沖縄を代表する観光スポット・美ら海水族館。
そのすぐ近くに「古代文明アート歴史車博物館しゃこ」なる要素が詰め込まれすぎた個人博物館があるのをご存知だろうか。
博物館というより、ガレージなんだけどね。
沖縄の観光地といえば、真っ先にあがるのが「美ら海水族館」でしょう。老いも若きも男も女も、美ら海には行くっしょ。でっけえジンベイ鮫が泳いでるとこ、見たいもん。
今回の記事では、美ら海水族館に行ったさい、ぜひとも立ち寄っていただきたい、隠れた観光スポットをご紹介しようと思う。
ジャーン!
ここだよ!
このトタン造りのプレハブ小屋が、オススメの隠れ観光スポットだよ!
この場所の名称は、記事によってバラバラで
・古代文明車博物館しゃこ
とか
・古代おもしろ博物館しゃこ
とか明記してるものもあれば
・古代文明アート歴史車博物館しゃこ
とむちゃくちゃ要素が詰め込まれた名前で呼んでるものもある。
「コレ!」という公式見解は、いまのところ無いみたいなので、当サイトでは「古代文明アート歴史車博物館しゃこ」と呼ぶことにしよう。
”しゃこ”の部分はシャコ貝って意味じゃなくって、”車庫”のこと。もともとは車の博物館だったのだが、古代文明方向にも多角化したらしい。
魅惑的な外観をパシャパシャ撮影していたら、館内から50~60歳の館長さんが出てきてくれた。
休日の昼間という、観光スポットにとって、かき入れ時の来店だったのだが、館長さんは「え?ウソ?客来た??」とビックリしていた。
入場料は大人300円だ。
館内は、まさに車庫。
手前に骨董品が置かれ、奥にクラシックカーが停めてある。
車庫とは言っても、車だけで10数台あるから、けっこう広い。
館主いわく「宋の時代や明の時代の貴重な品々」とのことなんだけど、壺もオブジェもお皿も極めてラフに置いてある。「どっかで見たことある陳列スタイルだな~」と思っていたのだが、そうだ、秋葉原のジャンク品突っ込んでるカゴだわ。
しかし、なかには、施錠された金網のむこうで、厳重保管されているものも。
金網が足りてない上部は、有刺鉄線でガードだ。
求めれば、館長さんは1つ1つ骨董品の由来を教えてくれる。中国の蚤の市で仕入れたものが多いそうだ。
館長さんは若い頃、このでっけえクラシックカーで日本中を旅してたそうだ。
これは、わりと最近まで日常使いしてた車なんだって。
なんだ、このカバー。外観とかけ離れた可愛いやつ、かぶせてんな。
1990年、オープンしたてのアルバムも見せてもらった。
キレイな館内で、イケてるお客さんもたくさん来ている。車の台数も今よりもはるかに多い。
「車、だいぶ少なくなってますけど、どうしたんですか?」と尋ねたところ「15年前くらいから陶器に目覚めてさ、30台以上あったけど半分売ったの。その金でツボとか買ったの」とのこと。
なるほど、なるほど、その頃合に”車博物館しゃこ”から”古代文明アート歴史車博物館しゃこ”へとパワーアップしたんだね。
「美ら海水族館のお客さん、こっちに流れて来ます?」と聞いたら、ものすごい間があって「…………うん」とうなづいた。
皆さん、これ以上車を売らなくて済むためにも、美ら海ついでに立ち寄ってあげてください。車なら5分で着くんで。
アルバムを巡り、輝かしき時代を眺めていると、館長さんは消防車の方へふらりと行ってしまった。
ボンネットをごそごそと探り、ダンボール箱を取り出して、大切そうに抱えてきた。
開けると、なかには、1つのツボ。
この博物館で一番貴重な白磁の壺で1億円はくだらないそうだ。中国の蚤の市で見つけたらしい。
うむ。
うむうむ。
別れ際、館長さんが2001年に自費出版した「青の聖書マイウェイ」なる小説を持たせてくれた。作者の式青人は、館長さんのペンネームだ。
全76ページの冒険譚。ざっくりあらすじを説明すると、主人公ムサシがマリリンモンローを自殺に追い込んだり、ひょんなことから岡本太郎と出会ったり、保険金殺人に巻き込まれたりする奇想天外な物語である。
読みたい方は、この夏、「古代文明博物館しゃこ」にGO!GO!
■「車庫」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:名護から車で30分ぐらい
住所:沖縄県国頭郡本部町字山川467
電話番号:0980-48-2674
営業時間:09:00~17:00(一応の目安)
定休日:特になし
予算:入館料300円
関連サイト:DEE沖縄