群馬の板倉町公民館には「昆虫の死骸2万匹でつくられた千手観音」があるよ。
カブトムシ、オニムシ、タマムシ、カナムシ、カナブン、カミキリムシなどの昆虫をつかい、6年間かかって作製された仏像だ。
ここは、群馬県板倉町の公民館。
殺風景で広々としたスペースに、町民の俳句がかかげてあったり
インターネットのできるパソコンが置かれていたりする、地方のごく一般的な公民館だ。
ホールには千手観音の像が飾られているのだが、近づいてみて、よくよく観察してみると・・・
顔も、胴体も、台座も、すべて昆虫標本で出来ているのだ!
カブトムシ、オニムシ、タマムシ、カナムシ、カナブン、カミキリムシなどの昆虫を約2万匹つかっている。製作期間は6年間。作者の稲村さんは、寝る間も惜しんで昆虫採集、はく製作りに励み、寝るまも惜しんで昆虫千手観音づくりに精をだしたとか。
とくに夏場は、夜中に昆虫を取りに行って、そのまま深夜3時まで作業、朝6時に起床して仕事に向かう、なんて生活を繰り返していたそうだ。
とくに夏場は、夜中に昆虫を取りに行って、そのまま深夜3時まで作業、朝6時に起床して仕事に向かう、なんて生活を繰り返していたそうだ。
2万匹にもおよぶ昆虫の死骸と、熱狂的な執念が生みだした、異形の仏。おだやかな表情と姿形をしてはいるが、どこか禍々しいオーラもはなっている。
にぶく光る腕にはびっしりタマムシがつけられていて、印を結ぶ指はクワガタムシだ。
かなりの厚み。
光背も、もちろん昆虫で作っている。
足元をカブトムシが歩いている。
隙間をあけることなく、台座にびっしりピン止めされた虫たち。
錫杖にも虫がびっちりついている。
錫杖をにぎる手と指はクワガタ虫だ。
作成者の稲村さんは、地方新聞の「群馬のおとうさん」という、ほのぼのコーナーみたいな欄で取りあげられていた。今年で御年95才になられるそうだ。
「モデルは唐招提寺金堂の千手観音で、虫供養として製作」と書かれている。虫供養のために昆虫観音製作とは、ちょっと本末転倒な気がしないでもないが、いまではあらたに虫を傷めるのも心が痛み、とっても逃がしているとか。
虫好き、仏好きは、拝観してみてはいかがでしょう。
■「昆虫千手観音」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:東北道「館林IC」から車で5分ほど
住所:群馬県邑楽郡板倉町大字板倉2698
電話番号:0276-82-2435
営業時間:午前8時30分から午後5時15分
定休日:月曜・祝日・年末年始
予算:なし
関連サイト:板倉町公民館サイト