
ハイセンスなカフェやレストランが立ちならぶ六本木の町なかに、ひときわ異彩をはなつ家庭料理の店がある。
「いまのところ客はいません」
「当店は混まない店です」
「夜は毎日ひまだす」
と、客が来ないことをアピールしまくってる店なのだ。

六本木駅は国立新美術館の向かい。BARと書いてバルと読ませるようなハイセンスな店が立ちならぶ通りで、白い看板がひときわ目をひく。木の切れ端をつなぎ合わせ、文字にしている。カクカクしていて米寿の筆跡みたいだ。
昭和の味
800円の店
まったりできる店
がコンセプトらしい。

看板をくわしく見てみよう。
ペタペタ貼りつく丸っこい装飾にも、文章が書かれている。
いわく
・おしゃれな店ではない
・時々混んでます
・男の素朴な料理!
なんだとか。
六本木はおしゃれな店ばかりなので、おしゃれな店ではないと断言してくれると入りやすい。

定食屋なのに
おすすめはごはん
なのか。

味のなかに
普通
の文字が隠れひそむ。
まあ、おすすめがごはんだしね。

・文句を言う人は何処でも文句を言う
・店のぞき禁止
と軽く警告。先制パンチをかましてきた。赤羽霊園というお化け屋敷スナックものぞき禁止で「のぞき見したものは1000円貰い受ける」って注意書きがあったなー。

階段の手前にも、また看板。
降りて、地下の突き当たりにあるそうだ。

数段降りたら、も1つ看板。
今のところお客はいません!
とのこと。
いないにも関わらず、力強い。

階段をくだりきったところに、またしても看板。
距離にして50mも歩いてないのに、いくつ看板があるんだ。注文の多い料理店を思わせる。
直ぐ来る客は直ぐ来なくなるよ。
と客側に言われましても。

当店は混まない店です
と、ここでもまた混まないアピール。ハートマークまでつけて余裕である。

マスターは去年年収36万円でした!
って、ビックリマークをつけてる場合ではだろうか。

地下1階の突きあたりにアメットはあるんだけど、遠目からでもすぐ分かるな。

ウッディーな店内はログハウスみたいなムードだが、壁中に文字が書かれている。メニューも壁に直書きだ。
「自分の心は自分で動かす」「かっこつけるのが一番カッコ悪い」みたいな格言系もちらほら書かれている。
入店すると、店員のおばちゃんがテーブルに突っ伏して仮眠をとっていたので「いまのところ客はいません!」という宣言は真実だったようだ。

おもしろ料理 知る人ぞ知る店
の看板をよく見ると、小さく「1千万円」と書かれたシールが貼られている。
なにが1千万円なんだ。

とりのエサは300円。鶏肉を炒めたおつまみなんだとか。
基本的に料理メニューはそこまで変則的なものはない。

▲豚肉とザーサイ炒め定食 800円
定食は種類豊富で20種以上ある。
豚肉とザーサイ炒め定食を頼んだ。ザーサイ1:豚肉9ぐらいの比率でほとんど肉。がっつりいきたい男子にはたまらない。味噌汁の具が納豆だったのがちょっと変わってるけど、飯は普通に旨い。

店内のあちこちに書かれていた文言がこちら。
夜は毎日ひまだす
客こないアピールをここまでする店もなかなかない。
■「アメット」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:六本木駅から徒歩5分
住所:東京都港区六本木7丁目5-11 B1F
電話番号:-
営業時間:11:00~23:00
定休日:日曜夜が不定休
予算:定食がだいたい800
関連サイト:食べログ