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船橋の駄菓子屋「リュウ君の店」が最高面白エンタメ空間だった!
ウソかマコトかわからない店長さんのイリュージョントーク、駄菓子をつかった創作メシ、トンチの効いた仕掛けの数々……。
なにもかもが最高で、愛に充ちている。 子どもだけじゃなく、大人も楽しめる駄菓子屋ですわ。
 

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▲船橋のなんでもない住宅街の路地にある。ホワイトボードの看板が目印だ

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▲駄菓子屋「リュウ君の店」

千葉県船橋のなんでもない住宅街の狭い路地をはいったところに、最高の駄菓子屋「リュウ君の店」があるぞ!
店主の人柄もはちゃめちゃで愉快だし、駄菓子をつかった創作メシも新しい。店中に備えつけられた仕掛けも面白いしで、子どものころ近所にあったら、通い詰めてたこと間違いなし。
実際、お年玉の大半をぶっこむ子どももいるんだって。



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▲店主の松田さん(左)と、ときおり店番をしている息子さん(右)

「リュウ君の店」という店名は、飼い犬の名前からきてる。17年前、飼い犬リュウ君の小屋の上に、会員制の駄菓子屋をオープンしたのがもともとのきっかけだとか。



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▲アルファベットのゴムシートが座布団がわりだ

店内にはテーブルが1つある。入店時、中学生女子2人が駄菓子メシを食べていたのだが、わざわざ遠くの駅からこの店のためにやってきたそうだ。






●ウソかマコトか分からないイリュージョントークを堪能せよ!

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▲7つの顔をもつ店長。そのうちの1つが歯科博士ドクターMだ

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▲「この歯ブラシは1分間に65万回磨ける!」と断言

この店のなにがすごいって、店長さんの虚実ないまぜになったイリュージョントークだ。
妙にスケールがデカくって、なにが本当でなにがウソなのかわからない。息子さんの顔つきでだいたい察するしかない。

たとえば、特製歯ブラシの話し。
「この歯ブラシは1分間に65万回磨けるんだよ!」「30万年前に炎をゲットして、人間はパワーを得た。そのつぎは石炭、そして石油、原子力。第5のパワーがこれ、この歯ブラシ」
と、この歯ブラシがエネルギー革命であることを力説する。
カウンターの奥にたたずむ息子さんが、ふくみをもった柔和な笑顔をしていた。



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▲塗ると頭がよくなるヌレバー軟膏。メーカー名の”タイホ製薬”でセルフツッコミ

イベントなどでガマの油売りもやってるそうで、口上が身についているからか、立て板に水でつぎからつぎに話しが出てくる。
取り扱ってるのはガマの油・ヌレバー軟膏。「塗れば頭がよくなる。その仕組みは~~」とさんざん説明したあとで、見せてくれたビンのフタには”タイホ製薬”とセルフツッコミがされている。
 
元銀行マンで、現駄菓子屋店長という異色の経歴。19歳から21歳までの2年間、世界一周の旅に出ていた。サンフランシスコで野垂れ死にしそうになったところを神父さんに救われたり、波乱万丈な人生を送ってきた。
いまでも年1回、サンフランシスコのお祭りでガマの油売りの公演などをやってるそうだ。
世界一周の経験は「10~15年後に活きてくる。仕事や生活がつらいときに、世界を見たことが背中をおしてくれた」とおっしゃっていた。






●駄菓子メシは酒のつまみにもなる

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▲駄菓子メシのメニュー表。20種類ぐらいある。

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▲そのほとんどが駄菓子をつかった料理だ。

「リュウ君の店」のカウンター奥には厨房があって、駄菓子をつかった”駄菓子メシ”を作ってくれる。
値段も75円からとお手ごろだ。昔、「オーマイコンブ」って漫画があって、駄菓子で料理を作ってたのを思い出した。


OH!MYコンブ 1 (コミックボンボン)
OH!MYコンブ 1 (コミックボンボン)


余談だけど原作が秋元康なんだよね、このマンガ。幅広い。

駄菓子メシはたいていのメニューが、子供たちから教わったもの。
「うまい棒トッピングしてくれ」とか「ケチャップかけてくれ」とかリクエストに応えてくうちに1つの駄菓子メシが完成する。
「たつおスペシャル」「しょうた太だんご」などは考案した少年から名前をとっていて、「ブラックサンダーデストロイ」や「ぼったくりロマンス」は、レシピを考えた子どもがつけた名前なんだって。
そういわれてみれば、ブラックサンダーデストロイなんて、なんだか無闇に強そうで、小学生男子のネーミングセンスって感じだ。 



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▲大人もやってくる駄菓子屋だから、ドリンクケースには金麦や氷結もある

ドリンクケースにはチューペットみたいな安いジュースから、金麦・氷結なんかのアルコールもある。
子どもたちにまじって、大人もやってきて、駄菓子メシをつまみに一杯ひっかけていくそうだ。
このときも常連のおっちゃんが1人でやってきて、小一時間楽しく会話をしたんだけど、学校帰りの小学生もいれば、電車でわざわざやってきた中学生女子もいて、子ども連れの家族から地元のおじさんも集ってくる、客層ばっらばらの不思議空間なのだ。





●ベー玉がうまい!

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▲えびせんにマヨネーズ、ケチャップ、マスタードをたらして

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▲たまごとベーコンを鉄板で焼く

なかでも一番人気だという「ベー玉」を注文してみた。
えびせんにケチャップ、マヨネーズ、マスタードをたらし、鉄板では卵とベーコンを薄くつぶして焼く。



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▲ベー玉 162円

最後に2つをドッキングさせ、コショウをふりかければ、ベー玉の完成だ。なにこれ、うまそう!
もともとベーコンだけで作ってたのだが、「名古屋には”たません”ってのがあって、目玉焼きものっけてくれるよ」とお客さんからrアドバイスされ、つぶした目玉焼きを追加したそうだ。



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アツアツのうちにいただく。えびせんがパリパリで、ジャンキーでうまい!
子どもなら夕食の小腹をみたすのにちょうどいいし、大人なら酒のつまみにもってこいだ。



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▲ギャラクシーぺペロン 162円

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ベー玉で食欲が刺激されたので、ギャラクシーぺペロンも頼んでみた。
駄菓子屋でよく売ってる四角いパックのインスタントラーメンありますよね、あれの豪華版。
ペペロンチーノ麺に目玉焼きや揚げ玉をトッピングしたもので、ぐわーっとかき混ぜて食べるのだ。



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ベー玉、ギャラシーぺペロンと主食を食べ終えたら、甘いのが欲しくなる。
好きな味のマシュマロをいくつか選んで、店長さんに渡す。



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そのうち3つを串で刺して、チョコを塗れば


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▲しょうたダンゴ 75円

しょうたダンゴの完成だ。
クックパッドには載ってない、しょうた君オリジナルレシピがここに再現された。



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残りのマシュマロはミルクせんべいと組み合わせて……



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▲ぼったくりロマンス 140円

生クリームをトッピングすれば「ぼったくりロマンス」へと大変身。



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なかには焼いて溶かしたマシュマロが入ってるよ。
もともとはロマンスという名前でやってたんだけど「弟がたのんだロマンスを、兄ちゃんがぼったくって(ひったくって)勝手に食べた」という事件があって、ぼったくりロマンスに改名したそうだ。





●「恐怖のガチャガチャ」の正体とは!?

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▲ナイスなイラストが描かれた恐怖のガチャガチャ

腹ごしらえがすんでも、まだまだ楽しめるのがリュウ君の店。店内には仕掛けがたくさんある。
たとえば、ドリンクケースの上におかれた「恐怖の自動販売き」。
10円で出来るそうなので入れてみたが、なにも出てこない。それどころかレバーが回らない。

よくよく注意書きを見てみると
10円玉をいれても何も出てこない恐怖の自動販売機。さあ~、君も10円玉を入れる勇気があるかな。そしてこの恐怖に耐えることができるかな?
とある。
そう、なにも起こらないのに10円を入れるのが恐怖だったのだ。
「こんなのぜんぜん怖くないよ!」という子どももあらわれるが「じゃあ、100円入れる勇気あるか?」と問うと、たいてい怖気づくそうで、すかさず「な、恐怖だろ」とキメるそうだ。

じつはこの恐怖のガチャガチャ、募金箱なのね。
さらに小さな文字で書かれた注意書きを読むと、貯まったお金は震災の募金にまわすとある。怖くて、ハートフルなガチャガチャなのだ。





●エピソードトークのオチを10円で聞こう!

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壁に貼ってあった写真が目についた。
ピストルを持ったひげもじゃの男たちが列車を闊歩している。
店長さんがアメリカを旅行中、偶然、列車強盗にあったときの写真だそうだ。
「え、このあと、どうなったんですか!?」と尋ねたら、「10円でオチを教えてあげるよ」とのこと。
エピソードトークのオチを買える駄菓子屋なんて、ほかにありますか。



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▲じゃが塩バターの後ろにオチが書かれてる

そこまで知ってしまったらオチを聞かないではいられない。
10円を払ったら、じゃが塩バターの後ろに書かれたオチを見せてくれた。ほかのお金を払ってない人にバレないよう、黙読する。ふむ、なるほど。
オチが気になる人は、実際に足をはこんで10円払ってくださいな。





●ドライブスルーもあるぞ!

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▲店頭にはインターホンがあって、ドライブスルーができる

この駄菓子屋、なんとドライブスルーまで完備している。
店頭にあるインターホンを押せば、店にはいらずともベー玉などを注文できるのだ。



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▲ドライブスルーとは言うものの

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▲すぐ先は行き止まりだ

ただし、リュウ君の店があるのは車なんてとても入れないぐらい細い路地だし、その先は行き止まり。
ドライブスルーとは言っても、ご高齢だったりベビーカーだったりして、段差がきびしい人向けのものなんだね。
店内までほんの数歩なので、自転車や徒歩の人は、お店のなかで注文しよう!





●UFOキャッチャーで金券ゲット!

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▲10円で挑戦できるUFOキャッチャー(チャンスラー)

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▲景品は醤油さし。なかに金券が入ってて、店内で使える金額が書かれている。

軒先にある昔ながらのUFOキャッチャー。10円で挑戦できるが、景品は醤油さしだ。
なかに金券がはいってて、店内でつかえる金額が書かれている。
大半が元値とおなじ10円だが、30円だったり100円だったり当たりも入っているぞ。
かなり取れやすい設定で、1度に2つすくえたりする。

途中でやってきた1人の小学生は、持ち金100円をひとまず全てUFOキャッチャーにつぎこんでいた。
めぼしい醤油さしをすべて手中におさめ、ボトルの山をもって意気揚々と店内へ。若くしておそるべき錬金術をあみだしたものである。





●手作り自動販売機でくじを買おう!

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▲店頭には手作りの自動販売機がある

店頭には、もろに手作りしたクオリティーの自動販売機がある。
投入口が2つあって、上は「くじの販売機」だ。
100円をいれたら10~15秒のタイムラグがあったのちに、くじが出てくる。
なかなか出てこないばあいはトントンと軽く叩けば、出てくるそうだ。



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▲立石バーガーの手動販売機

なんというか、この仕組み、僕の大好きなスポット「立石バーガー」の手動販売機とそっくりで興奮した。
手動販売機とは、100円玉がカチャンと落ちた音を聞き、店長さんがテグスを引き、ハンバーガーを落っことす販売機のこと。
立石バーガーの店長さんも若いころアメリカに住んでたし、人間、アメリカを経ると自動販売機が作りたくなるものなのだろうか。



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▲こういうくじが4枚セットで出てくる

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絵柄がそろえば当たり。金額分のお菓子を買える。使用済み切符も1枚入ってるよ。






●手作り自動販売機でパスタも買おう!


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おなじく手作り自動販売機。
下の投入口は、パスタ販売機になっている。



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100円入れたら途中で詰まってしまったので、針金で押し入れた。



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お金をいれたら、テラス席で5分ほど待つ。



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▲ゴソゴソ…っと音がした

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▲トレイにのってパスタが出てきた

「…ゴソゴソ」という音がしたので、覗きこんでみると、金属トレイにのってパスタが出てきた。
オートメーション、万歳。



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最後の仕上げは客がおこなう。
お湯を捨て、パスタの粉とマヨネーズをかき混ぜれば、おいしいパスタの完成だ。



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オープンエアの空間で食べるインスタントパスタ、最高!

いや~、リュウ君の店、めちゃくちゃ面白いですよ。
人良し、メニュー良し、仕掛け良しの最高スポット!
大人も子どもも楽しませてくれるので、ぜひぜひ遊びに行ってみてください。









「りゅう君の店」の情報
オススメ度:★★★★★
アクセス:船橋駅から徒歩6分
住所:千葉県船橋市本町5-11-14
電話番号:047-422-6002
営業時間:15:30~19:00(平日)、13:00~19:00(土日祝)
定休日:火、第2・4水曜
予算:ベー玉162円
関連サイト:公式アメブロ