東京都で唯一の村・檜原村に行ってまいりました。
お目当ては数馬分校。児童数が7名まで減って1999年閉校した小学校が、そのまんまの状態で記念館になっているのだ。班決めのポスター、壁にかかってる縄跳び、書道に版画が当時のまま残されている。
特別に檜原村のマスコットキャラ・ひのじゃがくんにもお越しいただいたよ。
東京都で唯一の村・檜原村。人口2200人の山あいの村で、奥多摩のちょいと南側に位置する。
そんな檜原村に、閉校した小学校をそのまんまの状態で残し、自由に見学できるようにした記念館がある。
都心部からのアクセスは、武蔵五日市駅まで電車で行って、そこからはバスに揺られて50分ほど。終点の数馬バス停から歩いてすぐのとこにある。バスの本数が1~2時間に1本だけど、乗り継ぎにさえ注意すれば、都心からでもトータル2時間半でアプローチできる。
数馬バス停から細い坂を登る。
▲数馬分校の説明看板
お目当ての数馬分校記念館は土日祝日のみ営業。時間も9:30~15:30までと短めなので、この界隈を観光するなら真っ先に攻めておきたいところ。
道中に立てられた説明看板によると、数馬分校は1874年に檜原小学校の分校として開校。1999年に児童数が7名まで減少し、閉校した。
急坂を登りきると、山をバックに、白くて可愛いサイズの校舎が姿を現す。記念館の校舎は1959(昭和34年)に建てられたもの。
モダンな作りで一見ペンションのようでさえあるが、校内放送を流すスピーカーがついてるあたりに学校の面影を匂わせる。
モダンな作りで一見ペンションのようでさえあるが、校内放送を流すスピーカーがついてるあたりに学校の面影を匂わせる。
広々とした校庭にはサッカーゴールや鉄棒、うんていなどが設置されている。
コスト削減のためだろうか、バスケとサッカーのゴールが一体化している。
●校内も当時のまんま!
入館料はタダ。受付で記帳をすませればそれで良い。
校内にあがる際はスリッパに履き替えるんだけど、下駄箱も当時のまんま。なかに入ってるのは工具とかだけど。
班分けや掃除当番の表が壁に貼られてて、なんともノスタルジックな気分に襲われる。
班ってあったな~。
これまでの卒業生がどこに住んでるか書き込まれた地図。
こりゃあ、小さな村の分校ならではのマップだね。
小さな手洗い場。
当時のまま引っ掛けられてるなわとび。
昔ながらのピアノも置かれていた。
そして、廊下は木の板張り。
「や~、なにもかも懐かしい!郷愁スゴすぎて胸が締めつけられるわ~」とホクホクしつつ、写真を撮りまくっていたら・・・
あれ?
入り口から何かが
こっちを
見てる!!!
「いや、こんなのどかな村にあんな人外、存在するはずがない!」
と職員室に駆けこむと、そこにはなんとも懐かしい灯油ヒーター。
黒板は行事予定表になっていて、傍らにはピアノが置かれていた。
当時の生徒が作ったのだろう。
パチンコ台やお手玉などの遊具が転がっている。
ひもを引っ張ると眉毛がくねくね動くおもちゃも。
版画か~、やったな~。
お調子者トリオだろうか。
黒板のうえには「世界制服みんなでずっこけ」と世界制服を宣言した紙が貼られている。
「いや~、小学校のころ、健康診断ってこんなだったわあ」
と身体測定でもしようかと、木製の測りに構えたら・・
見てる!!!
さっきのあいつが、見てる!!!
恒例のバス停ぽつーーーーーーん(*´ー`*)
(檜原村・人里) pic.twitter.com/Ag6x6J81Rc
— ひのじゃがくん(公式)東京都檜原村 (@hinojagakun) 2014, 4月 16
・・・とまぁ、ホラーちっくに襲われた感を醸しだしましたけど、じつは彼に会いたくって事前にオファーをかけていたのです。
彼の名は、ひのじゃがくん。(@hinojagakun)
檜原村のオフィシャルキャラクターで、ゆるキャラがブームになる当の昔、22年前に誕生したキャラなのだ。
「ぽつーーーーーーーーん」とコメントを添えられた、哀愁とユウモアが漂う村の写真が大好きで、前々からお慕い申し上げておりました。一部のファンから「ぽつコレ」と称される、ポツーン写真を一緒に撮ってもらいたくって、お呼びした。
ツイッターのDM(ダイレクトメール)で「ひのじゃが様 私、東京別視点ガイドという観光サイトを運営しております松澤と申します。」から始まる丁重なオファーメールを送ったところ、「OKじゃがです!!」と返ってきたフランクな御人だ。
受付のおじいちゃんに「ひのじゃがです」と自己紹介したが、「え!?なにそれ??」と言われていたので、檜原住民と言えど全員が把握してる存在ではないようだ。「そんなことより、帳簿に名前書いて!」と帳面を突き出されてるのには、笑ってしまった。村のマスコットキャラとはいえど、フラットに扱われているようだ。
▲ぽつーーーーーーーん
ぽつーーーーんのポイントをお伺いしたところ、3つあると言う。
・引きで撮る
・物陰で見切れる
・1人で遊んでいる
のどれかが満たせていれば良し。
肩を落として、首をすぼめれば、より一層ポツーン感がでるそうだ。
レクチャーに従って、一緒に写真を撮ってもらった。
●応接室
応接室には賞状やトロフィーが飾られている。
だいたいが運動会の1等に送られるものだったり、学校の行事に関連した賞状だ。
本棚には文集がぎっしり。
剥製も飾ってある。
「健ちゃんの探検No12」とラベリングされたスライド。あー、どんなのだろう、見てみてえ。
●2階もあるよ
数馬分校は2階建て。ひのじゃがくんと階段であがった。
廊下には、書道が貼られている。
ぽつーーーーん
教室の黒板は、チョークが用意されていて、自由に落書きしていいみたい。
「イケメンアイドルひのじゃがくん参上じゃが」と描いていた。
ファンは、メスのじゃが芋だそうだ。
教室のテレビが、超分厚いブラウン管。
天井にはでっけえカマキリが這いずりまわり
窓からクモが侵入し
隅っこには謎の生物がいる。
どいつもこいつもちょいと不気味で惹かれるものがある。どうやらこの分校にはとんでもない造形センスの生徒がいたようだ。
なぜか手作り優勝カップも吊り下げられていた。
一番奥の部屋には昭和2年の機織り機があったり
すげえ昔の消防機があったりする。
最後に、校庭の鉄棒でひのじゃがくんとパシャリ。
う~ん、数馬分校、最高にいいなあ。
それほど大きな施設ではないけれど、1時間半ぐらい滞在してしまった。
わざわざ時間をかけてでも行く価値有り有り、すげえオススメ!
あ、もちろん普段はひのじゃがくん居ないよ。
■「数馬分校記念館」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:JR武蔵五日市駅からバス→数馬バス停下車で徒歩3分
住所:東京都西多摩郡檜原村数馬2471
電話番号:-
営業時間:9:30~15:30
定休日:土日祝日のみ営業
予算:無料
関連サイト:HINOHARA+