
群馬県・高崎市に建っている「一郷山城」には、城史上初のセガサターンの展示がされている。
熱海城と同じ系譜の、ゆるゆるなお城なのだ。
群馬県・高崎市に、城マニアから痛烈なコメントが寄せられまくっているお城がある。
いわく
・築城した時代から考えて、間違いなく史実にそぐわない代物
・道路や天守閣を建てるために遺構を壊している最悪のケース
・遺構がないので面白みはまったくない
などと散々な言われよう。
昭和60年頃に牛伏山自然公園に築城された「一郷山城」という城なんだとか。
これだけ言われてると、逆に行ってみたくなるのが、青春時代を教室の隅っこで過ごした男のサガというもの。

高崎方面から車を走らせていると、向こうの山に、それらしい影を発見。

アップにすると、こんな感じ。
あった、あった、予想に反してわりとキチンとした城じゃないの。

▲一郷山城

牛伏山の細い車道をぐねぐね登ること5分、3階建ての天守閣に到着した。大阪の小阪城みたいなハンドメイド城を想定してたけど、全然しっかり城しちゃってる。鬼瓦までついてるし。

駐車場の看板に、城の由来が書かれてるんだけど、落城理由がね、なんとも言えぬ滑稽さなんだ。
なんでも
1563年、武田信玄に攻められた
↓
城主と家来たちは石や木材を投げ落として対抗
↓
コントロールミスで、城の下にあったお寺が押しつぶしちゃって火災発生
↓
山上まで延焼
↓
一郷山城、焼け落ちる
↓
コントロールミスで、城の下にあったお寺が押しつぶしちゃって火災発生
↓
山上まで延焼
↓
一郷山城、焼け落ちる
という完全な自爆っぷり。
なんだなんだ、一郷山城。昔っからいい味出してるな。
●1階にはセガサターンが展示されている

▲城1階
お城は3階建てで、入場無料。
まずは1階部分を見てみよう。薄暗く広々とした展示スペースには、いくつかショーケースが置かれているぞ。

ケースを覗いてみると、ドアの取っ手や・・・

石のカエルや・・・

漬物のパネルが展示されている。地元企業の製造品が飾ってあるようだ。
まるっきり城要素を廃した潔さが豪快である。

なかにはセガサターンも。
いまやこれだけで丁重にセガサターンを扱ってるのは、一郷山城かゲームショップのスーパーポテトぐらいだろう。

企業製品の展示から、ちょっと外れた隅っこにもショーケースが1台置かれていた。
「なにが飾ってあるのかな~」と覗いてみると・・

蜂の巣と、蜂の死骸が2つ転がっていた。
これ意図的な展示とは思えないんだけど、どういう状況?
城の軒先にでも出来た巣を撤去して、そのまま放りこんだのかな。

しばらく鉢の巣を鑑賞していたら、後から城へやってきた家族がはやばやと最上階から降りてきて、蜘蛛の子を散らすように帰っていった。滞在時間、ものの5分。生気を失ったその表情に、期待を膨らませ、上階へと向かう。

最上階の3階には、一郷山城が建っている吉井町のジオラマが設置されている。
「東谷ダム」「吉井インターチェンジ」などのボタンを押すと、該当する部分が点滅する仕組みなんだけど・・

ボタン数、多っ!
接触不良で4分の1は点かなくなっていた。
↑
動画で見てもらえば分かるんだけど、ボタンを押すとランプが光ってる間だけ
ぽくぽくぽくぽくぽくポ~~~ン
と、一休さんがトンチをひらめいた時みてえな音がするのが、良い。
ゆるたいリズムが面白くって、何回も押しちゃった。

望遠鏡は、タダで眺め放題。
展望台として考えれば眺めは抜群だし、珍スポとしても肩の力が抜けきってるし、一郷山城、結構いいですよ。熱海城と同じ系列の城として、ゆるく楽しんではいかがでしょう。
■「一郷山城」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:上信電鉄線「吉井駅」から4kmぐらい
住所:群馬県高崎市吉井町多比良
電話番号:-
営業時間:9:00~17:00 (冬は16:00)
定休日:なし
予算:無料
関連サイト:群馬B級スポット
建物は城ですが、昔は宿泊できたとか。
中には謎の白蛇さまがおり、おさわりできます。
地獄めぐりもすぐそば!