
青森県下北半島にある「恐山」はイタコで有名な霊場だ。
本堂の横にある掘ったて小屋は、入浴自由の温泉となっている。超強烈な硫黄泉なので、10分以上入っちゃいけないのだ。
2013年7月、私は恐山にいた。
それというのも、年に2回の例大祭のみやってくるというイタコの口寄せを体験したかったからだ。
詳しい顛末は過去記事を読んでもらうとして、結果的に11時間もイタコの列に並んでいたため、恐山霊場はささっと流し見する程度だったのだ。
その際、心残りが1つあったので、つい先日再訪してきた。

水子供養の風車がからからと回っている。
恐山は亜硫酸ガスが噴出しているので、ロウソク、線香などは着火の恐れがあるのだ。そういったお供えものの代用に風車をつかう。

三途の川には小石が積まれていた。霊場内には華美な装飾が一切なく、厳かな雰囲気だ。

流れる小川からは、硫黄の臭いがツンと香る。

極楽浜と湖。
それなりに大きな湖なのだが、硫黄の成分がたっぷり溶けこみ強い酸性なので、わずか1種類の魚をのぞいて生き物の生息は不可能なんだって。
●恐山温泉に浸かろう!

以上の光景は、2年前に訪れたときも見たんだけど、心残りだったのはこちらの本堂・・・

・・・の横にある恐山温泉だ!
本堂を挟んで両サイドに掘ったて小屋が建っており、それぞれ男湯と女湯になっている。この距離でさえ、硫黄の臭いがプンプンしてくる。
参拝者は自由に入っていい。


とはいえ、この説明もなければ、ウェルカム感もない構え。前回訪れたさいは入っていいものだなんて及びもつかなかった。帰ってきてから、入浴可能と聞いて、ぜひとも入りに行きたかったんだな。

木製の扉をがらりと開けると、脱衣場に先客のおじさん2人が着替えを済ませている。「こんにちはー、入るの!?」と声をかけれた。
湯船を写真におさめていると、おじさんは「俺が撮ってやるよ!」というので、カメラを渡して入浴することに。

服を脱いでる最中から湯船に浸かるまで、パシャパシャとあらゆる角度からヌード写真を撮られまくり、旬を過ぎた女優の気持ちがすこし理解できた。
お湯からはものすごい硫黄臭が漂っている。注意書きによれば「かなり強めの酸性なので、5分~10分以内にあがってくれ」とのこと。もとより湯の温度が、相当熱めなので10分を超えて浸かることなど不可能で、5分ほどであがってしまった。
それだけの時間でも充分、体は暖まったし、他では味わえない情緒があった。
真水で洗い流すことも出来ず、そのまま服を着たので、帰りのバスでは体中から硫黄臭を漂わせていたのは言うまでもない。
■「恐山」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:JR「下北駅」からバスで40分
住所:青森県むつ市田名部宇曽利山3-2
電話番号:恐山寺務所 0175-22-3825
営業時間:6:00~18:00
定休日:5月1日~10月31日以外は閉山している
予算:入山料500円
関連サイト:2013年7月の記事