22分に出発して、16時9分の便で帰る。
周囲4kmの小さな、それも廃炭鉱しかない島に9時間もいるの大丈夫かな、って不安だったけど杞憂にすぎませんでした。楽しみきりました。



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高速船をおりると右手に、小さな島には似つかわしくない4階建てアパートがポコポコと10棟以上ある。
というのも、ここ池島は”炭鉱の島”として栄えたところ。最盛期はなんと7000人がこの周囲4kmの島にひしめいていたのだ。ほとんどが採掘関係者だったので、2001年に閉山してからは住人220名まで激減。
なにせ35分の1に減ったわけですからね、アパートのほとんどが空き家と化してるわけです。



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▲炭鉱へと続くトロッコ線路

坑道は90kmを超える。立ち入り禁止になってるんだけど、事前予約しておけば見学も可能。現地についてそれ知ったんだよなあ、しまった、見たかったなー。






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むきだしの配管もそのまんま。格好いい。



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▲トリンマー(石炭船積み機)

トリンマーと呼ばれる石炭を船に積みこむ機械も残っている。
島全体が石炭採掘に特化してる印象。合理的なものは美しいなー。



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空き地にはドラム感や機械などがおかれていた。




ブイアート

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ブイをつかったアート作品も。このドラミちゃんは道具を悪用しそうだ。




ショッピングセンター

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港周辺で営業してる唯一の雑貨屋。手書きで「港ショッピングセンター」と書かれている。巨大な薄暗い建物の一角でジュースや食料品などを販売していた。




旧社屋

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海沿いの道を住居方向へと歩く。道路の一部が崩壊していた。



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頭上に「御安全に」の看板をかかげた階段を下りると、炭鉱事業をひっぱった三井松島産業の旧社屋がある。近くまで行こうとしたけど、階段は草茂り、巨大なくもの巣が張られまくっていて断念。




猫がいっぱい

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▲港にいた猫

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▲道路で寝ていた猫

島内を歩いているといたるところに猫がいた。警戒心も薄く、揃いも揃ってみんなぐーぐー寝てた。




住宅街

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港から30分ほど歩くと、そこは三井松島産業の従業員たちが住んでいたマンションがずらっと並んでいる。これだけ多くの住居がありながら、一帯は静まりかえり、ほとんど人もいないので異様な雰囲気だ。
洗濯物が干されていたりと住んでる気配を感じるのは、1棟に1室ぐらい。誰も住んでなくて完全に廃墟となってるマンションも多い。そういったところは入り口が封鎖されている。
なによりもお化けを恐れ、クロユリ団地見ちまった俺には絶対住めないとこだな、ここ。



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配水管なのだろうか、住宅街には管が張り巡らされている。スチームパンクな世界観も感じる。



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閉山から12年の歳月をへて、植物が住宅を食いはじめている。



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廊下も見てみたいところだが、そこにアプローチする道が藪で遮られて辿りつけない。



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マンションだけでなく道のほうにも植物は伸びてきている。
7000人にむけて作られた集落だから、そのほとんどが高齢者の住人200名ではとてもメンテナンスしきれないのだろう。



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人工物が自然に飲むこまれていく過程は、ラピュタともののけ姫なんかのジブリ作品を彷彿とさせる。



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こんな昔ながらの木造電柱もたっていた。



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庭を区切る柵が錆び、朽ち果てている。



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窓のむこうのチャーーミーや手作りの郵便受けが、過去の生活を匂わせる。



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誰も遊ぶことがなくなった公園のブランコ。



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マンションやホテルなどの一般的な巨大廃墟となにより異なるのが、いまなお人が生活している点(まぁ、その時点で正確には廃墟じゃないけど)。20世帯以上住めるデカいマンションの一室だけが現役、その他は空き家という光景は、なかなかよそで見れる光景ではなく、不思議な違和感を覚える。




小・中学校の生徒数は6名だよ

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体育館が2つもあり、校舎も大きく立派な小学校兼中学校。これだけの設備がありながら、なんと生徒数6名。地方の学校なら有り得る数字だけど、建物とのギャップが半端じゃない。というのも、この学校、最盛期は生徒数が1000人を超えてたからなんだな。
うーむ、すごい。この島はどこもかしかも、建物と利用者数のスケールギャップが強烈すぎる。



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壁には卒業生によるイラストが描かれていた。ヌード?




かつて繁華街だった場所

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かつてメインストリートだった場所。島がにぎわっていた当時はこの並びに理容店などたくさんのテナントが入っていたそうだ。ここ最近、滋賀県のショッピングモール「ピエリ守山」のガラガラっぷりが話題になっているが、負けず劣らずの状況。



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こういう状況でも一軒だけ普通に営業しているのが、池島のスゴイとこ。雑貨屋さんだろうか、なかからはテレビの音が聞こえてきた。




工場

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島内にはちらほらと廃工場もあるので、工場萌えなかたがたにもきっとご満足いただけるだろう。




唯一の食堂で野菜炒めを食べた

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「池島総合食料品センター」という大仰なネーミングをした場所が、島で唯一ご飯の食べれるとこ。
会議室のような場所で、レジの前にこれまた会議につかえそうな机と椅子が並べられている。



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▲おにぎり100円+野菜炒め550円

元気なおばあちゃん2人が運営をしていた。俺好みな濃い味付けでおいしかった。郵便配達の人が休んでいたり、少年が買い物にきたりと島民の憩いの場のようだ。
最近は「社会科見学を100倍楽しむ本」の著者である小島さんがネットでの広報活動を推進していて「東京や大阪からの観光客がすごく増えてるよ。たいてい1泊して、3食ここで食べるの」と店のおばあちゃんが言っていた。
なるほどー、そういう通の人が街おこしに参入してるんなら、近い将来、ここの人気は爆発しそうだなー。
(サイト:九州最後の炭鉱「池島」


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▲この本を書いてる方が、島の広報に参与してるんですね。




唯一の宿泊施設

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島の唯一の宿泊施設「池島中央会館」。素泊まり3290円。
最大収容人数は15名ほどなので、団体客が来ると満員で泊まれないこともあるそうだ。確実に宿泊したいばあいは事前連絡をしておこう。



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調理室は、学校の理科実験室みたいな雰囲気だ。友達と泊まったら、すげー楽しそう。




八階建てビル

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池島にきたら是非見てほしいのが、こちら8階建てマンション。



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なんとも変わった造型をしている。普通8階建てともなればエレベーターをつけるものだが、このマンションにはないそうだ。その代わりに、横一線の渡し廊下がついている。マンション後ろの高台が、渡し廊下に繋がっており、一気に5階に行けるんだとか。知恵だねえ。



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おなじく長崎の廃墟島といえば『軍艦島』が有名だが、あちらは完全に無人。厳しい立ち入り制限がされていて、動ける範囲がかなり狭い。うってかわって池島は、一部の立入禁止場所はあるものの、ほとんど自由に散策できる。
事前予約しておけば炭鉱内の見学もできるし、近い将来、軍艦島より人気スポットになるんじゃないかな、ここ。宿泊可能人数も限られてるし、人気が過熱するまえに行っといた方が良いですよ!マジでオススメなんで。

絶対再訪しよ。こういうの好きな友人と泊りがけで行って、夜中うろついてみたい。富士急グループがココ使って巨大な戦慄迷宮作ってくれないかなー。


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▲こういうのが好きな人なら間違いなく刺さる島!







「池島」の情報
オススメ度:★★★★★
アクセス:佐世保港・瀬戸湾・神浦港からフェリー
住所:長崎県長崎市池島町
電話番号:-
営業時間:-
定休日:-
予算:-
関連サイト:九州最後の炭鉱「池島」より