
国宝・彦根城がそびえたつ滋賀県彦根駅。この駅にはもう1つ、観光ガイドには載らないお城があるのをご存知だろうか。
その名は、佐和山城。
石田三成リスペクトなおじいさんが、40年の歳月をかけて作り上げたハンドメイドなお城なのだ。

▲佐和山遊園
国宝・彦根城がある滋賀県彦根駅には、もう1つ、僕ら好みなお城があるのをご存知だろうか。
その名は「佐和山城」。不動産や飲食店などで成功したおじいさんが、40年の歳月をかけ、個人的に作っちゃったお城なのだ。城といくつかの建造物をあわせ「佐和山遊園」と呼ばれている。
やっぱりテーマパークは、1人でちくちく作ったものが最高ですなあ~。
もともと佐和山は、戦国時代に石田三成が治めていた城下町。
遊具や資料館もそなえたテーマパークとしてオープンする予定だったんだけど、なにぶん個人で作ってるもんだから、いまだに完成してないんだとか。入場料を取ってた時期もあるそうだが、現在は無料公開しているよ。
彦根駅前で地元のおっちゃんに「佐和山遊園ってどこにありますか?」と尋ねたら、「佐和山遊園??ああ、あの変なのか。国道8号出たら、城みたいのが見えるよ。」との解答。
地元の人は、佐和山遊園ではなく『あの変なの』、佐和山城ではなく『城みたいの』で認識しているようだ。

さあ、この入口をくぐって、めくるめく佐和山ワールドに浸ろうではないか。
■山門

園内にはいると、まず現れるのが、城下町へと通じる山門。
「へー、わりとしっかり出来てるなあ」とか感心しながら、近づいてみると‥

▲金剛力士像の阿形

▲金剛力士像の吽形
おおっ、金剛力士像がごまかしようもなく手づくりクオリティー!
体が薄っぺらいし、マンガのモブキャラみたいに存在感が希薄!素晴らしい!

門の裏側には、十二神将かな、鎧をまとった像が立ってるんだけど‥。

タラコ唇で、完全に浜田雅功フェイスなんだなあ。

柱には狛犬だろうか、なんか生き物がついてんだけど、まあ、そいつのユルいこと、ユルいこと。

佐和山城の模型もあるんだけど、震える手で書いたようなフォントが人間臭いわ。
■池

園内には、池もあって、作り物のカモが浮いてるんだけど‥

これがまたぼんやりした再現度で、たいへん素晴らしい。
いい塩梅に藻が浮いてて、印象派の絵画みたいになってるよ。

池のほとりでは、ほっかむりした謎の男が歯車を持っている。
■仏像郡

池を通りすぎると、石畳の通路が現れる。どういうわけか、緑色に塗られている。

仏さまたちは、リクライニングシートよろしく斜めに腰かけている。


仏の真向かいには、バイオリンを弾く女性像。
まるっきり統一されてない世界感がダイナミックである。
■金ピカの寺

石田三成が作ったとされる「瑞岳寺本堂」も再現されている。

外装は金ピカ。
さすがに本物の金というわけでなく、アクリル板に金色のシートを張ってるみたいね。

柱がけっこうヘビーに焦げてたんだけど、ボヤでもおこったんだろうか。
■佐和山城

そんでもって、こちらが佐和山城。
さすがに城を1人でメンテナンスするのは無理があるのか、ところどころ外装がはげてたり、草が生い茂ったりしているんだけど、けっこうちゃんと城の形状してる。

「けっこうちゃんと城だなあ」と感心しながら、入口に近づくと、なぜかそびえたつヴィーナスの誕生。
よく言えば和洋折衷。

城の内部は、オーナーの自作アートが飾った美術館となっている。
照明が家庭用の蛍光灯なので、美術館ながら、おうちの居間みたいなムードだ。

床には割れたガラスが散乱していたので、注意しながら歩こう。

なんか腕長いし、顔ちっさすぎね?
まず壺を作っちゃって、まわりをそのサイズに合わせたのだろうか。

ふんにょりした肘関節、ぽっかり口を開いたダッチワイフ顔がチャームポイント。

馬にまたがる石田三成の前をかためるのは、軍師でも近習でもなく、ミロのヴィーナス。
●まだまだ建築中だ

一部施設は足場が組まれていて、いまなお建造中であった。
40年かけていまだ完成をみない佐和山遊園は、日本のサグラダファミリアといえよう。
■「佐和山遊園」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:「彦根駅」から徒歩12分
住所:滋賀県彦根市古沢町1156
電話番号:-
営業時間:とくになし
定休日:-
予算:無料
関連サイト:Wikipedia、デイリーポータルZ