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荻窪の「もみぢ」は、たぶんだけど日本全国でもっともコスパがいいフグ・すっぽんの店じゃないかな!?とにかくもぅ腰が抜けるほど安い!
フグ刺し500円、ふぐの唐揚げ350円、すっぽん雑炊600円だかんね。安いだけじゃなくって、ボリューム満点で旨くって、店の雰囲気もいいってんだから、ぐうの音も出ませんわ。



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荻窪駅から歩いて15分ほどの町外れに、ひっそり居を構えるお店「もみぢ」。
交通量の激しい道路沿いに、ボロボロにやぶけた赤ちょうちんが灯っている。



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ふぐ・すっぽんの店とのことだが、一見さんがふらりと入るには、なかなか難易度の高い店構えをしている。電話番号の頭に3がついてない時点で、平成3年よりも前の看板だって確定してるからね。



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入口のガラスに、ガムテープでメニューが貼られてるので、中の様子が窺い知れない。



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意を決して、扉を開けると、暖色の明かりで照らされた店内が顔をのぞかせた。カウンターに9人、座敷に6人入ればギュウギュウの定員。18時の開店とほぼ同時に入ったにも関わらず、我々をもって満員御礼となった。
「とんねるずのみなさんのおかげでした」で汚いけど旨い店として紹介されたこともあって、かなりの人気店なんだよね。営業を開始して36年目。お客のほとんどが常連のおっちゃん達で、みんなが店主を慕ってるのが分かる愛に充ちた空間なんだな。



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天井からはフグの剥製が吊り下げられている。



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2014年のカレンダーを剥がすことなく、2015年のカレンダーを上から貼りつけ、時代を更新している。
店長さんは登山が趣味とあって、登頂した世界の峰々も壁に貼られていた。若い頃、キリマンジャロも登ったってんだから、相当本気だ。御年64歳だが、東京マラソンも完走したとか。基本的には年中無休なんだけど、年末年始と夏場に3日間だけ、山に登るため店を閉めるという。「山さえやってなきゃ、この店を3店舗ぐらい展開出来てただろうね」と笑っていた。



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トイレにあったビールのポスターも、肝心肝要の部分が山で覆い隠されている。女体よりも山。よっぽど山がお好きとみえる。



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ちなみに、トイレの鏡がツギハギだらけで、野球ボールみたいになっていた。



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店内をパシャパシャ写真撮ってたら「これも撮るかい!?」と、とんねるずの番組でもらった賞状とトロフィーを出してくれた。
「トロフィーさ、足がもげちゃった」ということで、ガムテープで補強され、ドナルドダックみたいな足元になっていた。



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「ほら、持って記念撮影しなよ!」と生きてるスッポンまで出してくれた。カウンターのうえでモゾモゾと動きまわり、口をあけて威嚇している。おっかなビックリ手をのばすと「大丈夫大丈夫、小さいスッポンだから、噛まれてもそんなには痛くないよ!」とおっしゃる。そんなには痛くなくても噛まれたくはないものだ。



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甲を掴んで、写真をパシャリ。手足をバタつかせているので、爪で手をひっかかれまくった。
亀と違って、甲羅のはしっこはフニフニと柔らかい。コラーゲンだから柔らかいんだって。



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感想を綴る「すっぽんノート」は貫禄のある汚れっぷりで古文書の風格を漂わせていた。2011年の物品とは思えない。





尋常じゃない安さでフグとすっぽんがたらふく食えるぞ!

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趣のある店内の様子もさる事ながら、なにが凄いって、とにかく料理が安いのなんの!厨房に貼られたメニューの値段が、誤植じゃないかと疑わしいほどの破格値ぞろい!
ふぐ刺しは500円だわ、すっぽんうどんは400円だわ、サイゼリアにも負けない値段がずらり。金のない高校生でも部活帰りに立ち寄れちゃうような値段じゃないの。そんなに安い食材でしたっけ、ふぐとすっぽんって。
お酒もほとんど250円だしね。



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▲ふぐの骨酒 350円

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ふぐの骨酒。
炙ったフグの骨に、熱い日本酒を注いだ一品だ。
「ヒレ酒のが有名だけど、個人的に骨のが旨いと思うんだよねー」と店主。焼いた白身魚の香ばしさが、後味でほんのり香るお酒だ。



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▲鴨ロース 250円

燻製した鴨ロースが皿いっぱいに盛られて、たったの250円。



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▲スッポンの血の日本酒割り 200円

スッポンの血を日本酒で割ったもの。血はペットボトルに詰められていた。
こればっかり3杯も4杯も飲んでる常連さんがいて「精力がつくから、たまに呑みに来てんだよ!」とおっしゃっていた。たしかに力が湧きそうなビジュアルだ。
意外なことに、ほとんど血の臭いはせず、普通の日本酒と同じ感覚で飲めちゃう。舌に神経を注ぎこんで、やっとほんのちょっぴり血の味を感じられる程度だね。むちゃくちゃ飲みやすい。



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▲フグの唐揚げ 350円

フグの唐揚げはまるまる2匹いるのに、350円と驚きの低価格。おまけでたっぷり鳥の唐揚げもつけてくれた。ちょっとした居酒屋なら、鳥唐だけで350円以上とられるだろ。



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ガーリック味の効いた衣に、淡白な白身魚の身がよくマッチしている。



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▲ふぐ刺し 500円

ふぐ刺しだって500円だかんね!
値段からしてホコリみたいな微量しか検出されないかと思いきや、皿いっぱいにごっそり盛られてたからね。驚いた。
マジでどこで利を稼いでるんだ、この店!
刺しはこの日1セットしか用意してなかったみたいで、注文したとたん、ふぐ刺しの値札を取り外していた。



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よく、ふぐ刺しは「むこう側が透けて見える」なんて言われるけれど、ここのはかなりの分厚さだ。
生姜醤油につけていただく。コリコリとした食感が心地いい。



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最期の締めは、すっぽん雑炊だ。
「すっぽんを甲羅ごと煮詰めると、こうやってコラーゲンが出来るんだよー」とタッパーに詰めこまれたコラーゲンを見せてくれた。プルプル震えてる。これを大さじ一杯、雑炊に入れるというんだから、お肌に良さそうじゃあございませんか。



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▲すっぽん雑炊2人前 1200円

すっぽん雑炊は2人前を注文したんだけど、出てきたのがこの量だからね!
「5人家族の夕飯じゃねえか!」ってぐらいでっけえ鍋いっぱいに雑炊が盛られてきた。



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大人4人で伺ったんだけど、それでも多いぐらいの量だもの。ニラや油揚げ、すっぽんがたっぷり入って、1200円とかどうかしてるよ。



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お好みに応じて、特性の梅干しをちょいと入れれば完成だ。



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しっかりとスッポンも甲羅ごと入ってるからね。
スッポンの身はコラーゲンたっぷりでプリップリ。スープにスッポンのダシが出まくってて、シンプルに見えるけど、濃厚な旨味のする雑炊だった。腹いっぱいだったけど、旨くてサラサラいけるから、鍋いっぱい平らげちゃったわ。

4人全員でフグとスッポンをたらふく食って、酒も2~3杯飲んで、しめて会計は4850円。
これ、1人頭の値段じゃないよ!すべて合わせて4850円だかんね!1人頭だと1200円程度だかんね!!
いったいどうなってんのよ、このお店…。
予約しておけば「すっぽんフルコース」「ふぐフルコース」を1人3000円ぐらいでやってくれるそうだ。今度は予約していこっと。


【※注※ 2017年7月~8月いっぱいはお休みするそうです!】







「もみぢ」の情報
オススメ度:★★★★☆
アクセス:荻窪駅から徒歩15分
住所:東京都杉並区荻窪2-24-10
電話番号:03-3393-2545
営業時間:18:00~27:00
定休日:年末年始
予算:めちゃくちゃ食べて1200円だった
関連サイト:食べログ