群馬県みなかみの山中に「釈迦の霊泉」なる温泉が存在している。
なんでも「奇跡の御神水」であり、万病を治す効果があるのだとか。さっそく浸かってまいりました。
群馬県みなかみの辺りを車で走っていると、「釈迦の霊泉」と書かれた看板をやたら見かける。白地のキャンバスに浮かびあがる黒い文字が神秘的な印象だ。
なんでも、奇跡のご神水であり、糖尿病や癌など諸々の病気に効く温泉なんだとか。
フランスのピレネー山脈にも、万病に効くとされるルルドの泉なんてとこがあるからね。さしずめ「群馬のルルドの泉」って感じでしょうか。
奇跡のご神水が湧いてるのは、世界でもここ一箇所だけですので、くれぐれもご注意ください。
看板に従って、山をぐいぐい登る。
”世界で一箇所の御神水”を求め、車1台通るのがやっとの細い山道を15分ほど進むと・・・。
生い茂る木々の間に「釈迦の霊泉」と書かれた入場ゲートが建てられていた。両サイドの柱には「奇跡の引用効果」「仏神道協会」と書かれている。
直前まで大雨が降っていたので、ゲートの下を流れる川から、ゴウゴウと爆音が聞こえる。すれ違う車も、後ろから来る車も、1台もない。
ゲートを潜っても、釈迦の霊泉はまだその先1km。
どうやら仏舎利塔もあるようだ。
こちらの仏舎利塔は、神々の降臨される場所であり、日本で一ヶ所であり、中には入れない。
とにかく、日本でも世界でも一ヶ所であるということを肝に銘じておきたい。
仏舎利塔があるエリアを囲んでる柵には、ダビデの星こと六芒星がデザインされている。
入場ゲートには仏教でも神道でもない「仏神道協会」と書かれているし、柵にはユダヤ教を象徴するダビデの星がデザインされてるし、とくに固定の宗教を推してるわけではなさそうだ。
仏舎利塔の他にも建物がいくつかあるのだが・・・
中に多くの神々が集まっているので中には入れない。門は閉ざされている。
この辺りに降臨するのは神々だけではない。熊も出没するようだ。「クマ出没注意」の張り紙がされていた。
●釈迦の霊泉に浸かろう
山を登りきると、合宿所めいたシンプルな建物が現れた。
敷地内に車が入るやいなや、玄関からおばちゃんが数人飛び出してきて、矢次早に「御神水飲みにきたの?温泉入るの?」と質問を繰り出す。
「週末はいつもすごい混んでるけど、今日は大雨だったから空いてるよ~」とのことなので、温泉に入ることにした。
壁にかけられた看板には、効果のある病名が書かれてるのだが、その守備範囲の広さたるやオリックスの谷選手並だ。
入浴料は大人1000円で、ハンドタオルも貸してくれる。1泊2食9870円で宿泊もできるんだとか。
入浴料は大人1000円で、ハンドタオルも貸してくれる。1泊2食9870円で宿泊もできるんだとか。
▲食堂
受付を済ませ、短い廊下を渡ると、食堂に到着。建物自体は古いけれど、よく手入れされている。
食堂には御神水が出てくる蛇口があって、自由に飲むことが出来る。2リットルまでなら持ち帰りも可能。
館内を案内してくれたおばちゃん曰く「この水を飲んだ途端、息子の皮膚病がたちまち治って、ビックリした」とのこと。「宗教とか寺が母体ってわけじゃなくって、有志の人たちで管理してんの」とおっしゃっていた。
温泉自体は戦国時代から湧いていて、上杉謙信の頃は隠し湯として兵士の傷を癒すのに使ってたそうだ。
御神水はいくらでも飲めるのだが、自販機のジュースはほとんど中止。
「中止」「中止」の連呼のなかで、1つだけ「微糖」なのが気にかかる。それは別に張り紙しなくても良いのでは。
各地から利用者の感謝の声も届いてて、症状ごとにまとめられていた。
食堂を抜けると、お目当ての「霊泉湯」がある。
温泉の入口にはこんな珍しい注意書きも。
病気にはそれぞれ個人差があり、重病の方もおられますので入浴中の世間話はやめて下さい
とのことだ。
湯治で訪れる人もいるので、無用のトラブルを避けるためのアドバイスなのだろう。
シャワーが5つほど、湯船が3つほどのこじんまりとしたサイズ。
利用者は他に1人もいなかったし、若干ぬる湯なのでゆっくり浸かれた。
壁のイラストは、定番の富士ではなく、釈迦にちなんで蓮の花である。
飲用のコップと蛇口もあるので、湯船に入りながら、御神水を飲むことも出来るのだ。
「次はぜひとも1泊したいな~」と思った、なかなか趣のあるスポットでした。
■「釈迦の霊泉」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:関越自動車道・みなかみICから車15分ぐらい
住所:群馬県利根郡みなかみ町上牧3768
電話番号:0278-72-3173
営業時間:8:00~17:00
定休日:なし
予算:入浴料1000円
関連サイト:公式サイト