P2187910ー

群馬県甘楽郡の山あいに、謎の施設がある。
広場には家電が規則正しく置かれ、ハデハデしい手書き看板があちこちに貼られているのだ。
 

P2187862

P2187770

P2187814

群馬県は甘楽町。上信越自動車道から県道46号線沿いを、車で15分ほど進んだ山あいの道に、やたらと物が溢れかえっている空間がある。
「群馬B級スポット」という素晴らしきサイトで紹介されていた場所なのだが、なんの心構えもなく通りかかったら、たんなる不法投棄現場と思って、素通りしていたかもしれない。



P2187752

一見、粗大ゴミが廃棄されてるだけに見えるのだが、よくよく観察すると等間隔に置かれているのだ。
ボロボロの洗濯機のうえに、電気ストーブが置かれ、ズレないように紐で固定されている。



P2187741

車道と広場を区切るように、サイクルマシーン、椅子、三脚などがキレイに並べられている。



P2187731

柵には1本1本几帳面に、フリースビーと造花が取りつけられている。



P2187766

ベンチのうえに等間隔でおかれたジャー、ホース、ジャー。
後ろのコックがこれらを従えているようにも見える。



P2187781

P2187853ー

敷地のいたるところに、大きなツボがあるのだが、すべて裏返してあり、そのうえに一回り小さなツボが置かれている。



P2187783

テーブルのうえでは、裏返しのコップが小人を取り囲む。

我々には分からないが、その配置には、なにかしらの法則が確実にあるようだ。



P2187860ー

バスの上にはコンポ、扇風機、七福神、コンポが置かれている。
バスの車体に穴を開けてまで、ヒモで扇風機を固定している。無造作なようできっちりと計算されてる配置のようだ。



P2187857

運転席の小人は顔だけオレンジに塗られていた。



P2187759

ツボのうえの人形は



P2187761

首を鎖で結ばれている。




な・・・・


なんだ、なんだ!!


群馬の田舎道で一体なにが起こっているんだ!!




あまりにも不可思議な要素が多すぎるスポットなので、片っ端からご紹介していこう。







奥の細道

P2187943

広場の隅には、プレハブ小屋と謎の入口がある。
黄色い看板に手書きの赤い文字がよく目立つ。



P2187923
▲第一の門

看板には「竹笹園」「奥の細道」「甘い壇蜜」と書かれている。
甘い壇蜜??



P2187927
▲第二の門

第一の門を通り抜けると、第二の門「登竜門」が姿をあらわす。
「富士より藤」「あ!や!」と謎の主張がされている。



P2187933
▲第3の門

そして、最後にあらわれた第3の門は「凱旋門」だ。
「へい!家紋」「エライもん」とダジャレも書かれているぞ。





「いらっしゃいませ」と出迎えるぬいぐるみたち

P2187802

壁に「いらっしゃいませ。」と書かれたゾーン。
ぬいぐるみたちがソファーに腰掛けている。



P2187790

屋根のうえには、等間隔でヘルメットがおかれている。



P2187785

ちょうど馬と目があうように、鏡が設置されている。



P2187771

首から複数のメダルをさげた犬。目が赤く塗られていた。



P2187794

掛け時計には女性の顔が貼りつけられており、時間は読めない。




切りそろえた木材と赤く塗られた家電

P2187797

切りそろえた木材を収納するケース。



P2187816

そのうえの家電は赤く塗られていた。



P2187821

横に生えてる大きな木には電気がくくりつけられているのだが



P2187819

そちらも赤く塗られている。






メリーゴーランドとはかりの椅子

P2187835

左がメリーゴーランド、右がはかりの椅子である。
私がそう命名した。



P2187842

メリーゴーランドの中央には小人が座っている。
天井から吊り下げられたチェーンは、すべて一回片結びをしてある。



P2187837

前方部はチェーンが吊り下げられているが、後方部には傘の柄が引っかけられている。



P2187839

こちらは、はかりの椅子。



P2187841

文字通り、はかりが椅子に座っているのだ。




ドラム缶の機関車

P2187845

P2187852

ドラム缶と廃タイヤで作られたSL機関車もある。



P2187848

時計が2つかけられているが、どちらも時刻は合っていない。



P2187847

運転席のうえにあるケージには
「エサより」「お金ちょうだい」
と首からメッセージをさげた犬が閉じ込められていた。





竹は大事にされている

P2187924

オブジェにはなんの説明もないのだが、竹にはプレートがついていて、説明がなされている。



P2187742

トタンで囲ったりと、やたらと竹を丁重に扱っているのだ。





オーナーさんに話しを聞いた!

P2187945

P2187948

広場の道路挟んで向かいに、同じテイストでデザインされた家があった。中條さんというらしい。
「いやー、凄いとこですね!」と同行者と話しをしていたら、人の気配を察知したのか、中からおじいちゃんが出てきて、開口一番

「壇蜜ハウス、見た!!?」

と聞かれた。



P2187877

プレハブ小屋のなかに『AKB48、壇蜜、藤あや子記念館』があるんだって。



P2187900

記念館の入口には、壇蜜のポスターや



P2187887

AKB48や藤あや子のポスターが貼られまくっている。

「壇蜜はセクシーさ、藤あや子は顔の器量、AKBは太もものピチピチ感が好き!!」

と、ハツラツにおっしゃっていた。



P2187901

扉の向こうが『壇蜜ハウス』だ。
「壇蜜と密談中」「壇蜜在室中」などと書かれている。



P2187903

壇蜜ハウスは2畳ほどの狭いスペース。四方をすべて壇蜜のポスターで埋め尽くしてある。
この熱い想い、壇蜜まで伝わって、ぜひともロケに来て欲しいものだ。



P2187910ー

なんでもここは、地元の人たちの集会所として使ってるんだとか。
おじいちゃんが7年ほど前から、自分の土地にせっせと1人で作ったんだって。

広場に並べられてる家電や人形は、知り合いが持ってきてくれたもの。
その独特すぎるデザインや配置に「なにか意味はあるんですか?」と尋ねたら、「意味はまったくない!」と断言していた。
特にデザインや建築に関わる仕事をしていたわけでもなく、完全に趣味だとか。

「ナニコレ珍庭園」と書かれていたので、テレビ取材が来たのかと聞くと、「2年前に連絡が来たけど、テレビが来るほど大層なもんじゃあないから」と断ったそうだ。
だいぶ謙遜してるけど、これ、随分大層なもんですよ。



P2187954
▲地元の人たちの集会所

集会所のなかはこんな感じ。20人ぐらいはゆうに入るかな。
床には砂利が敷き詰めてあって居心地良さそうだ。



P2187951

「すべて銘柄違う酒を揃えたんだよ!」と嬉しそうに話してくれるご主人。
この創作活動については「妻は何も言わない。無視されてる」と笑っていた。

「ネットでここ紹介してもいいですか?」と尋ねたら、「いいよ!いいよ!好きにやって!」と快諾をいただく。
最初、広場を見てまわってるときは、どんな人が作ってるんだと構えていたが、おしゃべり好きの人のいいおじいさんであった。



P2187882

壁にはいままで開催された、宴会の記録が貼られている。
参加しているのはいずれも10人ほどであるが大花見大会、大バーベキュー大会、大納涼祭と威勢のいい名がつけられている。

一番右のお花見会なんて

スーパーウルトラダイナミック大花見大会

だかんね。



P2187914

2~30分お話を聞かせていただき、お別れのお時間。
車に乗りこむ直前、家のまえで立ち止まったおじいちゃんが「ちなみにーーーー!!」と大きな声で叫んだ。
なにか言い忘れたのかと思ったら

「ちなみにーーー、俺、75歳!!!」


といきなり最後に年齢を教えてくれた。
ちなんでくれて、ありがとうございます。

「まだまだパワーアップ中だよ!」とのことなので、しばらく経ったら再訪したい。
そして、できればスーパーウルトラダイナミックな飲み会に紛れこみたい。







「中條さんの集会所」の情報
オススメ度:★★★★★
アクセス:富岡製糸場から車で20分ちょい
住所:群馬県甘楽郡甘楽町秋畑あたりの県道46号線沿い
電話番号:- 
営業時間:-
定休日:-
予算:-
関連サイト:群馬B級スポット