
群馬県・高崎駅から国道18号線をちょいと走ったとこに、最高な外観のドライブインがある。
その名は「飯島屋」。監視カメラと窃盗犯への警告文で埋め尽くされてるパンチが効いた店なんだな。

群馬県・高崎駅から軽井沢方向へ国道18号線を走っていると、ひときわ目を引くサビッサビの看板。ロゼッタストーンよろしく描かれている文字を慎重に解読していくと、「飯島屋」という名の自販機コーナーらしいことが分かる。
24時間営業で、ドライバーの疲れた体を癒しているのだろう。

駐車場の脇には、使えるのかどうか不明な色味の、車洗浄ホースが数台設置されている。

肝心の自販機コーナーはこちら。マジで廃墟になる5秒前といった、魅力的な造形。
トタン造りのプレハブ小屋で、表面積の6割はサビている。こんなにもグネグネと波打っている建物、はじめて見た。

巨人にでも握りつぶされたかのごとく、屋根はグショグショだ。

自販機の前には、ボコボコにひしゃげたドラム缶が4つ置かれていた。ボヤ騒ぎでもおこったのだろうか。

プレハブ内には、10台ほど自販機が設置されている。
ドリンクの自販機が大半だが、カップヌードルやうどん・そばといった軽食のもいくつかある。

珍しいとこでは、ゆで卵が2個100円で売っていた。
露を払わなければ何売ってるのか見えないぐらい、自販機内部はキンキンに冷やされている。

イートインスペースも完備。峠の釜めしの空き容器が、灰皿替わりに置かれていた。
椅子はハンドメイド。中央が突起している謎の物体に、布をかぶせ、ガムテープでぐるぐる巻きにしている。
その不思議な形状といい、座りにくさといい、岡本太郎の作品「座ることを拒否する椅子」を連想させる。
●防犯カメラだらけ!

飯島屋の自販機のほとんどに、防犯カメラ設置中のステッカーが貼られている。
「やけに強調してくんなー」と思って、敷地内を探すと、あるわあるわ、防犯カメラのオンパレード。

小屋の上に2つあるし、駐車場にも2つ設置してある。



狭い店内には、向きを微調整して5つも設置してある。
絶対に死角を作らない、という強い意思を感じる。
●警告文だらけの店内!

なぜこんなにも監視カメラを設置するのか。
その訳は、いたるところに貼られた警告文を読めば、よく分かる。とにもかくにも、この自販機コーナー、窃盗被害に遭いまくっているのだ。
・窃盗犯へ告
・警察よりお呼がかかるのを覚悟してお待ちください
との淡々とした警告が、逆に深い怒りを醸し出している。

すでに逮捕されていて警察署にお礼をのべてるパターンもあれば、現在追跡中で犯人の特徴を明記したパターンもある。
当店で窃盗をした2人組の男、首を洗って待っていなさい
と、妙に冷静なのが、この店の警告文の特徴だ。
秋葉原にも警告文だらけの自販機コーナーはあるのだが、そちらは「張り紙やアートくずれの書き込みをするものは、指20本切り落とす」などと文言がきわめて苛烈。どちらも怒りの絶対値は同等だろうが、アウトプットの仕方に個性が現れている。

さぞかし多額の現金が盗まれていることだろうと、犯行内容を確認すると
バールでガラスを割り、たばこ1個、スナック菓子1個を盗む
とあった。
わざわざ自販機ぶっ壊しといて、たばこと菓子1つずつしか取らないというのはどういう遠慮なんだろう。

コカ・コーラ広告の前には、逮捕記事が掲載されている新聞が挟みこまれている。とても、コーラをエンジョイする気分にはなれない。

写真付きの警告文もあって、「今後、当店への入場を禁止します」と書かれている。
なにを盗んだろうとくわしく読んでみると

駐車場に植えてある、なでしこの花を盗んでいったらしい。
この店、なにからなにまで盗まれている。

盗まれるだけでなく、捨てられることも。
ドッグフードの空缶とか紙おむつは捨てないでください。

とにかく紙おむつは捨てないでください。親の顔が見てみたい。

盗まれることにたいへん敏感なドライブインだが、トイレの壁には著作の盗用にたいへん敏感なあの方々が描かれていた。

ちなみにトイレの入口にも防犯カメラが2台設置されていた。

ひとたびトイレに入ると、これがまたすごい警告文の数なんだわ。

・当店はトイレだけの利用は固くお断りします。
・落書き、穴あけなどいたずら禁止
・トイレ利用者監視中
といった警告があっちこっちに貼られている。
最後、お茶買って帰りました。トイレ使ったので。
■「ピーパック安中 飯島屋」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:信越本線「磯部駅」から徒歩30分ぐらい
住所:群馬県安中市郷原747-4
電話番号:-
営業時間:24時間営業
定休日:なし
予算:-
関連サイト:ハイエナズクラブ/群馬B級スポット
壁に描いてある絵でやられました
自販機コーナー特集とかあったら見てみたいです