
都内からたったの2時間、電車賃1000円程度で行けるブラジルがあるのをご存知だろうか?
場所は群馬県大泉町。東武小泉線「西小泉駅」を降りたら、ポルトガル語だらけのブラジルタウンなのだ。

▲東武小泉線の西小泉駅
群馬県邑楽郡大泉町は、人口の15%ほどがブラジルやペルーといった南米からの移住者で構成されている。そのため、大泉町は「ブラジルタウン」と呼ばれているのだ。電気製品・自動車などの工場で働いてるそうだ。
都内からも2時間ほどでアクセス可能。東武スカイツリーラインでひとまず館林駅まで出て、そこから東武小泉線なるローカル線に乗りこんで、終点の西小泉駅で降りれば、そこはもうブラジル。
というか、小泉線に乗り込んだ時点で、乗客のほとんどが外人さんばっかりだからね。
というか、小泉線に乗り込んだ時点で、乗客のほとんどが外人さんばっかりだからね。

さっそく駅の柱に、ポルトガル語表記の看板が取りつけられてるんだけど、なんのことやら分からない。

駅前にある、なんてことない小さな雑貨屋さん、宮城商店。
近づいてみると‥。

本棚に並んでいるのは、ブラジル語の雑誌にブラジル語の新聞だ。

自販機では国際電話カードが売られているぞ。

よそじゃ見かけないインスタントラーメンだとか

これまた見覚えのないデザートが売られている。
なんだろ、ういろうみたいな物なのかな。

お菓子を買ったんだけど、レシートだって南米仕立て。
モヒカンめいたトサカをひっつけた、陽気なニワトリがプリントされてるのだ。

お店で買った、謎の丸っこいお菓子。地味な佇まいなので、仏壇に供えたらしっくりきそう。
かじってみると、まわりの白いのは粉砂糖で、なかはチョコパイのようなものだった。むっちゃくちゃ甘いし、油っぽいんだけど、けっこうイケる。が、仏壇のお供えものには向いてない。

今度こそ、なんてことない八百屋さんだろうと、近づいてみると‥。

表記がやっぱりポルトガル語。
カボチャってABOBORAって言うんだね、なんか濁点多くて強そう。中ボスっぽいな。


大通りを歩くと、あっちこっちにブラジル国旗のデザインが掲げられているのだ。

ブラジリアンワックスってどんなワックスなんだろう。
サンバ踊ってる女の人の肌って、テカテカしてて艶かしいけど、ああいう質感を演出できるのだろうか。

大通りに面して、タトゥー屋さんが3件もあった。美容室感覚でポンポンポンと。入口が全面ガラス張りだし、日本のファッションタトゥーよりさらに開けた印象。欠かせないものなんだなあ。

スナックやパブも多くって、小さなお店が点在してる。
ブラジルタウンながらフィリピンパブもあったよ。
●ブラジリアンプラザでコーヒーをご馳走してくれた

大通りから一本脇にそれたとこにあるブラジリアンプラザ。
1階が雑貨売り場兼オフィス、2階がフードコートとなっている。
サッカーのブラジル戦が放送されるときは、ここに集まって応援するんだとか。

店内に入ると、意外なことに演歌が流れていた。
行ったの、実は8月だったんだけど、メリークリスマスとの展示がしてあったよ。

サンバの顔出しパネルだって、2種類も用意されてる。
背筋を伸ばした威嚇タイプと、腰を落とした重心安定タイプだ。

肝心の売り物は、布全体に「JAPAN」とプリントされまくった帽子とか‥
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布全体に「TOKYO」とプリントされたカバンなどが売られている。
こ、これ、売れるのかよ!?

ザお土産って感じのペナントも取り揃えている。その他はテレビやパソコンといった電化製品も置いていた。平日の真っ昼間ということもあってか、客は僕1人。
店内を物色していると、レジに立ってた日本人のおばちゃんが「どこから来たの?」と声をかけてくれた。
話してみるとどうやら店長さんらしい。「もうあんまり売れない。ペナントも売れない。どうしようかと思ってる」といきなり店の業績について打ち明けてくれた。胸襟を開くスピードの早さも南米流であろうか。
「ちょっと待ってね、飲み物あげるから」と奥の事務所に消えるおばちゃん。なにぶん伺ったのは8月の猛暑日。汗をだくだく流しながら話していたので、気をつかって冷たい麦茶でもくれるのだろうか、と思っていたら、持ってきたのは、淹れたて熱々のコーヒーだった。さすがブラジルタウン。
【ブラジリアンプラザ】
住所:大泉町西小泉4-11-22/営業時間:10:00~20:00/定休日:月
●レストラン「ブラジル」でランチを堪能した

町を散策して、小腹が空いてきたので、ブラジル料理専門レストランへ。
店名はいたってストレートで「ブラジル」。外壁の色も、黄色と緑のブラジルカラーだ。
ドラマ「孤独のグルメ」でも取り上げられたお店なんだとか。

ランチタイムは800円でセットメニューが食べられて、すっごいお得。
ビステカ、エスペットミストなどなど耳慣れない料理名が並んでいるぞ。

▲コメルシャル 800円
「ブラジルで一番一般的な料理」と書かれていたコメルシャルを注文してみた。
大きめな肉に目玉焼きとサラダ、そして、お汁粉のようなものが付いてるセットだ。

この一見、お汁粉みたいなタレがコメルシャル。
金時豆を塩煮したものなんだって。

こんなふうに、カレーみたいにご飯にかけて食べるそうだ。
甘そうな見た目とは裏腹に、口にふくむと実に肉々しい風味。ソーセージによく似た燻製肉の味がして、むちゃくちゃご飯によく合うのだ。うーん、この塩梅の料理、日本にはないわ。
【ブラジリアンプラザ】
住所:大泉町西小泉5-5-3/[月~金]11:00~15:00、17:30~22:00[土日] 12:00~22:00/定休:水
【ブラジリアンプラザ】
住所:大泉町西小泉5-5-3/[月~金]11:00~15:00、17:30~22:00[土日] 12:00~22:00/定休:水
観光して、ショッピングして、食事して、1日ブラジルを堪能できる面白い町であった。
都内からでも2時間、電車賃1000円程度で行けちゃうから、週末ぷらっと気軽に行ってみてはいかがでしょうね。
■「ブラジルタウン大泉町」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:東武小泉線「西小泉駅」付近
住所:群馬県大泉町あたり
電話番号:-
営業時間:-
定休日:-
予算:-
関連サイト:デイリーポータルZ、日本DEEP案内