
「ちょうどいい気候だし、体を動かしたいな~」ということで、登山してきましたよ。大阪にある日本一低い山・天保山に。
標高4.53m、90秒で登頂できた。

▲天保山一合目
大阪市営地下鉄「大阪港駅」には、日本一低い山がある。
その名は天保山。標高は驚きの4.53m。山岳救助隊も組織されてるそうだが、いまのところ、一度も出動は無いという。そりゃ、そうだ。4.53mって言ったら、うちの近所の2階建ての三菱東京UFJ銀行より背が低いけど、三菱東京UFJ銀行で遭難したやつなんて居ないもの。
5月中頃の週末、暑すぎず寒すぎずの心地よい登山日和にも関わらず、人気はまるでない。

人目が無いのをいいことに、猫のカップルがいちゃついていた。
すぐ傍に大阪きっての水族館「海遊館」があるということで、この駅にはカップルが溢れかえっているんだけど、猫までカップリングしてるとはお見それした。

漢一匹覚悟を決め、歩みをすすめたところ、前方にもう1人の登山客の影が。

目の覚めるような青シャツにタイトな白ズボンという、登山からは最も遠いファッション。
高校の課外授業で高尾山を登ったさい、私語が止まらない生徒にむけ、地理の先生が叫んだ「山を舐めるな!」との名言が頭をよぎった。
よほどの山の上級者なのだろう、青シャツの彼はあっと言う間に視界から消えた。

すがるように彼を追いかけ、最初の難関13段の石段を登りきると、目の前に現れたのは天保山名物「四角い金属」だ。
都会ではなかなかお目にかかれない確かな四角さ。
ちょっとここで一休み。自然が生み出した美しき四角を眺め、山を満喫しよう。

四角い金属をたっぷり堪能したら、登山再開。
きれいに整備された登山道には、等間隔で鉄の棒が立っている。
人にまみれて慌ただしく生きていると、見逃してしまいがちな、些細な鉄の棒。こんなところに目を向けるのも、山を登る楽しみの1つかもしれない。

まっすぐ続く登山道を抜けると、とつぜん姿を現す美しきアート作品の数々。
こちらはマグロが描かれているし…

お隣にはフグやカニが描かれている。
山を登っているにも関わらず、海ど真ん中なモチーフである。

というのも、天保山の登山道は、すぐ横が海なのだ。
山から海を見下ろせる、とかそういうレベルではない。真横。真横が海。なんだったら海を走る船の搭乗員から見下されるレベル。

疲れもピークに達した9号目。
最後の難関が、この8段の石段だ。

息を切らして登りきれば、山頂を示す三角点があらわれる。

見事、天保山の登頂に成功した。所要時間90秒。入り口でカップ麺に湯を注いで、戻って食べればちょうどいいぐらいの時間。
記念に山頂で自撮りをした。

山頂の脇にモニュメントがあるんだけど、なんだったら、このモニュメントのほうが天保山自体より高い。

「てんぽーざん」と書かれたステッカーが貼ってある、ふもとの商店の何店舗かで、登頂証明をもらうこともできる。あちこち探し回って『喫茶ロマン』でゲット。これで、富士山、高尾山についで3つ目の登頂だ。
証明書には”日本一低い山”って書かれてるけど、じつは天保山、2014年現在日本一では無い。
2012年、仙台市の標高3m日和山に日本一の座を奪われている。
ま、日本2位でよければ、海遊館ついでにちょいと90秒で登ってみてくださいまし。いい運動になりますよ。
■「天保山」の情報■
オススメ度:★★★☆☆
アクセス:大阪市営地下鉄「大阪港駅」から徒歩6分
住所:大阪府大阪市港区築港3-2
電話番号:-
営業時間:-
定休日:-
予算:なし
関連サイト:天保山山岳会