アートの島・直島にある「007赤い刺青の男記念館」は地元ボランティアが作りあげた熱量の高い記念館。
島に展示されてるアートとは、まるっきり違った方向性のアートを見せつけてくれるぞ。
昨年2013年、瀬戸内国際芸術祭に行ってきた。
瀬戸内海に浮かぶ十数個の離島内で繰り広げられる芸術祭。その祭りの本丸とも言えるアートの島・直島にも当然立ち寄ったんだけど、そこにね、ありました。芸術祭とはまるっきり違う文脈からひょっこり現れた最高のアート空間が。
その名も、「007赤い刺青の男記念館」。直島が「007~赤い刺青の男~」という小説の舞台になったことを祝って、地元ボランティアが建てたそうだ。
香川県の観光サイトには
敵の刺客河童にボンドがパンチを食らわせる構図の顔出しパネルもあり
とある。
敵の刺客河童???
ボンド、なにと戦ってるの?
「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大戦争」みたいな話し?
こんなん絶対面白いだろ、と地中美術館帰りに立ち寄った。落差が凄い。
▲007赤い刺青の男記念館
記念館は宮之浦港から歩いて3分ほど、一般家屋に併設されており、2階には布団が干してある。平和そのものだ。
焼きそばのノボリはためく横っちょに入り口がある。
ユニオンジャックが貼られた通路を抜けると
あった、あった。
敵の刺客河童にボンドがパンチを食らわせる構図の顔出しパネル!
いったい、刺客河童とはなんなのか。
良い塩梅のイラスト付きで「007赤い刺青の男」があらすじ解説されてたので見てみよう。
任務で日本にやってジェームズ・ボンド。
隣にいるのはパートナーの田村礼子だ。
あらすじボードには
ボンドは驚いた。素晴らしい鳶色の瞳とストレートな長い黒髪。
こんな美しい女性とペアを組めるとは・・。
ボンドは任務の困難さも忘れておもわず礼子に見とれていた。
とある。
イラストの礼子と文章の礼子の乖離が甚だしいが、そういうことだと思い込み、読みすすめていこう。
新宿でヤクザに殺されそうになるジェームズ・ボンド。
バイク乗りのヤクザに取り囲まれたボンドはスナックの看板を振り回して、窮地をのがれる。
築地市場で銃撃戦したり、大仏見学をしたりして、G8の会場である直島・ベネッセハウスにやってきたジェームズボンド。
大変だ!河童が、会場に殺人蚊を解き放った!
どうする、ジャムーズボンド!
「この野郎!」
強烈なパンチをくらわせ、河童退治成功!
めでたし、めでたし。
で、河童ってなんだったんだ。
館内は、ダニエルクレイブのサイン入りポスターなどコレクターアイテムが揃っており、007ファンならば真正面から楽しむことも可。
作中に登場する心臓を模したオブジェ「傷心」もある。
高さ2mぐらいでけっこうデカい。
説明書きによれば、本来ベネッセハウスに展示するという話しだったようだ。
おそらく「こんな素晴らしいもの、記念館に置いたほうが価値ありますよ!」とかうまいことベネッセハウスに展示しない方向に誘導されたのではなかろうか。
記念館の片隅に置かれたテレビでは、自主映画が流れている。007のオマージュ作品だそうだ。
ちょいと見てみよう。
右の外人さんがボンド役、左の女性がボンドガール。
民家に聞き込みをはじめるボンド。
事件の裏取りでもしているのだろうか。
字幕を和訳してみよう。
If we turn left and go straight,then we'll be at ishibashi.right?
「右に曲がってまっすぐ行けば、石橋に着きますよね??」
うん、観光地への道筋、聞いてるね。
thank you very muchと大変ご丁寧な謝意をのべている。
最終的に例のカボチャの前で、ベネッセ社長と直島の魅力を語り合って、終了。
007要素は、外人が主役という点のみであった。
■「007赤い刺青の男記念館」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:直島の宮之浦港から徒歩3分
住所:香川郡直島町宮浦
電話番号:087-892-2299(直島町観光協会)
営業時間:9:00~17:00
定休日:年末年始
予算:無料
関連サイト:公式サイト