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「赤羽霊園」は墓場じゃあない。赤羽駅にあるお化け屋敷風居酒屋である。
昨今ではロックアップやアルカトラズERなど、似たようなコンセプトの飲み屋があちこちにあるが、その先駆けにして、唯一無二の空気感をまとった存在。



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赤羽駅から歩いて10分ほど、スナックや飲み屋が乱立している地帯に「赤羽霊園」はございます。ごちゃごちゃとなにやらたくさん吊るされてるから、遠目にもすぐに分かる店構え。
似たようなコンセプトの居酒屋、ロックアップやらアルカトラズERとはまるで異なる、洗練を拒んだ剥き出しのエンターテイメント精神を感じる。すでに営業をはじめて20年ほど。この手のジャンルのパイオニアと言えよう。



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釣竿にかかったお化けのキャスパー。良くしなっている。彼が着用してるハッピにはデカデカと「祭」の文字が。お化けの怖さをめでたさで相殺。



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大量に貼りつけられたジェイソンとスクリームの仮面が、恐怖を演出!



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看板にはお化け屋敷居酒屋の文字と書かれている。
その下には

★天空より生首落下、君は耐えられるか?

と、さっそくのネタバレも。



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こんなセールス文句も書かれていた。

衝撃!お化け屋敷初 仕掛け導入

お化け屋敷初の仕掛けがあるそうだ。これは期待が膨らむではないか。



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「コミック居酒屋」とまるっきり別コンセプトが書かれた入口を開けると、さらにもう1つ扉がある。2重扉だ。そこには「興味本位でのぞく方には1000円もらいうけます」との警告が書かれ、鍵がかかっている。なんてセキュリティーのしっかりした飲み屋なのだろう。




店内はむちゃくちゃ薄暗い

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予約していたわけでなく、飛び込みで入ったにもかかわらず、入店するなり「待っていたよ」と囁かれ、旅立ち前の勇者の気分に。そして、また入口に鍵をかけた。戸締りは万全だ。

お化け屋敷ということで店内はむちゃくちゃ薄暗い。テーブルが3つにカウンター4席とこじんまりとしていて、居酒屋というよりスナックといった印象。有線で「サマーヌード」が流れていて、怖いんだかポップなんだか、訳の分からない空間が出来上がっている。
カウンターには、常連さんとおぼしき女性や会社員がいて、マスターと雑談しながら飲んでいた。日常使いする地元民と、僕らのような物見遊山な客が入り混じる、不思議な飲み屋、それが赤羽霊園。



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お値段は明朗会計、2時間飲み放題で男性2500円・女性2000円。柿ピーもついてくる。
カラオケも歌い放題で、入店5分もしないうちに「曲名言って」とマイクを渡された。まだ全貌を把握してないし、酔ってもないので、「いやー、もうちょっとしたら」とはぐらかしていたら、店内に響きわたらん大音量で「早く歌いなさいよ!」と催促をされた。どうやら壁かどこかにスピーカーが仕込んであって、そこから仕込みのSEが流れる仕組みらしい。
YUKIかももクロかエビ中くらいしかレパートリーがないので、結局、なんのかんのと最後の最後まで歌わなかったのだが、都合3回「早く歌いなさいよ!」と叱咤されてしまった。こういう時のための鉄板な1曲を身につけたいと、切に思った。




天空からお化けが落下する

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席に座り、カラオケのやりとりを経て、酒を飲みはじめるやいなや、いきなり、頭上のガイコツがドシーン!と落ちてきた。看板でネタは割れていたものの、ビックリ遺伝子を有してる私は「ギャーっ!」と大声を出してしまった。カウンターの奥でマスターが操作しているようなのだが、まるで素知らぬ顔。表情をいっさい変えない。

その後もことあるごとに天井から壁が落ちてきたり、天井から生首が落ちてきたり、とにかく天井からありとあらゆるものが落ちに落ちる。仕掛けの8割が、いや9割が、天井から何かが落ちてくるというものだ。
ほどなくしていると、常連さんがEXILEを歌いはじめたのだが、誰かが歌っていようがなんだろうが、おかまいなく落とす落とす。ドシーン!ガラガラガラっ!という音で、歌がかき消されるが、落とすことをやめることはない。マスターもマスターで、落としたあとに、余計なことはいっさい何も言わない。ただ淡々と落とす。これぞ20年の年月を経た、プロの落とし芸である。



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壁にとりつけられたロン毛のガイコツは、終始ぶるぶる震えていた。酒を飲み終えてはブルブル、注文を頼んではブルブル。最初のうちは「うわっ!」と驚くものの、あまりにも高頻度なブルつきに、後半は日常風景と化した。彼には、MVPを授与したい。




妖怪メニューを頼んでみた

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別途500円を払えば、妖怪メニューも注文できる。
妖怪の干し肉、目玉親父などおどろおどろしいメニューのなかに、一品だけ韓国チヂミと普通のメニューが混ざっている。「なんで韓国チヂミだけそのまんまなんですか?」と尋ねたところ、「自信があるから」と返答。迷ったら韓国チヂミを注文しよう。



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▲ぬりかべ 500円

どれもこれも魅力的だがゲゲゲの鬼太郎時代から好きだった、ぬりかべを注文してみた。
豆腐。圧倒的に豆腐である。豆腐一丁にネギとかつおぶしとノリで、ぬりかべを表現していた。

2時間たっぷり楽しんで、お会計。1万円で払ったところ、「ごめん、○○さん、2千円ある?」と常連さんから千円札を借りていた。アットホームで、かつ、落ちまくる居酒屋「赤羽霊園」。猛烈にオススメである。


東京都北区赤羽 4 (GAコミックススペシャル)東京都北区赤羽 4 (GAコミックススペシャル)
清野とおる

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赤羽霊園がでてくる巻。
このマンガ、当ブログ読んでる人なら絶対に好きだから、ぜひ読んでみて!超面白いよ!







「赤羽霊園」の情報
オススメ度  ★★★★☆ 
アクセス  京浜東北線「赤羽駅」から徒歩10分 
住所  東京都北区赤羽1-35-8
電話番号  03-3902-5060
営業時間  19:00~
定休日  日曜 
予算  男2500円女2000円(飲み放題) 
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