
JR鶴見線「国道駅」は横浜のほど近くにある駅にも関わらず、信じられないぐらい昭和の空気が漂っている。
外壁に残る機銃掃射痕、カウンターだけの焼き鳥屋、と見所が多い。

▲JR鶴見線「国道駅」
JR鶴見線の国道駅は、その名のとおり、国道15号線沿いにある。
昭和のムードをびんびんに残したガード下は、黒澤明「野良犬」など映画のロケ地としてもしばしば使われているのだ。

外壁には、機関銃が打ち込まれた痕もボツボツと残っている。第二次大戦中、横浜大空襲のさいにつけられたものだとか。現在は崩落防止のため、ネットが張られている。


横浜からほど近い駅とは、到底思えぬ薄暗くって、うら寂しいガード下。
長さ100mほどの空間に、十数件の建物が並んでいる。

しかし、そのほとんどが無人の住居。表面にベニア板が打ち込まれ、出入り出来ないようになっている。

足元に、小さな扉を設けているところも。錠がかかっていた。


ベニアでガードしてないとこは、いまも人が住んでいるのだろうか。駅の目の前で、ガード下という、なかなかのレア物件だが、賃料が気になる。

時代を感じさせる不動産屋の看板。営業はしてないが、住宅としていまなお利用しているようだ。

唯一営業しているお店が、焼き鳥屋「国道下」。
駅の名前もそうだけど、この店もネーミングセンスがものすげえ直球だ。

店内はカウンターだけで10席ほど。一杯ひっかけたいところだが、平日昼間過ぎにも関わらず、ギュウギュウの満員。地元のおっちゃんたちの溜まり場のようだ。
せめて焼き鳥だけでも食ってこうと、持ち帰りで2本焼いてもらう。

▲1串50円の焼き鳥
レバーとこめかみをタレで焼いてもらう。お値段は1串たったの50円だ。

焼き鳥で腹ごしらえを済ませ、ホームに上がってみることにした。
それほど利用客の多い駅ではないので、券売機は1つ。

まるで地方のローカル線みたいな、簡素極まりない改札口。しかも、無人駅だ。

券売機には「鳩の糞にご注意ください」との張り紙がされている。

実際天井を見上げてみると、ハトではないけれど、雀の巣が2つもあった。

鳥の糞害を少しでも減らそうと、カラスのかかしがあちこちに吊り下げられている。

が、どうやらあまり効果は無いみたい。階段の手すりは、糞まみれだった。

ホームまであがってしまえば、さきほどまでの昭和ムードも特に無くって、普通の駅だ。

糞害といえば、トイレもなかなかのレトロっぷり。コンクリ打ちっぱなしの無骨な床で、ところどころペンキが剥がれ落ちている。便器本体には、いちおうモザイクかけておいた。

小便器の横には、謎の扉が付いている。横向きにならなきゃ通れないぐらい、異常に細長い。


反対側に抜けると、かなり大胆な引っ張り方をしている電線を発見した。

ガードレールに沿って、川の方へ歩くと、トタン造りの住宅が数件並んでいる。


ガードレールの形にぴたりと合わせた設計が、ジグソーパズルのようであった。
■「国道駅」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:鶴見線「国道駅」
住所:神奈川県横浜市鶴見区生麦五丁目12-14
電話番号:‐
営業時間:‐
定休日:‐
予算:‐
関連サイト:ウィキ
(現在は普通のメイクで活動)タレントあじゃの実家がこんなだな