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大阪でも指折りのディープゾーン、西成区は飛田新地にある料亭「鯛よし百番」に行ってまいりました。
大正初期の遊郭だった建物をそのまんま使ってるから、重なりに重なった深い情念が染み込んでいる。



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▲鯛よし百番

大阪でも指折りのディープゾーン、西成区は飛田新地の真っ只中にある料亭、それが「鯛よし百番」である。大正時代から遊廓として営業していた建物を、そのまんま使っているので、見てのとおり怪しげな色香を漂わせている。



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あべのハルカスや天王寺のショッピングビル群からも歩いて行ける距離にありながら、飛田新地一帯はまったくの異世界。料亭(というテイ)の小さな店舗が通りの両サイドにずらっとひしめき、ピンクのライトが女を照らす。各店舗1人ずつ客引きのおばちゃんが張り付いていて「お兄ちゃん!ほら!この子に決めちゃいな!」と道ゆく男に声をかける。撮影なんてもってのほかってエリアだが、この鯛よし百番だけは撮影可能。

たしかに周囲は異様な空気を醸し出しているが、百番グループは関西一円で50店舗を超える巨大居酒屋チェーンなのでご安心を。ただし女性だけで行く場合、こういうとこに不慣れな方はタクシーを使うのが無難ですね。そこいらの歓楽街とはグレードが違うので。
完全予約制なので、前日までに電話をしておこう。電話口では「どのコースにするか」と問われるので、ぐるなびページであらかじめ選んでおくとスムーズだろう。僕は一番安価な味噌ちゃんこ鍋2484円にした。お酒をちょいと呑んで、鍋をつまんで4000円ぐらいだった。



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下駄箱からしてこの風情。トンチの1つでも吐きたくなる屏風である。



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平日だったのもあり、僕らのほかは2組しかお客さんがいない様子で、店内は静まり返っている。
緊張しつつ「すいませーん、予約した松澤です」と声をかけると、ラグランTシャツを着た拍子抜けするほどラフな格好の店員さんが参上。てっきり黒服のいかつい男が仕切ってるもんだと思ってたわ。



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ちょっと見渡すだけで、日光東照宮の陽明門を再現した柱とか



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ありとあらゆる情念がこもってそうなひな壇なんかがある。



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京都・三条大橋を再現した階段をのぼり、2階へ。



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金色に加工された襖。



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2階廊下は東海道という設定のようで、「江戸へ六十八里」なんて道標が立っている。



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壁の絵も当時のまんま。髪型や服装に時代を感じるね。



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トイレは男女共用。小便器にはビールケースが突っ込んであって利用できないようになっていた。



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もともとの利用用途を考えれば当然ですが、客間はすべて個室。
テーブルがおいて間が一段高くなっていて、船の形をしていた。



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天井にも木彫り細工がされている。



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すでにちゃんこ鍋の準備はされていた。スープが煮立ったら肉、海鮮、野菜を入れていく。
まあ、料理自体はどうということもない居酒屋クオリティーの代物ですわ。



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箸入れには

友人と飲る(やる)同僚と飲る上司と飲る たまにはやさしい妻と飲る

とポエムが書かれている。
鯛よし百番で読むとダブルミーニングに感じてしまう。



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から揚げなどの一品料理やドリンク類は、電話で注文する。



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窓から見える内庭。



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窓から見える外の景色。
ボッと眺めていたら、なかに何の液体が入ってるかは分かんないけど、ジョッキ片手に道を歩きまわる子どもがいて、ここいら界隈の日常が掴めた気がした。









「鯛よし百番」の情報
オススメ度:★★★★☆
アクセス:天王寺駅から徒歩10分
住所:大阪府大阪市西成区山王3-5-25
電話番号:06-6632-0050
営業時間:17:00~23:00
定休日:月曜(12月は営業)
予算:チャンコ鍋2500円ぐらい~
関連サイト:ぐるなび