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二子玉川の河川敷で、新年祝いをしてまいりました。
酒は北朝鮮産のワイン、つまみは世界一臭いシュールストレミングでございます。 
 

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新年あけましておめでとうございます。
おめでたついでに、世界一の称号がついた食べもので、華々しく一年を幕開けしようじゃないですか。
珍スポバスツアーで知り合った「俺だって情報発信!!」の管理人さんが、シュールストレミングを手にいれたというので、二子玉川の河川敷にていただいてまいりました。
たぶん知ってるでしょうけど、いちお、シュールストレミングの解説をしとくと


シュールストレミングは、主にスウェーデンで生産・消費される、塩漬けのニシンの缶詰。
その強烈な臭いから、「世界一臭い食べ物」と評されることもある。 

Wikipedia

っちゅう代物ですわ。
世界一は世界一でも、世界一臭いもんを食ってきたんです。
臭いを単位化すると、日本代表くさやが1267 Auなのに比して、世界代表シュールストレミングは8070 Auだかんね。フリーザが「私の戦闘力は53万です」と言ったときに匹敵する絶望感だわ。
ちなみに、世界で2番目に臭いといわれる、エイの刺身を発酵させた「ホンオフェ」は高田馬場のにっこりマッコリで食べられるよ。
河川敷に着くなり、参加者たちはカッパを着込む。なにもスカラー波を気にしているわけじゃあなくって、匂いが服につくのを防いでるわけ。手術用の薄手袋もして準備万端だ。



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▲体内の匂いを防ぐための牛乳

体内に匂い成分が付着することを防ぐために、牛乳を1杯飲んでおく。
内も外も守らないと、世界一の悪臭からは逃れられないからね。
数年前に一度、シュールストレミングを食べたことあるんですよ。
そんとき2切れのシュールを飲み下した女性参加者が、自宅に帰ったら、親が神妙な面持ちで、こう尋ねたそうです。「…あんた、まさかと思うけど、糞を食べてきたんじゃないでしょうね?」と。そんぐらい、強烈に居残り続けるんですわ、この物体。



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ビニール3重で超厳重ガードだ。



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そして、剥き出しになるシュールストレミング缶。
日本の標準的な缶詰に比べて、3倍以上の直径だ。こんなに1缶が巨大だと知らずに、うっかり2缶買ってしまったそうだ。
・・・絶対、余るよ!



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横から見ると、発酵ガスでこんなに膨らんでる。
気圧変化で爆発することがあるらしくって、空輸が禁じられてるんだって。こんなの爆発したら、シュール汁で全積荷がダメになるからね。



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裏面には

発酵臭が強烈なので屋外で開缶してください。室内で開缶しますと部屋中に臭いが充満します。
●内部の漬け液が噴出することがあるので、服などにつかないように十分に注意してください。一度ついてしまうと洗っても取れません。

と本気の注意書きがなされている。
ちょっとでも汁が服についたら、ジ・エンドである。



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シュールストレミングとにこやかなお付き合いができるのも、開缶するまで。
ということで、最後に笑顔で記念撮影をしておく。
両手に花ならぬ、両手に鼻殺し。



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いざ、缶切りで勇ましく開封!

・・・と行きたいところだが、ほんの少し裂け目ができた瞬間、プシューーーッと濃密悪臭ガスが吹き出し、悲鳴をあげてのけぞっていた。




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気を取りなおして、ふたたび開缶作業を続ける。



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隙間から湧きでる液体のカラーリングが、不吉な将来を予見している。



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出た。
世界一臭い食べもの、シュールストレミング。
蓋を開けたとたん、周囲にもわんと異臭が広がる。
参加者たちは「最悪なドブの香り」「実家のボットン便所を思い出した」などと口々にソムリエ的論評を下している。



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「ウォッカで洗うと、臭いが減って食べやすいらしい」との情報をもとに、ちゃぷちゃぷゆすぐ。



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「一滴でも服についたら終わり汁」をキレイに洗い流したら



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フランスパンに乗せて



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サワークリームやチーズ、ポテトをサンチェと共にトッピングする。



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ほんでもって包みこんで、サブウェイ感覚でいただきます。
臭いのほうはウォッカ洗浄効果なのか、だいぶ柔らいでいるものの、んまー、塩っぱい塩っぱい。塩っぱいし、苦いし、やっぱり好きにはなれませんな~。むちゃくちゃ個性の強いイカの塩辛って感じかね。柔らいだとはいえ、臭いは臭いし。早く飲み込んでしまわないと、ウッと胃からこみあげてくる。
それでも数人は「意外と旨い」「けっこうイケる」と平然とパクパク食べていた。北欧のセンスを持ち合わせてますな。




北朝鮮ワインを呑む

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お口直しは北朝鮮ワイン。
南北境界線の38度線に観光ツアーで行った知人から、お土産で貰った代物ですわ。普通に物販店で売ってるんだってさ。



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いちおう赤ワインらしいんだけど、この色って、赤として識別されますかね。まあ、この色の信号あったら、なんか危なそうなんで立ち止まるけども。



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底のあたりに謎の沈殿物もあるからね。
ググってみると、良質なワインは長く熟成させると、沈殿物ができることがあるんだって。
うん、きっと、それだ。その、良質な沈殿物に違いない。



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紙コップによそってみると、見た目はお汁粉のよう。
ちょぴちょぴ舐めるように飲んでみたら、これが案外しっかりワインしてる。かなり甘口でまろやかな口当たりであった。
シュールストレミングにワイン、ナイスな年明けと相成りました。