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世にも珍しい”市営”の流しそうめん屋が、鹿児島県指宿市に存在している。
流しそうめんの専門店ってだけで、まず1つ珍しいのに、さらに指宿市営だってんだから、合わせて2珍しですわ。



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世にも珍奇な市営の流しそうめん専門店があるのは、鹿児島県指宿市。九州の一番下の下、ぴょこんと突き出た左端の半島の先っぽという、『東京別視点ガイド』が想定する読者層がもっともリーチしにくかろう場所にある。最寄りの開聞駅からレンタルサイクルで20分ぐらいかかる。
道々に上記写真のような看板が立っていて、どうやら本当に市営らしい。



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さすがは市営ということで、立派な門構えをしている。



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そもそも「なんで指宿市が流しそうめん専門店の運営してるの?」と疑問でございましょ。その謎の鍵は、井上氏が握っている。彼は昭和43年から8年間、開聞町の町長を勤めた人なんだけど、同時に流しそうめんマシーンの開発者でもあったのだ。で、町おこしに自らの発明品を使おうじゃないかと、流しそうめん専門店をオープンしたのがきっかけで、今に至るんだとか。




店内はむちゃくちゃ広い!池で魚が泳いでる!

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店内はとにかくだだっ広い。



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なんせ店のなかに神社もあれば、池もあるんだから。数百匹の淡水魚がゆうゆう泳いでる。市、というものはこんなにも力を有しているのか。



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好きなメニューの食券を買ってから席につく、松屋方式。



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基本は4つの定食だが、いずれにも流しそうめんがついてくる。なんて清涼感溢れるメニュー表だろうか。
ちょいと豪勢に、鯉こく、鯉のあらいがプラスされたA定食1600円を注文してみた。



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で、好きな席に座るわけなんだけど、とにかくまー、席数が多いんだ。
流しそうめんマシーンの乗っかったテーブルでフロアーが埋め尽くされてるからね。



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見渡す限り、流しそうめん、流しそうめん、流しそうめん‥。ざっと150台ぐらいはあるんじゃないかな。
まあ、当然ちゃあ当然なんだけど、家族連れやカップルといった団体さんばかり、1人客は俺だけだったかも。一人カラオケ、一人遊園地などなど数々のおひとりさま行動をこなしてきたが、ここにまた一人流しそうめんという偉業を成し遂げた。



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一人行動の定番ポジションである、なるべく隅っこに腰を下ろす。人がいようがいまいが、席の上のそうめんマシーンはぐるぐるぐるぐる回っていた。
流れる水を我を忘れて眺めていたら、ほどなくしてメニューが運ばれてきた。



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▲鯉のあらい

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▲マスの塩焼き

鯉のあらい、鯉こく、マスの塩焼きがじゃんじゃん運ばれ、一気に華やぐテーブル。ちびちびつまみながら主役のそうめんを待つ。




一人流しそうめんの開幕だ

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主役のそうめんは、中央のそうめん置きにセットし



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水に入れて



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流して



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すくって



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食う



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水に入れて



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流して



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すくって



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食う。


これを淡々と、プログラミングされたロボットアームのごとく、20セット繰り返し、食事を終えた。
流しそうめん最大の盛りあがりポイントである「水に入れて→流して→すくう」というくだりが、1人であるとなんの意味もなさず、穴を掘ってその穴を埋めるという精神崩壊を狙った単純作業に近いものと化す。「流しそうめん専門店は2人以上で行くべきであるなあ」と気づかされた。







「市営ながしそうめん」の情報
オススメ度:★★★★☆
アクセス:JR指宿枕崎線「開聞駅」から徒歩30分
住所:鹿児島県指宿市開聞十町5967
電話番号:0993-32-2143
営業時間:10:00~17:00
定休日:無休
予算:A定食1600円
関連サイト:ぐるなび