
香川県善通寺に「石パン」というむちゃくちゃく硬いお菓子があった。
”噛めるもの”という認識があらかじめなければ、絶対に噛み砕こうとトライしないレベルの硬さだ!
日本で一番硬いスイーツ、それが高知の「ケンピ」だ!最初のひと噛みは"石"に匹敵する。原料は小麦粉と砂糖のみ。30秒ほど口のなかでほっておくと、ほわっと溶けて卵ボーロに似た甘みが出てくるぞ。
http://t.co/eUogsWGhdg pic.twitter.com/lctSZMYAcs
— 東京別視点ガイド (@another_tokyo) 2015, 6月 26
つい先日、こんな感じで高知の「ケンピ」を日本一硬いお菓子として紹介したところ、「いやいや、香川の善通寺にある石パンのほうが硬いっしょ」とコメントをもらったわけです。
ケンピ、マジで硬かったからね。それ以上、硬いお菓子があるんなら、ぜひとも歯茎が健在なうちに、この歯でかじってみたいもの。

▲75番札所・善通寺
ほんならちょっくらかじってみるかってわけで、来ちゃいました、香川県の善通寺。
いやね、ジェットスターで東京~高松間が6千円とかだったもんで、直島だとか巡るついでに寄ってみようと。

善通寺は弘法大師誕生の地とされている由緒正しいお寺で、四国巡礼の札所にも指定されている。
完全なる闇のなかを歩く「戒壇めぐり」もやってみたんだけど、いやあ、怖かった。マジで光ゼロ。左手をずっと壁にそえてソロソロ歩く。真っ昼間だけど、前にも後ろにも誰にもいない本物の闇を進むのは、動物的本能が避けたがりますね。なかなかいい経験だった。
お賽銭もして、戒壇めぐりもすませて、いざ、石パン!


創業100年を越える老舗の「熊岡菓子店」は、善通寺の目の前にあるよ。参道にはほとんどお店がないし、のれんにもカタパンと書かれているからすぐ分かる。


店頭のケースにお菓子が並んでいる。いつから使っているのだろう、木とガラスのケースがむちゃくちゃ渋い。
どうやらパンとはいっても乾パンのようなビスケット状のもので、小麦粉と砂糖を練って焼きあげ作るそうだ。日持ちのする兵隊の携行食品として拡がったんだって。

昔貼っていたんだろうか、レトロな看板が掲げられている。

おっ、あったあった、石パン。100g単位の量り売りか。
マジで石っころみたいな見た目をしてるぜ。

石パンによく似ている小丸パン。形が違うだけかと思ったが、店員さんいわく「似てるけど生地も少し違うから、堅さも違うよ」とのこと。
せっかくなんで硬そうな3種類のパンを買って、食べ比べてみることにした。
●石パン、角パン、小丸パン!一番硬いのはどれ!?

▲角パン 1枚30円
硬さ第3位 角パン。
ビスケットのような素朴な見た目に心を許してはいけない。前歯でかじったらビクともしなかった。
とはいえ、硬さはせんべいと同レベル。健康的な奥歯をしていれば問題ない。

▲小丸パン 1個20円
硬さ2位 小丸パン。
こいつはかなり硬い。間違いなくせんべい以上の硬度で、歯だけの力では分断できず、テコの要領で指でしならせてボキッと折れた。硬いは硬いんだけど、コツを掴めば、そう食べづらいものでもない。
表面のザラザラしたものは、ショウガ風味のお砂糖だ。

▲石パン 100g180円
硬さ断トツ1位!!石パン!!
丸パン、角パンの比ではない!
あらかじめ「噛めるもの」という認識がなければ、アメかなんかだと思って噛み砕こうと夢想だにしないレベル。むちゃくちゃ硬い!厚みもかなりのものだから、ケンピのように口のなかで転がして、唾液でふやかす戦略もとれない。
とにかく勇気をもって、強く烈しく力のかぎり噛むしか術がない。老人にとっては、まさしく石だ。

▲高知のケンピ
じゃあ、ケンピとどっちが上かっていうと難しい。
どっちもむちゃく硬いのだが、硬さの質がちょっと違うのだ。
石パンは表面がひたすら硬いんだけど、そこさえ突破できれば内部は意外ともろい。ケンピは密度が凝縮されていて、どこまでいっても均一に堅い。
あえて順位をつけることはせず、「表面硬度の石パン」と「密度のケンピ」と命名するにとどめておこう。
今後も硬いお菓子情報、お待ちしております。
w
■「熊岡菓子店」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:「善通寺駅」から徒歩12分
住所:香川県善通寺市善通寺町3-4-11
電話番号:0877-62-2644
営業時間:7:30~17:30(平日)、8:00~17:30(土日祝)
定休日:火・第3水曜
予算:石パン100g180円
関連サイト:食べログ