青森県下北半島の先っぽに「道路を自由にあるいてる馬たち」がいる。
尻屋崎エリアに放牧されている寒立馬たち。草を食べるか、微動だにしないかの2択だ。
青森県下北半島の先っぽ、尻屋崎。
この本州の端の端では、放牧されている馬がポコポコのんきに道路を歩いていると聞いた。
寒立馬と呼ばれ、極寒の地でも生きられるたくましい農耕馬。一時期は9頭まで数を減らしたが、青森県の保護政策で40頭ほどまで増えている。
下北駅でレンタカーを借り、津軽海峡にそった海沿いの道を走ること40分あまり。
民家もなければ、対向車も来ないようなエリアにまでたどりつき「本当に馬なんて歩いてるのか??」と不安がよぎってきたところで、道ばたにドカンドカンと大きな糞が落ちていた。
いる。遺留物の状態からして、犯人はかなり近くにいるはずだ。
いた。
灯台周辺の草っぱらに、馬がわらわらといた。
一般的に馬といわれて思い浮かべるフォルムとは、かなり異なっていて、胴が太くて足が短い。スマートではなく、ずんぐりむっくりして大きいのだ。
ロードバイクにまたがって颯爽とあらわれた自転車乗りのおにいさんも、寒立馬を見つけるなり、おもわず「デカっ!!」と叫んでいた。それぐらいデカい。
寒立馬たち、とにかく草を食いまくる。ちょっとずつ前に進みながら、草を食べ続けている。
私の存在などまるで意にも介さず、永遠と草をはむはむしているのだ。
近づいて写真を撮っても、一瞥もくれない。草だけを食べてる。
覗きこんでも気にしない。ひたすら草を食う。
柔らかそうなくちびるを地面につけて、最小限の口の動きで草を食べる。
たくさん草を食べるからだろうか、お腹もぽってりとしている。
スマートな競走馬もいいけれど、個人的にはこの馬たちの親しみやすいガチムチボディー、かなり好きだ。
草を食ってない馬はなにをしているのかというと、ぼーーーーーーーーーーーっと突っ立っている。
その「ぼーっ」っぷりは堂々たるもので、ぼーっの伸ばし棒を10個も20個もつけたくなるほど、長時間にわたって微動だにしない。
どこか愁いをおびた表情で、ぼんやりと一点を見つめながら、立ち尽くしているのだ。
大雪の積もる極寒の大地に、耐えるように何日間も、ひたすら立ちつくしているその様子から、マタギがつけた名前が「寒立馬」だったとか。
食べる、じっとする。2択を徹底し、合理的行動を突き詰めることが、極寒の下北半島で生き残る術だったのだろう。
あまりにも微動だにしないから爆笑してしまった。草食うか、微動だにしないかの2択。 pic.twitter.com/VPossbaZrJ
— 松澤茂信 (@matsuzawa_s) 2016年6月4日
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動画にもかかわらず静止画と勘違いされそうなほど、まるっきり動かない
草を食べ続けている馬と微動だにしない馬のギャップが面白すぎて、爆笑してしまった。
灯台・崖・広大な原っぱ。に、動かない寒立馬。5感でそのシチュエーションを味わうからこその面白さがある。
わざわざ下北半島の端っこまで行ってみる価値、大ありでっせ!
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◎撮影◎
齋藤洋平(insta/twitter)
■「寒立馬」の情報■
オススメ度:★★★★☆
アクセス:下北駅から車で40分くらい
住所:青森県下北郡東通村尻屋崎
電話番号:0175-27-2111(東通村つくり育てる農林水産課)
営業時間:4月中8:00~16:00、5月~11月7:00~17:00
定休日:12月~3月いっぱいは立ち入り禁止
予算:なし
関連サイト:青森県観光情報サイト