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陶芸の里としてしられる茨城県・笠間と栃木県・益子。
県をまたいでこそいるが、2つの町は車で30分の距離だ。
この2大陶芸エリアはあわせて「かさましこ」と呼ばれている。
今回はかさましこの1日観光プランを別視点でおとどけいたします!




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突然ですが「かさましこ」と呼ばれるエリアを知ってますか?


茨城県・笠間と栃木県・益子。
どちらも昔から陶芸の里と知られ、おおくの作家たちが作品作りをしている町だ。


この2つの町、県をまたいでこそいるが車で30分とけっこう近い。
笠間と益子、2大陶芸エリアをまとめて「かさましこ」と呼ばれているのだ。
悟空とベジータがフュージョンしてゴジータになったようなものだね。
「かさましこのPR記事を!」と依頼をうけて、2か月間で4回行ったんだけど、このエリアすげえ掘りごたえあるんですわ!



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こちらは益子の広場。
さすが焼き物の本場、なんでもない広場の腰かけすら益子焼だ。
公衆トイレもあるんだけど、男女マークも益子焼でつくられていた。




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陶芸ショップが軒をつらねる焼き物通りは、点字ブロックも陶製なんだな。




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▲陶製の益子大仏

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益子を見下ろす小高い丘のうえには陶製の大仏までいる。
テカテカとしたお肌。毎日祈ればご利益でお肌のコンディションが上向きそう。




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焼き物の里。
いかにも、頑固な職人が「これじゃダメだ!!」とか叫んでツボを叩きわっていそう。
ストイックで固いムードの地域だとばかりおもいこんでいた。


が、じっさい足を運んでみるとイメージがガラリと変わった。
当然といえば当然なんだろうけど、実際行ってみるとそんなヤバい場面には出くわさない。むしろウェルカムな人たちばかり。
焼き物もツボや皿ばかりではなく、いろんな焼き物があることに驚いた。


たとえば益子の木村製陶さん。
上の写真のようにドクロやリトルグレイをモチーフにした、オカルト臭のする焼きものがたくさん並んでいる。
作家さんは「益子のキムタク」こと木村拓也さん。ドクロが工藤静香に見えてくる。




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こちらは笠間の製陶ふくだで売られている「笠間焼きの勇者の剣」だ。少年たちに人気だという。
ピンバッチになっていてコートの襟につけてるのだが、かなりの人数に「それ、なんですか?」とたずねられた。
「笠間焼きの勇者の剣ですよ」とこたえると、やや間があったのち、あいまいな愛想笑いをしてくれる。人を笑顔にする強力な武器だ。

ガチガチの渋い焼きものばかりじゃなくて、自分好みのクセモノがたくさん売られている。
値段も数百円から買えるから、高嶺の花ってわけでもない。



この記事ではこんな具合に

「ツボやお皿に興味がない人間でも楽しめる」


かさましこのスポットやお土産を紹介いく。



◎「メシ」を食う
◎「観光」する
◎「お土産」を買う
◎「酒呑んで」締める

という4つの切り口からご案内しますね。
各項目から1店舗ずつ選んでもらえれば、かさましこを丸一日堪能できるプランになるよ!





●そもそも笠間と益子ってどこにあるの?



「焼き物の里」というと人里離れたはるか遠い場所をイメージしちゃうけど、あんがい近い。
都内からだと茨城県・笠間は2時間ぐらい、栃木県・益子は2時間半ぐらいで行けちゃう。
ぜんぜん日帰り範囲内ですわ。





●でも、車がないと面倒でしょ?

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▲秋葉原と笠間・益子をダイレクトにつなぐ「やきものライナー」(茨城交通)

「距離が近いっていっても、車がないと行きづらいでしょ?」
わたしのような運転ができない人間からすると、物理的な距離よりも心理的な距離が大きい。
鈍行電車だと乗り換えが何度もあってたしかに面倒くさいんだけど、じつは「焼き物ライナー」という秋葉原からの直行バスがある。
これがかなり便利なんだな。

秋葉原とかさましこをダイレクトに繋いでいて、笠間なら1時間40分、益子なら2時間半で着いちゃう。
値段も笠間往復2600円、益子往復3500円とお得だし。
高速バスにのると旅情をあじわえるんだよな~。
バスの便数がかぎられてるから、2つの町を行き来するのは難しいけど、どっちかに絞りこんで観光するなら焼き物ライナーで問題なし!





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◎「メシ」を食う

がっつり観光するまえに、まずは腹ごしらえ。
笠間と益子で1つずつ「ここでしか食べれなくて、うまいもの」をご紹介しよう。




●【かさま】「いなり寿司の聖地」で変わり種を食べまくる!


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▲笠間稲荷神社

笠間は稲荷すしの聖地!
そば屋がサブメニューでだしていたり、いなり寿司専門店があったり、いなり寿司が町中にあふれかえっている。
日本三大稲荷とされる「笠間稲荷神社」があるからだ。



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▲笠間稲荷神社の狐塚

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▲本殿の裏から静かに願いをはこぶとれる福キツネたち

稲荷神社といえばお狐さま。狐の好物といえば油揚げ。油揚げならいなり寿司。
というわけで町の代表食としていなり寿司を推してきたら、専門店まで出来てきたというわけだ。
笠間稲荷の参道にはソバ屋がたくさんあるんだけど、ほとんどの店でいなり寿司をだしている。


「いなり寿司なんてどこで食べても一緒でしょ?」とおもっていたが、比べてみると個性がある。
・あぶら揚げの味つけ(どんだけ甘くする?)
・中にいれるメイン食材
・トッピング
などなど。
店ごとのこだわりポイントがあって、けっこう違う。


いなり寿司が好物なので「うまい、うまい!あそこはどんな味じゃ、あそこはどんな味じゃ……」と寿司につられて罠にかかる妖怪がごとく食べあるいていたら、いつのまにか5店舗10個以上を平らげていた。





(1)そばいなり、肉味噌いなり…。バリエーション豊富な「きむらや」


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▲そば・うどんとあわせて、いなり寿司も売ってる「きむらや」

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▲店頭販売もしてるのでテイクアウトできる

気軽にいなり寿司の食べ比べをするなら、笠間稲荷神社の参道にいけばOK!
いなり寿司販売店が密集しているぞ。
そのなかでも寿司のバリエーションがもっとも豊富だったのが「きむらや」だ。
ディスプレイには10種類ほどのいなり寿司がならんでいた。



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全種類いっちゃうと1軒目でゲームオーバーになってしまうので、れんこんいなり、肉味噌いなり、そばいなりの3種類をえらんだ。



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▲肉みそいなり

ベーシックないなり寿司のうえに、甘辛く味つけされたお肉がのっている。
甘いあぶら揚げとジューシーなお肉、合う!



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▲そば稲荷

酢飯ではなく、ゆでたそばをいれたいなり寿司。
世間的には珍しいメニューだが、笠間ではベーシックなようであちこちのお店で取り扱っている。
そばはつゆに漬けられていて甘酸っぱい。お米のいなり寿司とはまったく別物とかんがえたほうがいい。
わたしは普通のいなりのほうが好きだなあ。

撮影しやすいよう包丁で真っ二つに切ってくれた。
いかにそばがみっちり詰めこれているかお分かりだろう。具はシンプルできゅうりだけ。



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あぶら揚げは一気に大鍋で煮て、汁につけて味を染みこませるそうだ。



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あぶら揚げだけの購入もできる。
甘くて肉厚でおいしかったので、1パック買ったんだけど輪ゴムがなきゃしまらないぐらい詰めこんでくれた。
茹でたうどんにたっぷりこいつを投入すれば、自宅でも気の効いたきつねうどんが作れるね。




(2)酸っぱめのそばがみっちり詰まった「柏屋」


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おなじく参道にあるそば屋「柏屋」で、そば稲荷をテイアウトした。
あぶら揚げをめくると、さきほどの木村屋以上にぎっちぎちにそばが詰まっている。麺もやや太めだ。きゅうりはなく、そばだけのシンプルな構成。
味つけされてるつゆがかなり酸っぱめだね。
 



(3)最強に皮が甘い!「二ツ木」

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▲テイクアウト専門店の二ツ木。子ぎつね寿司の看板がかわいい。

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▲くるみいなり

テイクアウト専門店のいなり寿司屋「二ツ木」で、くるみいなりを買った。こちらも参道にある。
笠間稲荷はもともとクルミの密林に建てられたので「胡桃下稲荷(くるみしたいなり)」と呼ばれていたそうだ。
それにちなんで、参道沿いのお店にはだいたいくるみ稲荷がおかれてる。

砕いたくるみがたくさんはいっているので、食感がボリボリとしてて気持ちいい。
5店舗食べたなかでもダントツで皮が甘い。「かりんとう?」ってぐらい甘かった。
米の分量もすくなめなので、相対的に皮の主張が強め。
甘いいなりが好きな人ならここだね。




(4)おモチをいれたスイーツ感覚いなり「笠間稲荷仲見世の稲荷寿司」


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▲笠間稲荷の仲見世

お土産ものをとりあつかっている笠間稲荷の境内にある仲見世。
もちろんいなり寿司も売っている。



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一見、普通のいなり寿司のようにみえるけど、じつは変わり種なのだ。



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モチです。ゴマをまぶしたモチがはいってるんです。
そば稲荷は正直好みがわかれそうだが、モチいなりは文句なしにうまい。
ゴマもあぶら揚げも甘くって、食感もぷにぷに。スイーツ感覚だ。
セブンイレブンで売りだしてくれないかな。
 



(5)タコ・エビ・ホタテ…海鮮系いなりもある本格派「いなり工房ISAGO」

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笠間稲荷の参道からちょっと離れるんだけど、気合いを入れていなり寿司を食べ比べるなら「いなり工房ISAGO」は外せない。
いなり一本で勝負しているロードサイド沿いのお店。
タコ、エビ、ホタテなど海鮮系の本格派いなりがある。



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▲5種類のいなり寿司を買った

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みょうがを丸ごと1つのせたいなり。
ここのあぶら揚げは甘さひかえめで上品なつくり。
5軒目だったのでお腹はすでにパンパンだったが、みょうがとあわせるとすごくサッパリしていて、ぱくぱく食べれてしまう。
 


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そばいなりの具は、きゅうりに刻みネギ、ゴマを少々ふっている。
つゆの味つけがひかえめなのでそれほど酸っぱくなく食べやすい。



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▲えび稲荷、たこ稲荷、ほたて稲荷には焼き印がおされてる

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酢飯のあいだにタコやホタテ、エビがはさまっている海鮮系いなり。
甘いあぶら揚げにどれも合うんだよなあ。

いや~、いなり寿司可能性ある!
回転すしではたいていいなり寿司で締めるくらい、もともと好きな料理だったけどまだまだ伸びしろあったんだな。





●【ましこ】1年中流しそうめんができる!「大川戸ドライブイン」




「やきものライナー使えば、車がなくても気軽にいけるよ!」と断言したものの、ごめんなさい、大川戸ドライブインは車じゃないとさすがに厳しい。
益子といっても茨城との県境近くまですすんだ山間部に位置してるから。
それでもここをご紹介するのは、流しそうめんが1年中できる珍しさもあるけど、料理がいちいち本気でうまいからなの!
たんに変わったことして客寄せしてる店だとおもってると、料理のうまさにビックリするよ。



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▲1年中流しそうめんをやってる「大川戸ドライブイン」

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▲特製流しそうめんマシーンをそなえつけた丸テーブルがならんでいる

創業は50年以上昔のドライブイン。10年前にリニューアルしたばかりなのでキレイ。
流しそうめんが楽しめるこちらの施設の向かいには、大きな釣り堀もある。釣ったマスを塩焼きにしてくれる。
施設名に「ドライブイン」とついてるけれど、長距離ドライバーのたまり場になりがちな一般的ドライブインとは別物。



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中華テーブルのような円卓に、特製流しそうめんマシーンがそなえつけられている。
席につくと水が勢いよく流れだす。



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配管レバーで水量調整しているそうだ。流す麺の量が多いときは、勢いを強めるんだとか。
管ごとに席番号がはられているのだが、妙にランダムだ。
麺がなるべくのびないように、冷たい地下水をつかっている。






こんな感じでそうめんを流して食べる

そうめんは味も素っ気もないのであまり好んでは食べないんだけど、ここの流しそうめんは妙にうまい。
流してつかむ楽しさが味にプラス補正をかけてるのだろうか。つゆまで飲み干した。



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▲大川戸ドライブインのおかみさん。一品一品に超こだわりがある!

そもそも流しそうめんをはじめたきっかけは数十年前にさかのぼる。
鹿児島を旅行してきたお客さんが「流しそうめんの専門店があるんだよ」と教えてくれたんだとか。
「それはオモシロい!」と先代のオヤジさんが連絡をしたが、流しそうめんマシーンは特許で守られて複製許可がでなかった。しかたなく自力でマシーンを作りあげたそうだ。

そう、たしかにあるのだ、鹿児島には市営流しそうめん専門店が。
3年前、日本全国の珍スポットを巡りあるく旅をしたさいに、わたしも鹿児島県・指宿の市営流しそうめん屋にたちよった。
流しそうめん店は珍しいから覚えていたが、まさかつながりがあったとは。



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▲3年間も寝かせたそうめん

女将さんにお話しをうかがったら、そうめんの美味しさは心理的効果だけじゃなかった。
一品一品に「マジかよ」ってぐらいこだわりがあったのだ。

まず、ぶったまげたのが麺へのこだわり。
小豆島で作られた特注そうめんを、なんと石蔵で3年間寝かせているのだ!!
油が飛んで、よりサッパリするんだって。

「一年中やってるけど夏の食べものだからね。めんも塩分多めにしてるのよ。夏は汗かくし、塩っ気があったほうがおいしいでしょ」とのおかみさん。
特注のそうめんは塩分を多めに設定してるそうだ。

つけつゆもベースになるダシを地方から買って、さらに味をたしていく。
お金をかけてじっくり作りこむので、そうめん1人前につき1杯。
つゆだけたくさんもらって何人かでシェアするのはご法度だ。
「ほんとにうまいもん作ろうとしたら地産池消なんて無理、無理!!」と断言していた。

夏場の休日は、1時間待ちの行列になることも。
「大川戸ドライブインが繁盛してるから」と近場でそうめん専門店ができたこともあるが「根っこのところで麺やつゆに対するノウハウがないの!すぐにつぶれたね!」とのこと。
正直、流しそうめんはイロモノだとおもってた。ごめんなさい!!



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「こんにゃく食べてごらんよ!」と女将さん。



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こんにゃく芋からつくっている自家製こんにゃくだ。



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「手でちぎったほうがおいしいの!」と豪快にひきちぎっていく。



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すりおろした生姜をのせて、しょう油をかけたら出来上がり。

これがね、衝撃的なうまさ!
いままで食ってたこんにゃくってなんだったのよ。
スーパーで買えるこんにゃくとはまったく別物!
くさみ一切なし。とにかくみずみずしくて、楽しい歯ごたえ。薬味のうまみがたまんない。
これ、うっま~~。お持ち帰りのお土産でどっさり買ってしまったた。
「おしんこ盛り合わせ」を頼むと、刺身こんにゃくがついてくるので、絶対注文してみて!





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◎「観光」する



●【かさま】ヒノキの森に陶芸アートがある!「笠間芸術の森公園」


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▲「マジシャンクレーのプラットホーム」

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デートや家族連れでの観光ならば「笠間芸術の森公園」がおススメ!
広大な敷地の公園中に、陶芸アートがたくさん展示されているのだ。



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▲「ローズマリーの爪」

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▲「発掘された古文書」

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いい塩梅に風化してきていて、ヒノキの森のなかに溶けこんでいる。
ひょっこり広がる非日常な世界を探してまわるのが面白いんだな。



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▲「音を奏でる陶楽器」

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▲「千羽雀」

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園内には散歩してる人がちらほらいるぐらい。のんびりするのにちょうどいい。



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▲「陶と陽光の集合体」

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一番好きだった作品、陶と陽光の集合体。
陶製の突起がタケノコみたくにょきにょき生えてる。





●【ましこ】めちゃくちゃ笑ってる閻魔さま「西光寺」


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変わったお寺がお好きならこちら、西明寺。
山のうえにある静かなお寺だ。




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急な階段をのぼりきると、渋いたたずまいの閻魔堂(えんまどう)が建っていた。


さぞかし厳粛なエンマさまが待ち構えているのだろうと入ってみると……




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エンマさま、めちゃくちゃ笑ってた!




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西明寺のエンマ像はめずらしい笑い閻魔。
真っ赤な顔で大口あけて爆笑してる。


エンマは地蔵の化身

地蔵は地獄におちた人を救うため、いつも笑みをうかべてる

地蔵の化身だから、エンマが笑ってもいいじゃない

というロジックで爆笑しているようだ。
普段怖い人がこんなに笑ってたら、かえっておそろしい。
笑いながら「おまえ、無間地獄行き!」とか判決くだしそう。


※無間地獄:八大地獄最強の地獄。349京2413兆4400億年苦しみつづける。




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▲善童子

エンマさまにむかって右手が天国、左手が地獄という設定。
天国サイドには善童子がいて彼も彼で笑っているんだけど、この笑顔、単純に信頼していいんだろうか。



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地獄サイドの奪衣婆(だつえば)も笑ってる。
三途の川の渡し賃をもってない奴の身ぐるみをはぐババアだ。
こんなババアに笑いながら服を脱がされたら、恐怖が倍増する。





●【ましこ】”益”のかたちになってるぞ!「益子町役場」


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▲益子町役場

ちょっとした小ネタを1つ。
益子にいったら町役場にも立ちよってみてほしい。
ずいぶん変わった形をしているんだけど、なにがモチーフになってるかお分かりだろうか。



カニ?


ちがうちがう!





へーベルハウス?


ハーイ






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そう!

益子の”益”のかたちになっているのだ!!





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う~~~~~ん、どこからどう見ても”益”だね!





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◎「お土産」を買う




●【ましこ】超でっかい焼き物タヌキがいるよ!「益子共販センター」



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益子共販センターは益子焼の複合ショッピングセンターだ。
ジャンルごとに何棟も販売ショップがたっている。有名作家の作品(いいお値段)から大量生産のもの(おてごろ価格)まで揃えているので、どんな経済状況のひとでもショッピングを楽しめるよ。
てっとり早く益子焼きの定番品をそろえるなら、ここだけでも事足りる。




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益子共販センターのシンボルは益子焼の超巨大タヌキ。
見てのとおり、二重の意味でシンボルだ。
足元にたつ私との比率で、その巨大さがお分かりいただけるだろう。




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▲トイレも益子焼で埋めつくされてる

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トイレの壁まで益子焼きで埋めつくされている。




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焼きもの以外のお土産もオモシロいのがけっこうあるのよ。
たとえばオリジナル商品、益子バウム。
コーヒー味のバウムクーヘンなんだけど、つかってるコーヒー豆がコピルアクなの。
コピルアクはジャコウ猫のフンから取りだしたコーヒー豆ですっごい高級品。
しっとりしてておいしいバームクーヘンだ。


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このコースターも買えて嬉しかったですね~。
底に益子焼きにまつわる写真をはさんだコースター。
左は陶芸教室かな、まだわかる。
でも右は土だからね、土。粘土になるまえの土の山をコースターにしちゃう意気込みに惚れた!





●【ましこ】一家に一体ハニワをどうぞ「大塚
ハニワ店」



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▲大塚はにわ店

冒頭で笠間焼きの勇者の剣、ドクロのコップを紹介した。
「ひとくちに焼き物といってもいろいろあるんだなあ」とおもいながら、益子の焼き物通りを散策していたら、店頭にずらっとハニワがならんだお店が。
大塚はにわ店である。



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その名のとおり、ハニワ専門店。
教科書でよく見た土偶やハニワが大小さまざまそろっている。
鳥やイノシシなど人型以外のハニワもたくさんあるよ。




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大きなハニワは一から手づくりなのでそれなりのお値段だが、小さなものは型にはめてたくさん作るのでお手ごろ価格。
しっかり焼きあげた土偶がたったの600円で買えちゃう。




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▲猿のハニワ

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▲これがモデル

ぶきみな存在感をはなっていた、このハニワを買った。
無表情の人間かとおもったのだが、店主さんにたずねると「猿」なんだって。





●【ましこ】虫ペンダントがすげえかっこいい!「虫屋」



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おつぎは「虫屋」。
ハニワ屋のならび、焼き物通りにある異色の存在だ。




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店主が採取した昆虫を、はく製にしてキーホルダーとして販売している。
ずらっとならんだ虫たちが、すごくキレイでかっこいい。




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▲球のなかにアブを閉じこめたブレスレット

甲虫やチョウチョ、カニやサソリとはいってる生物の種類も幅広い。
おもにインドネシアで採取してくるそうだ。



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ひとめ惚れして購入したのがジャングル蟻のキーホルダー(700円)。
これがデカいのよ。余裕で2㎝ぐらいあるね。



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純粋なはく製も売っている。
店内にはいりこんだオニヤンマを捕まえたそうだ。
そのとき営業中でお客さんもいたけれど「2500円が飛んできたぞ!!」と扉を閉めて、速攻で捕獲したらしい。




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リフォームや修理など建築関係の仕事をしていたという店長さん。
虫とりアミは「いつ飛んでくるかわからないから肌身はなさず持ってる」とのこと。
海外いくときはアミだけ持って、竿は現地調達するそうだ。




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店長さんが作った陶芸作品もあつかってるのだが、これがまた独特。
写真は、犬が埋めこまれた蚊取り線香入れ。




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店長さん一番のお気にいり作品は、カマキリのおひな様。
こういう焼き物なら欲しくなるな~。




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◎「飲み屋」で締める




●【かさま】マスターの美空ひばりショーで盛りあげれ!「ライラック」 

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さて、最後にご紹介したいのが「ライラック」だ!
正直、この店を何屋に分類すればいいのかわからない。
いちおうスナックとかパブとかそういうジャンルにおさまるんだろうか。

「いなり寿司、どこのを食べ比べようかな~」と調べていたところ、ヒットした外観をみて「これは普通の店じゃない!」とピンときて足をのばしたのだが、そのとおりだった。
派手なチェック柄の看板、LiLacのアルファベット内部に描かれた宇宙、主張しすぎの笠間のキャラいな吉。
すべてがただならぬ存在感を発している。




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▲クリスマス前にうかがったので、内装がキラキラしてた

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▲ランチにいなり寿司を食う内装ではない

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▲キャッチコピーは「笠間で唯一のパワースポット!」だ

1時ころ、ランチタイムにうかがった。
いなり寿司のほかにラーメン、カレー、焼きそば、ピザなど軽食を幅広くとりあつかっている。
真っ昼間に飯をくいにきたのに、ベロベロに酔った2次会みたいな気持ちになる。
ベロアのソファーにすわっていると、いまが昼の1時なのか夜中の1時なのか時間感覚がゆがんでくる。




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お目当てのいなり寿司がくるまで、「夢見る少女じゃいられない」を歌って待つ。
お食事のかたはカラオケ無料だ。
ちなみに取材日は12月24日。
この写真がクリスマスイブの昼間だとは誰も予測できまい。



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いなり寿司を持ってきたマスターが「なかなか元気いいじゃない」と褒めてくれた。
つくだ煮、明太子、おしんこをのせたいなり寿司。いなり専門店にもなかった和風アレンジだ。お米が炊きたてなのかホカホカしてる。




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▲お話し好きのマスターさん(左)

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▲話しに夢中になってるうちに、いまにも灰が折れそうにおじぎしていた

「ほとんどお客さんが2次会で来るんだよ!うちでご飯食べれば安くすむよ、って言っても2次会から来るの!」
とマスターのお話しを聞きながら、いなり寿司をほおばる。
たしかに2次会って感じだからな、このお店。


じつは前述した大川戸ドライブインのおかみさんに「どこかこのへんで面白い店ないですか?」と聞いたら、ここライラックの名前があがっていた。
「店長さんが変装して美空ひばりを歌ってくれるのよ!」と聞いていたのでおねだりすると「変装ショータイムは夜のサービスだけど、東京から来てくれたし特別にみせてあげよう」とお昼に頑張っていただいた。


バックヤードにひっこむマスター。
しばしの静寂ののち、大音量で「愛燦燦」がかかった。




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美空ひばりの登場だ!




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もはやどのへんが美空ひばりなのか分からないが、とにかくがっつり衣装を着こみ「愛燦燦」を熱唱するマスター。
いい顔で歌んだよ、これがまた。






動画でもどうぞ。




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衣装替えして珍島物語も歌ってくれた。いやあ、くつろぐ。
ウーロンハイを飲みながら、まったりショーを堪能していたら…




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楽屋に手をひかれ




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美空ひばりのお祭りマンボを歌っていた。

なんとも愉快なライラック。
かさましこの夜を、飲んで歌って締めてはいかが!?





以上、笠間&益子を丸1日堪能するプランであった。
珍スポット好きするスポットから王道の観光スポットまで、自信をもっておすすめできる面白い場所をよりすぐってみた。

あえてプランには入れてないけど、陶芸作りもいいですよ!
体験として楽しいし、手作りの湯のみやお皿は思い出にもなる。
笠間も益子もあちこちの店で初心者向け陶芸体験を用意してるから気楽にやれるし。

1日ですべて巡るのは難しいだろうから、メシ・観光・土産・飲みから1つずつ選んで、オリジナルコースを作ってみてくださいまし!



◎スポンサード: 笠間観光協会