
栃木県宇都宮にある「宇都宮動物園」は、ゾウやキリンなどの大型動物に直接エサをあげられるよ。
キリンの舌って、むちゃくちゃヌッチョリ湿ってることをご存じでしたか。

▲宇都宮動物園
餃子の町でおなじみ、栃木県宇都宮。
本日から宇都宮は餃子にくわえて、「宇都宮動物園の町」であるとご認識いただきたい。それほどアイデンティティー溢れる素晴らしい動物園なのだ。
動物園へは、宇都宮駅からバスで30分ほど。周囲にこれといったっ商業施設もない、ちょいと寂しいエリアにいきなり「いらっしゃいませ」と入口が登場する。

駐車場には、何号なのだかわからない鉄人がいる。
車から降りたとたんに、牛牧場に酷似した獣の臭いが香ってくるよ。

胸元にWELCOMEのプレートこそさげているが、まったくウェルカムな雰囲気ではないゴジラが、入口でお出迎えしてくれる。

その傍らには、虚空を見つめるカンガルーがいた。イってるカンガルーにゴジラ、なかなか斬新な阿行吽行である。
入場料は大人1200円。上野動物園などに比べれば、若干高めの設定。平日昼にもかかわらず、家族やカップルがちらほらいたよ。

入園するなり、脇の小部屋で「うんこ展」をやっていた。
ゾウのウンコで作った紙が展示されていたり、乾燥ウンコを触れたりする。カピカピに乾いたゾウのウンコは、泥ダンゴみたいなもんで無臭である。

と、思いきや、鼻のいい子供たちは敏感にその臭いが感じとるようで、感想ノートに「うんこくさかったです」と書かれていた。
そして、その横に描かれた「うま」。いや、「ひと」だろ、それ。

「ぞう死にそうだった」とも描かれていたので、いまから、ゾウに会うのが楽しみだ。

ちらほら客はいるものの混んでるわけではない。
年季のはいったステージで、ドッグショーの練習をしている光景が妙に切なく、胸にグッときた。

▲お休み処
お休みどころはビニールハウスだ。思う存分、くつろごう。
●オブジェの目つきがギンギン過ぎる



園内のあちこちに動物オブジェがあるんだけど、基本的に目つきがギンギンだ。
「おいでよどうぶつの森」に出てくる動物がこういう連中だったら、きっとR指定で、クロックタワーみたいなゲームだったろう。

こちらのライオンは、口からはいって

尻から出る。
大変リアルな捕食体験ができるのだ。

登って、下るだけの謎の階段もあった。
●なぜか城がある

受付を抜けると長い一本道。
その先に見える巨大な影は、ゾウでもサイでもなく、城である。なぜか黒々とした立派な城が建っているのだ。

このお城、100円払えば入場可能だ。
2階以上へは登れないようになってるので、天守閣から動物園を一望したりはできない。1階の広間を見学するだけだ。

城内は無人。
小箱に100円を投入し、矢印にしたがう。

眠ってるラクダと目がイってるカンガルーを通りすぎると・・・

展示ルームがあった。この写真が、展示ルームの全貌である。
城のなかには、数匹の剥製とチョウチョの標本があるだけなのだ。
長時間の鑑賞にも耐えられるよう、イスも何脚か用意されているぞ。

剥製の表情がやけに人間臭いんだよね。
●動物をすげえ近くで見れる


はてさて、肝心の動物たちなのだが、すげえ近くで見れるのだ。よっぽど獰猛な種族でなければ、手をのばせば触れるほど。
こんな仕切りがゆるい動物園、はじめてだわ。


なんたって頭突きをされるほど近いんだから。
●ラーメン屋のスポンサーがついてる

ライオンの檻を眺めると、壁になにやら派手やかな看板が貼られている。
かわいいイラストが描かれているし「ライオンの生態を説明してるパネルかな」とよくよく見てみると・・・

ラーメン屋の宣伝であった。
「和ダシを使ったダブルスープです!」だそうだ。
そう、この動物園、地元企業をスポンサーにつけているのだ。

隣のメスライオンの檻には

中の人が見えてるバージョンの看板が。なぜ着ぐるみを脱いだ。
さっきとは別のラーメン屋だ。


小動物の檻には「宇都宮とんこつ行き」の新幹線が描かれ、各窓にはラーメン屋の宣伝が3店舗描かれている。

ラーメン屋ばかりではなく、パン屋さんや

タイヤ屋さんの宣伝もあるよ。
どれもこれも手描き感満載のゆるいイラストがいい。
値段によっては「東京別視点ガイド」の広告を、サルの檻にでも取りつけてほしいものだが、いくらなんだろう。
●ゾウに餌をあげよう

宇都宮動物園、最大の特徴がこれ。動物に直接餌づけができること。

▲動物のごはん 100円
100円で動物のごはんを購入できる。紙袋のなかに、にんじんやキャベツの切れっ端が入っているよ。
「餌付けったって、せいぜいハムスターだのウサギだのそんなとこだろう」と思っていたんだけど・・・

キリンにあげられた。
そうなんです。
よその動物園とは違って、小動物だけじゃなく、でっけえ連中にも餌をあげられるの。
キリンの舌、むっちゃくちゃヌチョヌチョしててスケベだったなあ。鮫肌みたいにもっとザラザラしてんのかと思ってた。

とはいえ、まさかゾウにはあげられないんだろうなあ。
ゾウって言ったら、動物園でも主役級の扱いだし、近づけないよう溝までもうけてるしなあ。

あげれた。
こちらもぐいっと身を乗り出せば、びよーんと伸ばした鼻にちょうど届くぐらいの絶妙の距離なのだ。
ファイト一発っぽい構図だ。

鼻っ先をたくみに使って、キャベツを掴んでいくよ。


食べ物をくれることを理解してるので、動物たちはみんなガッついてくる。「せっかく動物園行ったのに、みんな背を向け眠ってた」なんてことにはならないので、いいですな。
柵に顔を乗っけて、ひたすら長時間待ち続ける賢い羊がいた。食い物への期待感から、目がとろーんとトロけてるわ。

このロバも柵に首を預けてた。目がとろけてるなあ。
●遊園地もナイスなオブジェだらけだ!

▲遊園地コーナーの全貌
動物園の一角は、遊園地コーナーとなっている。

入口にはウルトラマンが立ってるよ。

ウルトラマンは背中にのることも可能だ。

パンダのほうは腹部に乗る。

ゴーカート場には

花びらのなかに入ったヒゲの警察官がいる。

このスワンの乗り物、見た目は普通なんだけど、稼働してるときの音楽が「サザエさんの日常シーンで流れる効果音」なのだ。
優雅なスワンの動きとほのぼのしたサザエさんの音楽が、すげえ違和感のあるアトラクションだ。

でっけえガリバーの体内で遊べる子供用の遊具。

横っちょに漫☆画太郎風味の小人が立っていた。なんだか体内に入ったとたん、「ガ、ガリバァ、く、臭ぇ!」的なことが起こりそうだ。


ぐるぐる回転する乗り物には浦安っぽい小人がいたり

浦安っぽいゾウがぐるぐる回る乗り物には

浦安っぽいネズミが乗っかっていたりする。

メリーゴーランドの天井には

乗り物とはまったく関係のない、ちっこいダンボが飛んでいた。

浦安モチーフのみならず、少年ジャンプモチーフも存在するよ。

ドラゴンの背中に乗るアトラクションなんだけど

入口には、なぜか仮面ライダーがポーズをとっていた。なぜ仮面ライダー。

ゲームコーナーには、鹿の角がついた帽子が置かれている。かぶってみよう。

そのゲームコーナーはこの通り、すっかすか。
奥になんかあるなあ、と思って近づいてみると・・・

ワニワニパニック、仮面ライダー、河童が並んでいた。
この動物園、イナゴ害よろしく、そのうち仮面ライダーに埋め尽くされるんじゃないだろうか。

仮面ライダーよ、ポーズとってる暇があったら、隣のカッパを倒しておくれ。

赤ちゃんのおむつ交換をする小部屋にも、ウルトラマンが立っていた。
動物に匹敵するぐらいたくさんいるな、仮面ライダーとウルトラマン。
■「宇都宮動物園」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:宇都宮インターから車で5分
住所:栃木県宇都宮市上金井町552-2
電話番号:028-665-4255
営業時間:9:00~17:00(1月中旬~2月末9:30~16:30)
定休日:なし
予算:大人1200円
関連サイト:公式サイト
また職員や美術学校の生徒さんたちによる童話のオブジェもあり面白いですよ。